タイガース プロスペクト・カンポス 英語のスキルアップの要因はテイラー・スウィフト!?

タイガース ロベルト・カンポス MLB

レイクランド(フロリダ州)— ロベルト・カンポスは、さらなる長打力を求めている。

「オフシーズンは、ボールを強く打つことに取り組んできました。」とカンポスは語る。

「ライナーを打てば、自然とボールは飛ぶと分かっています。だから、それを意識してスイングの調整をしてきました。」

2019年にタイガースと契約して以来、彼を追い続けてきたファンにとっては、聞き慣れた言葉かもしれない。 しかし、彼が水曜日の雨天中断中に語った言葉には、一つの大きな変化があった。

それは「自分自身の言葉」だったということだ。

カンポスは、ほぼすべての12分間のインタビューを自力でこなした。 タイガースのスペイン語コミュニケーション&放送ディレクター、カルロス・ギーエンが補助役として同席していたが、カンポスが適切な単語を探す場面でほんの数回サポートしたのみだった。そのうちの一つが「成熟(maturity)」という言葉だった。そして、その言葉通り、彼はこの数年で大きく成長している。

「今シーズンが本当に楽しみです。」


謎に包まれたプロスペクト、カンポスの成長

カンポスはこれまで、「ミステリアスなプロスペクト」と言われてきた。その理由の一つは、彼の特異な経歴にある。

  • キューバ代表として国際大会に出場していた13歳の時に亡命
  • その後、ドミニカ共和国で3年間競技レベルの野球をプレーせずにトレーニングを続けた
  • 2019年にタイガースと契約

さらに、言語の壁も彼をミステリアスにしていた要因の一つだった。

これまで、カンポスは英語メディアとの取材では常に通訳を介して話してきた。彼の考えや感情は伝わっていたが、それは「別の声」を通してだった。

これは、彼がこの数年間直面してきた課題を象徴している。「野球のレベルを上げるだけでなく、新しい文化に適応する」という挑戦だった。

A.J.ヒンチ監督が語る「辛抱」の大切さ

「カンポスの成長の過程は、私たち全員にとって“辛抱”の大切さを教えてくれます。」と、A.J.ヒンチ監督は語る。

「適応というのは、ただ野球を学ぶだけではありません。彼は異国の地で生活し、新しい言語を学び、多くの異なる人々と関わることを経験してきました。彼がここまで来るのに時間がかかったように感じるのは、野球界全体の“辛抱のなさ”のせいであって、彼自身の問題ではないんです。」

カンポスは今、グラウンドの内外で新たなステップを踏み出そうとしている。


カンポスの挑戦:言葉の壁を乗り越えて

2023年、カンポスがハイA(ウェストミシガン)に昇格した際、彼を指導したのはブライアン・ペーニャ監督だった。

ペーニャ自身もキューバ出身で、若くして亡命し、マイナーリーグを早い段階で経験した経歴を持つ。そのため、カンポスが直面している困難をよく理解していた。

ペーニャは、カンポスの適応を手助けし、英語の習得もサポートした。しかし、ペーニャが2023年から球団全体のキャッチング・インストラクターに就任し、ハイAのチームを離れることになったため、カンポスは自らの意思で英語を習得する決意を固めた。

「1年目は英語が話せなくて、本当に大変だった。」とカンポスは振り返る。

「2年目は、英語が流暢になったことで、気持ちが楽になった。」

英語習得への努力

カンポスは日常生活のあらゆる場面で英語を学ぶことに没頭した。

  • ルームメイトのドム・ジョンソン(外野手)と英語で会話
  • クラブハウスでも積極的にチームメートと英語で話す
  • アクション映画を字幕付きで鑑賞
  • ポピュラー音楽の歌詞を意識して聴く

そんな中、彼が特に影響を受けたアーティストがいた。

「ありがとう、テイラー・スウィフト。」と、カンポスは笑顔で語った。

「彼女はすごい。」

タイガースの歴史にもあった「言葉の壁」の挑戦

カンポスが直面した言語の壁は、タイガースの歴代プロスペクトたちも経験してきたものだった。

かつて、フェルナンド・ロドニー(ドミニカ共和国出身)もまた、最初は寡黙なリリーバーだった。しかし、やがてタイガースのクラブハウスで最も個性的な選手の一人となる。

ロドニーが2002年にメジャーデビューした当時、多くの球団には通訳がいなかった。 そのため、チームメートのホセ・リマが彼の通訳を申し出たが、三塁コーチのフアン・サミュエルが間に入り、サポートを行った。

そして、ロドニーは徐々に自分でインタビューをこなせるようになり、最終的にはタイガースのクラブハウスで最も興味深いキャラクターの一人となった。

カンポスもまた、言葉の壁を乗り越え、タイガースで新たな物語を築こうとしている。


カンポスの個性が輝き始める

カンポスは、プレーに対する情熱を前面に押し出すようになり、経験を積むごとにそのエネルギーはさらに強まっている。

ウェストミシガン(ハイA)での2年目のシーズンでは、以下の面で大きな成長を遂げた。

  • パワーアップ(長打力の向上)
  • 打率・出塁率・OPSのキャリアハイ
  • スピードの有効活用

次なるステップ:ダブルA昇格を待ちながら春季キャンプに参加

カンポスは現在、ダブルA(イリー・シーウルブズ)昇格を待ちながら、スプリングトレーニングではマイナーリーグキャンプから招集される形で、頻繁に試合に出場している。

A.J.ヒンチ監督によると、当初はスプリングトレーニングのノンロスター招待選手(NRIs)として招集する案も検討されていたが、今季は例年より少人数のキャンプメンバーで運営する方針となり、その枠には入らなかったという。

しかし、カンポスは3月16日(日)の「スプリング・ブレイクアウト・ゲーム」で、ブレーブスのプロスペクトたちと対戦するタイガースの若手チームに選出されている。

ヒンチ監督の評価:「より成熟した姿を見せている」

「彼は多くのことを高いレベルでこなせる選手だ。」とヒンチ監督は語る。

「我々の選手育成チームは、彼の成長を見守る一方で、必要な部分にはしっかりと刺激を与えてきた。彼は今、その成果を示しつつある。」

「彼は以前からこの場に来ているが、今はより成熟した姿を見せている。それは良い兆候だ。ベンチでも積極的に周囲と関わっているのが分かる。」

カンポスの手応え

カンポス自身も、スプリングトレーニングでの日々を楽しんでいる。

「ここに来るたびに、毎日気分がいいです。」と、充実した表情で語った。

ジェイソン・ベック:MLB.comタイガース担当
引用元:mlb.com

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