ポート・シャーロット — シャーロット・スポーツ・パークの夜空の下、ボストン・レッドソックスが誇る有望株の「ビッグ3」が、その実力を見せつけた。
MLB Pipelineで最高の野手プロスペクトに選ばれたローマン・アンソニー、総合7位のクリスチャン・キャンベル、そして12位のマルセロ・メイヤーが、それぞれ本塁打を放ち、レイズのプロスペクトたちとのスプリング・ブレイクアウトの試合で大きなインパクトを残した。
この試合は、フロリダとアリゾナで開催される第2回スプリング・ブレイクアウトの幕開けを飾る試合の一つだった。レッドソックスのプロスペクトたちは7-5で敗れたものの、「ビッグ3」の活躍は一際目立った。
固い友情で結ばれた3人のスター候補
この3人は、レッドソックスのトッププロスペクトであるだけでなく、親友としても知られている。試合後には3人で記念写真を撮り、共に本塁打を放った喜びを分かち合った。
「一緒にプレーできるのは本当に楽しいことだよ」とアンソニーは語る。
「3人だけじゃなく、普段一緒にプレーする機会のない選手たちと試合ができるのもすごく楽しい。若手選手たちの才能を間近で見られるのは、チームにとってもワクワクすることだね。」
ボストンの未来を担う「ビッグ3」が、今後どのような成長を遂げるのか。彼らの活躍から目が離せない。
3回表、二死の場面でクリスチャン・キャンベルが試合の流れを変える一撃を放った。
レイズのNo.11プロスペクトであるトレバー・ハリソンのボールをとらえ、右中間スタンドへ運ぶ2ラン本塁打。右打者のキャンベルは、逆方向にも簡単に飛ばせるパワーを披露した。
「ギャップ・トゥ・ギャップ(両方向のギャップを狙う)、それが自分のパワーの形だ」とキャンベルは語った。
「大きなフィールドの真ん中を狙って、ボールを強く打ち、しっかりと上げる。そうすれば、良い結果がついてくるんだ。」
期待のプロスペクトとして注目されるキャンベルが、今後の試合でもそのパワーを存分に発揮するのか、さらなる活躍に期待がかかる。
キャンベルの本塁打に続き、ローマン・アンソニーがすかさず口を挟んだ。
「それ、前にも見たことあるよ」
まるで、キャンベルのパワーは当然のことだと言わんばかりの反応だった。しかし、驚きの展開はまだ終わらない。
次の打者であるマルセロ・メイヤーが、ハリソンの2球目を完璧に捉え、ライトスタンドへ叩き込むソロ本塁打。
「ホームランはいつ打っても気持ちいいよ」とメイヤー。
「ただ、ボールをしっかり打って、強く当てることだけを考えてた。だけど、こうして仲間たちも一緒に打ってるのを見るのは、やっぱり最高だね。」
“ビッグ3” として注目されるレッドソックスの若手有望株たちが、そろって本塁打を放つ圧巻のパフォーマンスを見せた夜となった。
この夜、最も豪快な本塁打を放ったのは間違いなくローマン・アンソニーだった。5回表、アンソニーの放った打球は一直線に飛び、右翼フェンスを越え、さらにその先の屋根の上に着弾。
「まるでミサイルだった」と、スタジアムの観客は息をのんだ。
シャーロット・スポーツ・パークにはStatcastの計測設備はないものの、レッドソックスとレイズの関係者によれば、打球速度は約110マイル(約177km/h)、推定飛距離は435フィート(約132m)にも達したという。
だが、この結果は驚くべきことではないのかもしれない。昨年7月31日、アンソニーはダブルAポートランドの試合で、打球速度116マイル(約187km/h)を記録する特大本塁打を放っているのだ。
この試合で、レッドソックスの「ビッグ3」はそれぞれのバットで実力を証明した。だが、最後に圧巻のパワーを見せつけたのは、やはりアンソニーだった。
この一撃をさらに印象的なものにしたのは、アンソニーがつい最近まで胃腸炎に苦しんでいたという事実だ。
「10ポンド(約4.5kg)も体重が落ちたんだ。もしそうじゃなかったら、どうなっていたかわからないよ」とアンソニーは笑った。
「もしかしたら、去年のよりもさらに強烈な当たりになってたかもね。」
さらに、この場面にユーモアを加えたのは、観客のヤジだった。試合中、あるファンがアンソニーの打席ごとに「過大評価だ!(Overrated!)」と叫び続けていたのだ。
しかし、アンソニーは全く動じることなく、むしろ楽しんでいた様子だった。
「この春、もう何度も聞いてるよ」と、アンソニーは笑顔で振り返る。
「だから、ただ面白いなって思うだけさ。それも野球の一部だよね。」
胃腸炎による体重減にも、観客のヤジにも負けず、特大アーチを放ったアンソニー。そのパワーとメンタルの強さこそが、彼が「MLBトッププロスペクト」として注目される理由なのかもしれない。
レッドソックスの未来を担う3人、今季メジャー昇格へ期待高まる
ローマン・アンソニー、クリスチャン・キャンベル、マルセロ・メイヤーの「ビッグ3」は、ここ数年にわたりレッドソックス・ネイションの注目を一身に集めてきた。そして今シーズン、ついに3人全員がメジャー昇格を果たす可能性が高まっている。
キャンベルは、開幕戦でレッドソックスの正二塁手を務めるチャンスを掴もうとしている。持ち前のパンチ力を活かし、スプリングトレーニングでアピールを続けている。
2021年ドラフト全体4位指名のメイヤーは、攻守両面での実力を証明中だ。3回裏には、レイズの有望株カーソン・ウィリアムズの緩いゴロをさばき、一塁へ矢のような送球でアウトを奪った。
「ショートとして、守備に誇りを持つことが大事。ほぼ100%の確率でアウトにしなきゃいけない」とメイヤー。
「ピッチャーを助けるのが自分の仕事。打球が飛んできたら、必ずさばくつもりでいるよ。」
2025年シーズンは、まだ未経験のトリプルAでスタートする可能性が高い。
この3人の中で最も若い20歳のアンソニーは、マイナー屈指のスムーズなスイングの持ち主。この日も、驚異的なアーチでその才能を存分に見せつけた。
「あのホームランはヤバかったね」と、キャンベルも驚きを隠せない。
「最初から、この試合がすごく楽しみだった。やっぱり一緒にプレーするのは最高だよ。」
この若きスター3人のメジャー昇格がいつになるのか、レッドソックス・ファンの期待は高まるばかりだ。
イアン・ブラウネ:MLB.comレッドソックス担当
引用元:mlb.com