スプリングトレーニング期間中、MLB.comの担当記者たちは各球団のクラブハウスで選手たちに様々な質問を投げかけた。その結果を基に、開幕に向けて一連の特集記事を公開している。
今回のテーマは、「これまでチームメイトになったことがない選手の中で、一緒にプレーしてみたい選手は?」。
驚異的なプレー、クラブハウスでのリーダーシップ、そしてユーモアや優しさ――選手として、そして人として素晴らしいチームメイトにはさまざまな要素がある。MLBのトッププレーヤーたちは、これまで数多くの素晴らしい仲間とプレーしてきたが、彼らが「一緒にプレーしてみたい」と思うスター選手は誰なのか? 選手たちに直接聞いてみた。
1位(同率):ムーキー・ベッツ(ドジャース)
「彼は本当に素晴らしいアスリートで、すごくいい人だ。」
あるナショナルリーグの外野手は、ベッツについてそう語った。フィールド上での圧倒的な実力はもちろん、フィールド外での人柄の良さでも知られるスーパースターは、多くの選手たちの憧れの存在となっている。
野球だけでなく、バスケットボール、ゴルフ、ボウリングでも高いスキルを持つベッツは、強い競争心とカリスマ性を兼ね備えた選手だ。そのため、チームメイトでなくとも、彼を尊敬し、「一緒にプレーしたい」と思う選手は少なくない。
「彼のプレーを見ていて、そして彼がどれだけ周囲から尊敬されているかを聞くと、一緒にプレーしてみたいと思わずにはいられない。」
そう話したのは、ナショナルリーグのリリーフ投手だった。
8度のオールスター選出、7度のシルバースラッガー賞受賞、6度のゴールドグラブ賞受賞、そして2018年アメリカンリーグMVP――ベッツの輝かしい実績は、まさに一流の証。そこに人柄の良さ、努力家の一面、謙虚な姿勢が加われば、選手たちが「一緒にプレーしたい」と口を揃えるのも納得だ。
「彼はまるで“球界の市長”みたいな存在だよ。」
そう語ったのは、別のナショナルリーグの外野手だった。
「ムーキー・ベッツが自分のプレーを評価してくれていると聞くと、すごく特別な気持ちになるよ。彼は本当に素晴らしい人なんだ。」
1位(同率):大谷翔平(ドジャース)
MLBの誰もが、大谷翔平がフィールド内外で成し遂げている特別なことを知っている。しかし、それを間近で目にするのは、また別の話だ。
大谷を「一緒にプレーしたい選手」として挙げた多くの選手たちは、単純に彼の存在に対する好奇心を抱いている。
「彼が毎日どんなことをしているのか、ただ見てみたい。」
そう語ったのは、あるアメリカン・リーグの一塁手だった。
2023年11月の右肘手術からリハビリを経て、大谷は今シーズン中に二刀流としての復帰が期待されている。もし彼が再びマウンドに立てば、2025年に彼とクラブハウスを共にすることはさらに特別な経験となるだろう。
「彼は現代のベーブ・ルースだ。」
そう語ったのは、ナショナル・リーグの外野手だった。
「彼は本当に特別な存在だよ。」
さらに、大谷を理想のチームメイトに選ぶ理由がもう一つある。
「自分のチームにいれば、彼と対戦せずに済む。」
1位(同率):マイク・トラウト(エンゼルス)
トラウトは、このランキングでトップに並んだ最後の南カリフォルニアのスター選手だ。2012年のアメリカン・リーグ新人王受賞以来、MLB最高の選手の一人と見なされてきたエンゼルスの外野手は、チームメイトとしても最も求められている選手の一人のようだ。
「彼について悪い話は一切聞いたことがないし、間違いなく世代を代表する才能だ。」
そう語ったのは、あるナショナル・リーグの一塁手だった。
もちろん、近年のトラウトは、その才能を十分に発揮できる機会が限られている。
2024年には左膝の半月板を2度損傷するなど、さまざまな怪我に悩まされ、2021年以降の出場試合数はわずか266試合にとどまっている。
しかし、フルオフシーズンを経て、2025年は右翼手へのポジション変更も予定されており、トラウトが再び健康な状態でプレーできることが期待されている。そして、それは彼を理想のチームメイトとして挙げた選手たちにとっても嬉しいニュースだろう。
「毎日元気にプレーしているトラウトが見られる?それは最高だね。」
そう語ったのは、ナショナル・リーグの外野手だった。
4位(同率):アーロン・ジャッジ(ヤンキース)
ジャッジのスキルセットが驚異的なのは言うまでもないが、このランキングでは、バッターボックス外での彼の人柄が特に評価されたようだ。
夫であり、父親であり、愛犬家であり、さらにはアニメのゲスト声優も務めたことのあるジャッジは、多くの選手仲間から「素晴らしいチームメイトであり、一緒にいると楽しい人物」と見なされている。
もちろん、史上最高レベルのホームランを打てる男がチームにいるのも、大きなメリットであることに違いない。
「きっといい打撃のアドバイスを持っているだろうし、彼が素晴らしいチームメイトだって話も聞く。彼と一緒にプレーして、話を聞いてみたいね。」
そう語ったのは、あるアメリカン・リーグの外野手だった。
ベッツやトラウトと同様、ジャッジもチームのためにポジションを変更する柔軟性を持っている。2024年は主にセンターを守ったが、このオフにヤンキースがコディ・ベリンジャーをトレードで獲得したことを受け、今季は再びライトに戻る予定だ。
「楽しみだよ。」
ジャッジはそう語った。
「ずっとライトを守っていたし、チームのためにセンターに回ったけど、最強のラインナップを作るためならどこでもプレーするつもりさ。」
4位(同率):クレイトン・カーショウ(ドジャース)
カーショウがこのランキングに名を連ねたのは、驚くことではない。彼に投票した選手のほとんどが、彼を見て育ち、そのベテラン左腕から学びたいと考えている投手たちだった。
「彼のピッチング理論を聞いてみたい。」
そう語ったのは、ナショナル・リーグのライバルチームに所属する先発投手だった。
カーショウは今月で37歳になるが、今オフに再びドジャースと1年契約を結び、現役を続行。しかし、度重なるケガと年齢の影響で、彼のキャリアが終盤に差し掛かっていることは明白だ。
だからこそ、多くの投手たちが彼と同じクラブハウスで時間を過ごし、学ぶ機会を持ちたいと願っている。
「もうあまり多くのシーズンは残されていないかもしれないけど、彼は僕の憧れだし、一緒にプレーできたら最高だと思う。」
そう話したのは、アメリカン・リーグのリリーバーだった。
カーショウはメジャーでのキャリアをすべてドジャース一筋で過ごしており、ほとんどの選手は彼と同じチームでプレーする機会を得られなかった。しかし、それでも彼が野球界に与えてきた影響は計り知れない。
「僕はカリフォルニア出身だから、彼のことは子どもの頃からずっと見てきたし、彼がレジェンドであることは誰もが知っている。さらに、彼がどれほど素晴らしい人間であり、最高のチームメイトであるかという話もよく聞くよ。」
そう語ったのは、アメリカン・リーグの先発投手だった。
4位(同率):フランシスコ・リンドーア(メッツ)
「ミスター・スマイル」の異名を持つリンドーアが、最高のチームメイトとして多くの選手から選ばれたのは納得の結果だ。彼のトレードマークである笑顔とポジティブなエネルギーは、彼のプレースタイルそのものでもあり、リーグ全体で高く評価されている。
「彼はとにかく楽しそうにプレーしているし、彼について悪い話を聞いたことがない。」
そう語ったのは、ナショナル・リーグのリリーバーだった。
さらに、リンドーアはその卓越したプレーでチームメイトを鼓舞し、試合の流れを変える力を持っている。2024年シーズン最終戦のダブルヘッダーでのブレーブス戦でのホームランや、フィリーズとのNLDSで放ったグランドスラムなど、彼の活躍がメッツをポストシーズンの深いラウンドへと導いた場面は数多くあった。
「彼のプレーや、グラウンド内外での振る舞いが本当に好きだ。一緒にプレーして、それを間近で見てみたい。」
そう話したのは、同じくナ・リーグのリリーバーだった。
リンドーアの明るい性格とプレースタイルが、彼を最高のチームメイトの一人として際立たせているのは間違いない。
その他:ウィルソン・コントレラス(カージナルス)
今回の調査結果は匿名だったが、唯一名前を公表してコントレラスとチームメイトになりたいと語った選手がいた。それは、彼の実の弟であり、現在ブルワーズのスター捕手である ウィリアム・コントレラス だった。
現在はナ・リーグ中地区のライバルチーム同士でプレーしている兄弟だが、いつか同じチームでプレーすることを夢見ているという。
「オールスターゲームで一緒にプレーしたことはあるけど、それとは全然違うんだ。」
ウィリアムはそう語り、公式戦で兄とともにプレーする機会を心待ちにしていることを明かした。
その他、複数の投票を獲得した選手たち
- ボビー・ウィットJr.
- ブライス・ハーパー
- サルバドール・ペレス
- フレディ・フリーマン
- ジェイコブ・デグロム
- ノーラン・アレナド
- オースティン・ヘッジス
- タリック・スクーバル
- ロナルド・アクーニャJr.
- コディ・ベリンジャー
- カルロス・コレア
- ジョシュ・ヘイダー
- ジョク・ピーダーソン
- ホセ・ラミレス
テオ・デローサ:MLB.comレポーター
引用元:mlb.com