今永昇太が2025年のカブス初登板を果たしたが、結果は完璧とは言えなかった。カブスは序盤にリードを許したものの、8回に追いつき、ジャイアンツと4-4で引き分け。勝利は逃したが、負けもせず、今春のオープン戦で無敗をキープしている。
今永は2回2/3を投げ、ケイシー・シュミットに2ラン本塁打を浴び、1死球、1暴投を記録。それでも、今春のカブス投手として初めて3回の途中まで投げた先発投手となった。
ジャイアンツのラジオアナウンサージョー・リッツォによると、今永は13人の打者に対して53球を投じ、1打者あたり4.08球と、投球数は特に多すぎるものではなかった。
この結果を気にする必要はないだろう。
まず、今永は3月18日の東京ドームでのドジャース戦(MLB開幕戦)に向けて、他のカブス投手よりも多くの球数を投げて調整している。
さらに、今永はもともと被本塁打が多い傾向にある投手であり、この日のアリゾナは通常より気温が高く(84°F/約29°C、通常は72°F/約22°C)、風も外野方向へ吹いていた。こうした条件が本塁打を生みやすい環境を作っていた可能性もある。
しかし、最も重要なのは、今永の制球力がしっかりしていたことだ。この試合で6つの三振を奪い、持ち味のコマンドは健在だった。シーズン最初の登板としては十分な内容といえる。
今後の登板スケジュールとしては、次回は月曜日のスコッツデールでのダイヤモンドバックス戦、もしくは火曜日の本拠地でのパドレス戦に回る可能性がある。クレイグ・カウンセル監督の判断次第だが、どちらにせよ、今永の調整は順調に進んでいると言えるだろう。
一方、カブス打線は、初回に無死満塁のチャンスを作りながら無得点に終わった。シーズン中もこのような場面が頻発しないことを祈るばかりだ。
2回にはベン・カウルズの二塁打をきっかけに1点を奪った。ニッキー・ロペスが四球を選んだ後、マイケル・ブッシュがケイシー・シュミットのエラーで出塁し、その間にカウルズがホームイン。
しかし、序盤のチャンスをなかなか生かしきれなかった。カブスは最初の4イニングで9人の走者を残塁し、得点圏では11打数無安打。これは一時的な問題であってほしい。
4回を投げたケイレブ・シールバーは、前回の登板よりはるかに良い内容だった。1安打を許したものの無失点、2つの三振を奪った。カブスにとってシールバーの活躍は重要であり、開幕ロースターに入る可能性がある唯一の左腕リリーフ投手として期待されている。
5回も得点機を作るが、またしても無得点。ビダル・ブルハンが四球で出塁し、二盗・三盗を成功させるも、三盗の際にボールが逸れたにもかかわらず得点にはつながらなかった。マイナー通算626試合で240盗塁を記録したスピードスターの復活をアピールするため、ブルハンは奮闘している。この走力はカブスのベンチにとって非常に貴重な武器となる可能性がある。
5回終了時に、カブスのスタメンは全員交代し、午後の残り時間は休養。
6回は元ジャイアンツのプロスペクトであり、クリス・ブライアントのトレードで獲得したケイレブ・キリアンが登板。立ち上がりは厳しく、先頭から3者連続ヒットを浴び、1点を失い4-1に。しかし、その後は落ち着きを取り戻し、球速98マイル(約158キロ)を計測しながら3者連続アウト。2イニング目はエラーを挟みつつも無失点に抑えた。キリアンはリリーフとしての方がカブスに貢献できるのではないか、という考えがさらに強まった。
7回は、開幕ロースター入りが厳しい状況にあるトレバー・リチャーズがマウンドへ。この試合で初めて、1-2-3(3者凡退)に抑えた投手となった。
8回にカブスが試合を振り出しに戻す。まず、2本のシングルとクリスティアン・ヘルナンデスの犠牲フライで1点を追加。続くグレッグ・アレンが本塁打を放ち、ジョナソン・ロングが生還して4-4に。
同じく開幕ロースター入りが厳しい状況にあるブランドン・ヒューズも、1-2-3の完璧な投球を披露。リチャーズとヒューズは、ともにトリプルAアイオワでブルペンのバックアップ要員となる可能性が高い。
9回表、カブスは得点できず。一方、ジャイアンツは9回裏に1死一三塁のチャンスを作るが、カブスのマイナーリーガークリス・カチマーがマックス・スタッシを併殺打に打ち取り、試合は引き分けに終わった。
カブスはこの試合で多くのチャンスを作ったが、得点圏では13打数無安打、合計13残塁。しかし、この試合ではレギュラー陣の出場が少なかったため、大きく気にする必要はないだろう。
カブスは木曜日、スローン・パークに戻り、エンゼルスと対戦。カブスの先発はジョーダン・ウィックス。エンゼルスの先発はまだ発表されていないが、カイル・ヘンドリクス(今週月曜に登板)は投げないことが確定している。
「教授(ヘンドリクス)」がエンゼルスとともにスローン・パークに帯同し、カブスファンからの声援を受けられるといいのだが。