シャーザー、好投で完全復活をアピール「健康な状態を取り戻した」
フロリダ州ダニーデン — これが健康なマックス・シャーザーの姿だ。40歳の右腕は、タイガース打線を相手に3回1/3を投げ、被安打1、無失点、6奪三振の好投を見せた。ブルージェイズはこの試合に5-0で勝利し、同時刻に行われたフィリーズ戦(クリアウォーター)ではスプリット・スクワッドが5-4で敗れた。
シャーザーは94マイル(約151km/h)のフォーシーム2球、チェンジアップ2球、スライダー1球、カーブ1球の計4種類の球種で三振を奪った。交代時には、ジョン・シュナイダー監督がマウンドへ向かうと、オールスター一塁手ブラディミール・ゲレーロJr.がグラブを叩きながら賛辞を送り、シャーザーの好投を称えた。
新天地でのシャーザー、3登板の圧巻成績
シャーザーは今季、ブルージェイズ移籍後3試合の成績が以下のように圧巻の内容。
- 9イニング
- 14奪三振
- 無四球
- 被安打3
- 自責点2
「ワオ。」としか言いようがない。
2024年はケガに苦しんだシーズン
シャーザーは2013年(タイガース)、2016年&2017年(ナショナルズ)で3度のサイ・ヤング賞を受賞し、2008年のデビュー以来、通算216勝を挙げている大ベテラン。しかし昨季はレンジャーズで2勝4敗、防御率3.95、登板43回1/3にとどまった。
- 椎間板ヘルニアの手術でシーズン序盤を欠場
- 肩の炎症とハムストリングの負傷で度重なる離脱
苦しいシーズンを送ったが、ついに健康な状態を取り戻したようだ。
「うん、まあ…」とシャーザーは一呼吸置いてから笑顔を見せた。
「これまで何年も健康な状態を知っているからね。今日はすべての球種をしっかり投げることができたし、(捕手のアレハンドロ・カークと)正しいコースを狙うことができた。良い調整になったよ。」
また、カークとのバッテリーについては「まだ完璧なコンビネーションではない」としつつも、「これからもっと良くなる」と自信を見せた。
「本当の楽しみは、シーズンが始まってからだね。」
シャーザーが完全復活を遂げれば、ブルージェイズのローテーションは大きく強化されることになりそうだ。
シャーザー、健在の独特な投球フォーム 「秘密は教えないよ」
シャーザーの特徴的な投球フォームは健在。捕手からボールを受け取ると、グラブの中で軽くアンダーハンドで転がしながら右手に持ち替え、素早くセットポジションへ。そこから高速モーションでリリースし、最後は肩を傾けるようなフォロースルーでフィニッシュする。
このフォームは、かつて「ケガを招きやすい」と指摘され、短命なキャリアになるのではと懸念されていた。しかし、シャーザーは17シーズンを通じて比較的健康を維持し、以下の圧倒的なキャリアを築いてきた。
- 30試合以上先発:11シーズン
- 通算投球回数:2,878回
- 通算奪三振:3,407(歴代11位)
- 通算四球:756
- 9イニングあたりの成績:2.4四球 / 10.7奪三振
シャーザーは、「ケガしやすい」という批判をどう克服したのか?その問いに対し、シャーザーは笑いながらこう答えた。
「秘密は知ってるけど、教えないよ。」
「公には言わないけど、どうすれば健康に投げ続けられるか、どうやって耐久性を維持するかは自分で理解している。
だから、それはチームメイトには教えるけど、公には明かさないね。」
シャーザーは過去の懸念を覆し、今もなおトップレベルのパフォーマンスを維持している。ブルージェイズにとって、彼の経験と安定感は、シーズンを戦い抜く上で大きな武器となるはずだ。
シャーザー、春先から全球種を自在に操る「重要なのはコマンド」
シャーザーはこの試合で、多彩な球種を駆使しながら6つの三振を奪った。
- 94マイル(約151km/h)のフォーシームで三振
- コルト・キース
- ジェイク・ロジャース
- チェンジアップで打者のタイミングを外す
- ジェイス・ジャング
- ブライ・マドリス
- スライダーで空振り三振
- ハビエル・バエス
- カーブで打者を翻弄
- ザック・マッキンストリー
シーズン前のこの段階で、これほど球種を自在に操れていることについて、どれほど満足しているのか?
シャーザーは自身の投球について、次のように語った。
「これは単なるコマンド(制球力)の問題さ。すべての球種のコマンドをしっかりと確立することが重要。ストライクゾーンにしっかり投げ込み、フォーシームを狙った場所に決めることが鍵になる。」
そして、調整の最優先事項として「健康を維持しながら、しっかりと腕を作り上げること」を挙げた。
「正しい方法で調整し、健康な状態で開幕を迎えられるようにするのが目標。次の登板が楽しみだよ。フィジカル的には良い状態にある。それが何よりも大事だ。」
シャーザーはシーズン開幕前の段階で、すでに圧倒的な安定感を見せている。経験豊富なベテランが万全の状態でローテーションに加われば、ブルージェイズの戦力は一段と強化されるだろう。
シャーザーの投球に指揮官も脱帽「やること全てに意図がある」
ブルージェイズのジョン・シュナイダー監督は、シャーザーの4球種すべてが有効だったことについて、次のように評価した。
「彼には様々な攻め方がある。打者の反応を読むのが本当にうまい。カーク(アレハンドロ・カーク)とのコンビネーションもどんどん良くなってきているね。」
「まあ、言うことはほとんどないよ。だって彼は殿堂入り確実の投手だからね。打者のスイングを見て、どこにどう投げるべきかを瞬時に判断できる。春の結果に一喜一憂するタイプではないが、間違いなく”投げ方”を熟知している。」
シュナイダー監督は、「これまで知らなかったシャーザーの魅力は?」と問われ、こう答えた。
「彼の球の凄さは当然知っていた。でも、今になって分かってきたのは、彼の”日々の過ごし方”なんだ。登板間の調整や、自分の体調に関する会話など、彼のプロフェッショナルな姿勢を学んでいる最中だよ。そして、彼も我々のことを学んでくれている。」
「彼がマウンドでどれだけ闘争心に溢れているかは、みんな知っている。シーズンが始まって、そのスイッチが入るのを見るのが楽しみだよ。彼は、やること全てに意図を持って取り組んでいるんだ。そして、普通の選手よりもはるかに多くのことを成し遂げてきた。」
シャーザーは現在、1年1550万ドルの契約以上の価値を見せつけている。ベテランの経験と知識を活かしながら、ブルージェイズのローテーションにとって計り知れない戦力となる可能性が高い。
引用元:mlb.com