カイル・タッカー カブス初本塁打!チームメイトから”サイレントトリートメント”を受ける
アリゾナ州メサ — カイル・タッカーがついにカブスのユニフォームで初本塁打を記録。しかし、ダグアウトに戻ると、チームメイトたちからは「沈黙の祝福(サイレントトリートメント)」が待っていた。
「サイレントトリートメント」とは、選手が節目の本塁打や初本塁打を打った際、チームメイトがあえて無視するという定番のイタズラ。タッカーは、ダグアウトの階段を下りながら静まり返ったベンチの中で、バッティンググローブを外していた。
タッカーの本塁打は、ジャイアンツの右腕ランデン・ループから放ったセンターへの特大アーチ。
しかも、この一発はカブス移籍後の初本塁打であり、スプリングトレーニング開始からの”20打席無安打”を脱出するメモリアルな一打となった。
「開幕前に1本打ててよかったよ。」
「スプリングトレーニングで大事なのは、健康にシーズンを迎えることと、十分な打席に立って調子を整えること。打席の感触は悪くなかったし、これでさらにいい状態になれそうだ。」
ダグアウトに戻ったタッカーに対し、チームメイトたちは沈黙を貫いたが、最初にリアクションを取ってしまったのはピート・クロウ=アームストロング(PCA)。タッカーは笑いながらこう振り返る。
「祝福されるかどうか分からなかったけど、PCAが最初に握手してくれたんだ。そしたら、みんながPCAに”お前、早すぎるよ!”って怒っててさ(笑)」
さらに、遊撃手のダンズビー・スワンソンは冗談めかしながら、「誰か、記念にそのボールを回収してこいよ!」とチームメイトに声をかける一幕もあった。
カブス移籍後の初本塁打を放ち、チームに溶け込みつつあるタッカー。彼の本領発揮に期待が高まる。
タッカー、待望の一発!カブスの主砲としての役割を果たす準備は万端
カイル・タッカーにとって、この本塁打は特別な意味を持つ一発だった。カブスは昨年12月の大型トレードで、アイザック・パレデス(3B)、ヘイデン・ウェスネスキ(投手)、トップ100プロスペクトのカム・スミスをアストロズに放出し、タッカーを獲得。「即戦力の強打者」として迎えられたタッカーにとって、待望の初本塁打となった。
スプリングトレーニングで20打席連続無安打だったタッカーだが、彼自身は焦りを感じていなかった。
「オープン戦の成績よりも、プロセスや裏での調整を大事にしている。」
カブスの打撃コーチ、ダスティン・ケリーもタッカーの取り組みを評価。
「彼は最初の数試合で少しボールの下を叩きすぎていたが、それも調整の一環。」
「本番が始まれば、こういう選手はしっかり結果を出すものだ。」
タッカーのスイングとパワーが噛み合い、見事なアーチを描いたこの一発は、カブスの東京シリーズ(3月18〜19日・対ドジャース)前の大きな弾みとなった。
実際、タッカーは2022年のスプリングトレーニングでも不調(打率.227、OPS.488)だったが、シーズンに入ると30本塁打・107打点を記録し、オールスターにも選出。今季も同様に、開幕すれば本来の力を発揮する可能性が高い。
「結果よりもプロセスが大事。調子が良ければ、成績はあとからついてくる。」と語るケリー打撃コーチの言葉通り、タッカーは本番に向けて着実に仕上げてきている。
カブス打線の新たな主軸として、開幕戦からの活躍に期待が集まる。
ジョーダン・バスティアン:MLB.comカブス担当
引用元:mlb.com