グッドイヤー(アリゾナ州) — 月曜日の午後、今永昇太がグッドイヤー・ボールパークのマウンドを降りると、彼の登板を見守っていたカブスファンの一団がスタンディングオベーションで迎えた。次に今永が登板する舞台は、さらに大きなものとなる。
カブスがガーディアンズに7-4で勝利したこの試合は、今永にとって3月18日に東京ドームで行われる東京シリーズ第1戦でのドジャース戦に向けた最終調整の登板となった。世界が見守る中、彼の初球は日本のスーパースター、大谷翔平に投じられる可能性が高い。
「特別な瞬間になるだろう」と、今永は通訳のエドウィン・スタンベリーを通じて語った。
月曜日の朝、カブスのロッカールームの椅子には、日本語の文字と「TOKYO SERIES 2025」と書かれた水色のTシャツが掛けられていた。カブスのクレイグ・カウンセル監督によると、31枚以上が配られたものの、最終的な渡航メンバーのヒントになるようなものではなかったという。
カウンセル監督や球団の首脳陣は、まだメンバー入りの可能性がある選手たちに対し、MLBパイプラインのカブス有望株トップであり、トップ100の19位にランクインしているマット・ショウらを含め、準備を整えておくようにと伝えている。しかし、最終メンバーはまだ確定しておらず、その決定は火曜日のカクタスリーグのブリュワーズ戦前に下される予定だ。
カブスはその後、日本行きのフライトに搭乗し、26人のロースターと5人のバックアップ選手を帯同する予定だ。現地では約1週間以上にわたり、特別な経験を楽しみながら、阪神タイガースと読売ジャイアンツとのエキシビションマッチ、そして昨季のワールドシリーズ王者ドジャースとの本番に向けた準備を進める。
「チームの結束を深めるという意味では、これ以上の方法はないんじゃないかな」とカウンセル監督は語った。
カウンセル監督は笑みを浮かべながら、こう冗談を交えた。
「レーザータグをやるとか、そういう方法もあるよね。でも、日本に行くのもいいと思う」と話し、笑いを誘った。「チームビルディングとして、トラストフォール(信頼を試すゲーム)をやるのもいいかもしれない。でも、日本に行く方がもっといい。日本に行って、ドジャースと試合をしよう。それが一番楽しそうだ。」
日曜日の朝のワークアウト前、カウンセル監督は日本出身のコメディアンであり、シカゴを拠点に活動している柳川朔(Saku Yanagawa)をチームに招いた。柳川氏はカブスの外野手鈴木誠也と親交があり、カブスの選手たちのために東京での文化的マナーや注意点を「9イニング」に分けてユーモアを交えて説明した。
「いろいろ学ぶことができたよ」とカウンセル監督は語った。「特に面白かったのは、日本では乾杯をするときに年下の人がグラスを年上の人より低くするというマナーがあることだったね。」
その話を受けて、40歳のベテランであるジャスティン・ターナーが冗談を飛ばした。
「じゃあ、みんな俺よりグラスを低くしないといけないな」とターナーが笑いながら言うと、カウンセル監督も「ターナーはすごく気分が良くなったみたいだよ」と冗談交じりに返した。
この短いコメディセッションは、チームの結束を深めるための小さな試みだったが、今季プレーオフ進出を目指すカブスにとって、日本遠征はチームの一体感を自然と高める絶好の機会になるだろう。
もしカブスがその目標を達成するなら、今永昇太の存在が不可欠になるはずだ。昨シーズン、今永は15勝3敗、防御率2.91の成績を残し、173回1/3を投げ、174奪三振、与四球わずか28という圧巻の数字を記録した。さらに、ナショナルリーグのオールスターに選出され、新人王投票で4位、サイ・ヤング賞投票では5位に入る活躍を見せた。
月曜日のクリーブランド戦で、今永昇太は4回1/3を投げ、75球を記録した。2回に2本のホームランを浴びて4失点したものの、最終的には4奪三振、与四球1と、開幕戦前最後のカクタスリーグ登板をまとめた。
「まだ1週間あるので、その間に修正できるポイントはたくさんあると思っています」と今永。「もっとレベルアップできる部分もあると感じているので、試合が始まるまでにしっかり準備を整えたいです。」
伝統的な日本料理を楽しむ「チームディナー」を企画
一方で今永は、東京遠征中にチーム全員で「日本の伝統的な食事を味わう」ためのディナーを企画中だ。彼自身と鈴木誠也がアメリカでカブスに馴染んできたように、今度は日本文化をチームメイトに紹介する番だ。
「誠也と僕が育った国を、みんなに体験してもらうのが本当に楽しみです」と今永。「アメリカに戻った時に、みんなが『素晴らしい経験だった』『すごく楽しめた』と思ってくれたら、それが僕にとって一番の喜びになると思います。」
ジョーダン・バスティアン:MLB.comカブス担当
引用元:mlb.com