レイクランド(フロリダ州) — MLB屈指の守備力を誇るプロスペクトによるハイライト級のプレーから始まったが、それはすぐに…まったく予想外の展開へと変わってしまった。
水曜日の午後、1回表の1アウトの場面。打席にはタイガースのライリー・グリーン。レイズの先発ライアン・ペピオが投じた速球をグリーンがセンター方向へ弾き返した。打球は二塁ベースのすぐ上を通過するかに見えたが、タンパベイの遊撃手カーソン・ウィリアムズがすぐさま左へ動き、ダイビングキャッチ。時速92.1マイル(約148km)のライナーを地面に落とさずに捕球するスーパープレーを見せた。
しかし、そこからが問題だった。
ウィリアムズは右膝をついた状態で立ち上がり、左足を伸ばしながら一塁手ジョナサン・アランダに向けて送球。タイガースのハビエル・バエズは一塁走者としてスタートを切っていたが、奇妙なことに、送球の瞬間に塁間でジャンプし、ウィリアムズの送球をブロックしようとするような動きを見せたのだ。
「彼は遅れて盗塁しようとしていたんだ。そのせいであのポジションにいたし、キャッチの瞬間にジャンプしてしまったんだろう」と、タイガースのA.J.ヒンチ監督は首を振りながら語った。「正直、よく分からないな。」
タイガースのTV解説者であるカルロス・ペーニャは、思わずこう叫んだ。「間違いがいくつも重なっている!」
ウィリアムズの送球はバエズのヘルメットの正面に直撃し、ボールは高く弾かれた。バエズはヘルメットを吹き飛ばされながらも二塁付近に立ち尽くし、一方でボールはアランダの頭上を越えてタイガースのダグアウト近くのファウルゾーンへと転がった。アランダは状況を把握するのに一瞬戸惑ったものの、ゆっくりとボールを拾い、悠々と一塁を踏んでダブルプレーを完成させた。
「いや、あれは本当に驚いたよ。アランダも何が起こったのか分からなかったんじゃないかな」とレイズのケビン・キャッシュ監督。「ボールが頭上を飛び越えていって、ただただ見つめていたよ。」
「あんなプレーは見たことがない。奇妙すぎる。でも、誰も怪我をしなくて本当によかった。」
試合後、バエズは報道陣との取材を拒否し、ウィリアムズもインタビューの申し出を辞退した。結局、この珍プレーがタイガースの5-1の勝利を象徴する出来事となった。
また、この試合では1回裏にも不可解なプレーが発生。さらには、試合終盤に一塁付近に鳥が飛び込んでくるというハプニングまであり、タイガースの実況アナウンサーのジェイソン・ベネッティはこう総括した。
「なんとも馬鹿げた、春季キャンプならではのイニングだった。」
ペピオの初回は、グレイバー・トーレスに内野安打を許すという、やや異例の形で始まった。続くバエズは三塁手ジュニア・カミネロへゴロを放ち、カミネロはダブルプレーを狙って二塁へ送球。しかし、その送球がココ・モンテスをベースから引き離してしまい、一見するとダブルプレーのチャンスは潰えたかに見えた。
しかし、トーレスはスライディングせずに二塁ベースを駆け抜けたため、モンテスは素早く反応し、機転を利かせてトーレスにタッチをしてアウトを奪った。
「送球がちょっとそれたし、彼(トーレス)はスライディングしなかった。だから、彼のミスだったね。タッチしてアウトを取ることができたよ」とモンテスは振り返った。
そして、その直後に例のバエズの奇妙なジャンプが起こる。モンテスはウィリアムズの送球を見ていたが、突然「大きな音」が聞こえ、バエズのヘルメットにボールが当たって跳ね返ったことに気づいた。
「ダブルプレーの場面でスライディングせずに打球が当たるのは見たことがあるけど、あんなのは初めて見たよ」とモンテスは驚きを語った。
マウンド上のペピオも、何が起こったのかすぐには理解できなかった様子だった。
「ウィリアムズが飛びついてキャッチしたのを見て、『おお、ナイス、いいプレーだ』と思った。そして、『完璧、彼(二塁手)がいる』と思ったんだ。でも、その後送球を見て、『ボールはどこへ行ったんだ?』って感じだった」とペピオは困惑した様子で話した。
「どこに当たったのか、どこへ飛んだのか、最初は分からなかった。でも、ウィリアムズが『バエズがわざとやったらしい』って言っててね。彼に『大丈夫か?』って聞いたら、バエズは『うん、大丈夫。頭の上に当たっただけだ』って言ってたよ。」
単なる「ハビエル・バエズらしいプレー」だったのか?
「いや」とヒンチ監督は答えた。「これはスプリングトレーニングの終盤らしい出来事だよ。そろそろキャンプを切り上げる時期が来たってことさ。」
ジェイソン・ベック:MLB.comタイガース担当
アダム・ベリー:MLB.comレイズ担当
引用元:mlb.com