アトランタ — マット・オルソンは、シーズン開幕から1週間が経過したチームの状況を、的確に表現した。
「ゴルフで言えば、1ホール目でダブルボギーを叩いたからって、そこで諦めて帰ったりはしないよね。」
そして金曜夜、ブレーブスは本拠地トゥルイスト・パークでマーリンズとのホーム開幕戦に臨み、10対0の快勝で“待望のバーディー”を奪った。オルソンとマーセル・オズナが連続ホームランを放ち、若手スペンサー・シュウェレンバックが圧巻の投球を見せたことで、開幕週に苦しんだアトランタのファンベースも息を吹き返した。
「こういう試合が、まさにチームを立ち直らせてくれるんだ」と、ブライアン・スニッカー監督は語った。
「シュウェレンバックの投球も素晴らしかったし、ようやく打線が目を覚ましたのも良かった。先週を思えば、これは本当に嬉しい内容だったよ。」
パドレス戦とドジャース戦で眠っていたブレーブス打線が、この日は完全に目を覚ました。チームは16安打を放ち、得点圏では17打数7安打の効率的な攻撃を展開。これは、直近7試合で得点圏49打数6安打にとどまっていた状態から、一気に内容を好転させたことを示している。
もしかしたら、それはマット・オルソンの母がチームのために用意したライスクリスピートリート(シリアル菓子)のおかげかもしれない。あるいは、スプリングトレーニング以来となる久々のホーム、アトランタに戻ってきたことがチームに活力を与えたのかもしれない。もしくは、スペンサー・シュウェレンバックの力投を無駄にしたくないという強い想いがチームを突き動かしたのかもしれない。
多くの選手が勝利に貢献した中でも、最も印象的だったのは間違いなくスペンサー・シュウェレンバックだった。今季、サイ・ヤング賞候補に名乗りを上げる勢いを感じさせるピッチングを披露した。
24歳の右腕は、自己最多となる8回を投げて被安打2、無失点、10奪三振の快投。これで今季は14イニング連続無失点と圧巻のスタートを切っている。
「彼が今のメジャーでトップクラスの投手であることは、みんな分かってるよ」とオルソンは語った。
「今日はもう、まさに“順風満帆”だったね。」
ここ数日、ブレーブスの選手たちは「開幕7連敗からプレーオフに進出したチームは過去に存在しない」という声を何度も耳にしてきた。だが、この初勝利によって、アトランタは「開幕1勝6敗からのポストシーズン進出」という現実的な道を切り拓くことができた。
これまでに開幕1勝7敗からプレーオフ進出を果たしたのは、2011年のレイズ、1995年のレッズ、そして1974年のパイレーツの3チームのみ。ブレーブスは、歴史的な巻き返しを狙う4チーム目となる可能性を手にしている。
Schwell yeah.#BravesCountry pic.twitter.com/Thd0SSqDrQ
— Atlanta Braves (@Braves) April 5, 2025
水曜日にドジャースに6対5で敗れた直後、クロスカントリー移動のチャーター便に乗り込み、早朝6時頃に到着した頃とは、今のブレーブスの雰囲気はまるで別物だと言っていいだろう。
先週は、ジュリクソン・プロファーの80試合出場停止処分や、レイナルド・ロペスの肩の手術による離脱など、悪いニュースが立て続けにチームを襲った。
だが、そうした鬱憤が金曜日の3回に一気に晴らされたかのようだった。3点を奪ったこの回は、マーリンズの先発マックス・マイヤーから放ったマーセル・オズナの2点タイムリーツーベースがハイライトとなった。
オズナはこの試合で3安打を記録し、8回の5得点ビッグイニングもその先頭打者として口火を切った。ベテランの指名打者は、ここまで驚異的な出塁率.559を記録しており、攻撃の中軸として存在感を放っている。
オズナは7回、今季第1号となる本塁打を記録した。この打球は一度フェンス際でアウトかと思われたが、リプレイ検証の結果、デーン・マイヤーズのグラブに当たった後、外野フェンス上を転がり、最終的に左翼手グリフィン・コナインのグラブに収まったものの、打球はすでにフェンスを越えていたと判定された。
その直後、マット・オルソンが右翼中間スタンドに文句なしの本塁打を放ち、2者連続アーチで試合を一層盛り上げた。
「今日は本当に最高だったよ」とオズナは語り、チームメイトたちと同じく、今季初勝利の喜びをかみしめていた。
開幕週の内容がいくらひどかったとはいえ、ホーム開幕戦にはやはり特別な高揚感があった。
オースティン・ライリーは水曜の夜、ロッカールームで自身の遠征での打撃内容(27打数3安打、11三振)について「恥ずかしい」と率直に語っていた。
だが金曜の朝、ライリーは早起きし、コーヒーを片手に「ホームのファンの前で最初の打席に立ったとき、どんな鳥肌が立つんだろう」とワクワクしながらその瞬間を待ち望んでいたという。
ライリーは3回と8回にそれぞれタイムリーを放ち、ファンの大きな声援を肌で感じた。しかし、それ以上に、彼やチームメイトたちがファンの忠誠心の強さを実感したのは、試合前に球場の外で行われたパレードの場面だった。
バッティング練習前に催されたそのイベントには多くのファンが詰めかけ、開幕週の苦しいスタートにもかかわらず、選手たちに温かく声をかけ続けた。球場の外でも変わらぬ声援を送る姿に、選手たちは深く胸を打たれた。
「やっぱりホームに戻ってくるのはいいね」とシュウェレンバックは語った。
「2ヶ月くらいずっと遠征続きだったからね。自分のベッドで眠れて、しかも4万人以上のファンが味方についてくれる環境でプレーできる。ここから流れをつかんでいくよ。」
この夜は、シュウェレンバックだけでなく、有望株の捕手ドレイク・ボールドウィンにとっても特別な一日となった。彼にとってキャリア初のホームゲームとなったこの試合で、親友シュウェレンバックの快投をしっかりとリードし、8回には自身初の打点もマーク。第2の本拠地となるこの球場で、2人は最高の思い出を刻んだ。
「これだけ多くの人たちが自分たちを応援してくれていて、背中を押してくれていると実感できると、フィールドに出ていって全力で戦うのがずっと楽になるんだ。ほんの少しだけど、確実に“あと一歩”を後押ししてくれるんだよね。」
それはまるで――バーディーを奪うようなものだ。
マーク・ボウマン:MLB.comブレーブス担当
引用元:mlb.com