プロデビュー戦で見事な投球を披露したジュランジェロ・サインチェに、両手で拍手を送ってあげよう。
すでに“スイッチピッチャー”として注目を集めているサインチェが、High-Aエベレットの一員として初登板を果たし、スポーケン戦で4回無失点・6奪三振と完璧な投球を見せた。試合はエベレットが8-0で快勝。サインチェは2つの四球と初回のシングルヒット1本のみに抑える内容だった。
マリナーズのプロスペクトランキングで9位にランクされているオランダ出身の右・左両投げ投手は、初回に唯一のヒットを許したものの、2回にキャリア初の三振を2つ奪取。続く3回には13球中11球をストライクに決め、圧巻の3者連続三振。4回には左投げで2つの四球を出したが、最後の2人を打ち取り、うち1つは三振で締めくくった。
サインチェは、右投げ時に最速150キロ台中盤の速球とスライダー/チェンジアップのコンビネーションを武器に、スポーケン打線を完全に封じ込めた。奪った6つの三振はすべて右投げ時のもので、対戦した14人中11人に対して右投げで臨み、被安打はわずか1本(11打数1安打)。
左投げで対戦した打者は3人で、結果は0打数0安打、2四球。
圧巻のプロ初登板に、今後の期待がさらに高まる内容となった。
右打者の方が左打者よりも圧倒的に多いことから、左右どちらでも同じレベルで効果的な投球をするには、相応の努力が必要になる。
「たしかに右で投げる機会の方が多いけど、左でもシンカーを開発していて、それがどんどん良くなってきてるんだ」と、サインチェは先月MLB Pipelineのジム・キャリス氏に語った。「スライダーも、今はどちらかというと“スウィーパー”のようになっている。両サイドともにすべての球種が向上しているよ。右から投げる回数は多いけど、左の球も確実に良くなってきてる。」
21歳のサインチェは、昨年6月1日にミシシッピ州立大学で大学野球を締めくくって以来、初の公式戦登板となったが、ほとんど緊張した様子は見られなかった。先月行われたスプリング・ブレイクアウトでは両手を使って登板し、2三振を奪った。その中には、2024年ドラフト1巡目指名選手で、ガーディアンズのプロスペクトNo.1(MLB全体でも9位)のトラビス・バザーナも含まれていた。
そのバザーナも、サインチェについてこう語っている。
「本当に特別な存在だよ。あんなの、普通じゃまず見られない。彼には明るい未来があると思うし、対戦できたのはとてもクールだった。」
マイケル・アヴァロン:MLB.comおよびMiLB.com記者
引用元:mlb.com