ピッツバーグ発 — パイレーツの捕手ジョーイ・バートは、水曜日のカージナルス戦の8回、誰が自分にぶつかったのかも、ボールがどこにあるのかもわからなかったが、試合の行方を左右する場面で「助け」が必要だった。
2アウトで迎えた8回表、リリーフのカレブ・ファーガソンがウィルソン・コントレラスをホームベース前の小飛球に打ち取ったように見えた場面で、バートは誰からのコールも聞こえず、自分が処理するべき打球だと判断した。しかしボールを追っていたそのとき、一塁手エンディ・ロドリゲスと衝突し、ボールはインプレーのまま地面に落ちた。
そのとき、セカンドランナーだったトーマス・サゲッセはすでにサードを回って本塁を狙っていた。試合初得点が決まるかという瞬間だったが、結末はまさに「紙一重」のクロスプレーだった。
「覚えてるのは、審判を見たら拳を握ってアウトのジェスチャーをしてて、『なんでアウトなんだ?』って思ったことだけだよ」とバートは語った。
バートとロドリゲスはその場で動けなくなっていたが、三塁手ケブライアン・ヘイズがすかさず反応。転がっていたボールを拾い、ホームでサゲッセにタッチして得点を阻止、試合は0-0のまま続いた。
そして延長13回、今度はそのバートがサヨナラ安打を放ち、パイレーツが2-1で勝利を収めた。
「ケブライアンは、本当に頭の良い選手だよ」とバートは語った。「本能的なプレーができる選手で、フィールドにいる選手の中で、あんなにも優れた“内部時計”を持ってる人を見たことがない。試合の流れを誰よりもスローダウンして、自分のペースに持っていける。だからこそ、彼は“ケブライアン・ヘイズ”なんだ。」
ヘイズは、飛球を追っている間にサゲッセがまだ自分を通り過ぎていなかったことに気づいており、プレーできると判断した。
「とにかく本能的にボールを拾って、ちょうど彼(サゲッセ)がそこにいたから、タッチにいったんだ」とヘイズ。「あんなプレーは今までの人生で一度も経験したことがなかったけど、アウトが取れて本当に良かったよ。」
それがヘイズの守備力であり、6回にメイソン・ウィンの打球を素手でつかんで一塁に送球してアウトにしたプレーにもそれは表れている。だからこそ、監督のデレク・シェルトンは彼のことを「守備のゲームチェンジャー」と呼ぶのだ。
「過去5年間にわたって何度も言ってきたけど、彼がフィールドにいて健康なときは、間違いなく野球界で最高の守備選手だと思ってる」とシェルトン監督は語った。
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引用元:mlb.com