シカゴ発 ― カイル・タッカーが、カブスファンの記憶に残る“本物の”リグレーフィールド・モーメントを金曜午後に刻みました。
8回、タッカーはDバックス左腕ジョー・マンティプリーの投じたボールを鋭い弾道で右翼の煉瓦の壁を越えて叩き込み、逆転2ランを放ちました。伝統の球場に鳴り響いたその一撃に続くかのように、鈴木誠也も直後の打席で中堅へソロ弾を放ち、乱打戦において貴重な追加点をもたらしました。
このタッカー&鈴木の連続アーチ、そしてその直前のカーソン・ケリーによる3ラン本塁打で、完全にDバックスへ傾きかけていた流れをカブスが引き戻しました。直前の8回表には、アリゾナがエウヘニオ・スアレスの満塁弾と、ルルデス・グリエルJr.の3ランを含む“10得点ラッシュ”で、7回時点の1-7のビハインドをひっくり返す大反撃を見せていたのです。
それでも、7回までにカブスが築いていたリードの背景には、イアン・ハップのグランドスラムがありました。カブス球団史研究家エド・ハーティグ氏によると、カブスとその対戦相手が同じ試合でグランドスラムを記録したのは、1956年以降でわずか6度目の出来事だそうです。
乱打戦を制したカブス。名門球場に響いたカイル・タッカーの一撃は、きっとこの日の勝利を象徴する“瞬間”としてファンの記憶に刻まれることでしょう。
最終スコアだけを見ると壮絶な打撃戦に思えるかもしれませんが、実際には試合中盤まではカブスのコリン・レアとDバックスのコービン・バーンズによる投手戦が展開されていました。6回を過ぎるまでは両右腕が素晴らしい内容を見せており、2回にカーソン・ケリーがバーンズから放った2ラン本塁打が決勝点になるかに思われました。
しかし、試合終盤には両軍の打線が火を吹き、一転して激しい点の取り合いとなりました。
ジョーダン・バスティアン:MLB.comカブス担当
引用元:mlb.com