アーリントン発 — アドリス・ガルシアは、実に多彩な顔を持つ選手です。オールスター出場2回、ゴールドグラブ賞受賞外野手、ア・リーグ優勝決定シリーズ(ALCS)のMVP、そしてレンジャーズのポストシーズンにおける英雄――。
しかし彼はそれだけではありません。ガルシアはレンジャーズの“感情の柱”でもあります。フィールド上でのプレーだけでなく、情熱と劇的な場面での活躍によって、チームに活力を与える存在なのです。そして彼は、常に最も重要な場面で決定的な一打を放つように見えます。
そんなガルシアの最新の輝きは、土曜夜に行われたレンジャーズ対ドジャースの一戦で再び現れました。試合はグローブライフ・フィールドで繰り広げられた、またしても両軍の投手陣が主役の投手戦。
前日の金曜、レンジャーズは完封負け。今季を象徴するような内容で、打線は静かで、投手陣は支配的な出来を見せていました。
土曜の試合では、ネイサン・イオバルディが再びクオリティスタートを記録しましたが、9回まで敗戦投手の危機に。そんな状況で現れたのが、もちろんこの男――ガルシアでした。9回裏、彼の放ったツーランのサヨナラホームランが、4-3の逆転勝利をもたらし、シリーズをタイに戻したのです。
「彼は情熱と感情を持ってプレーする選手だよ」と語ったのは、通算2,184勝でダスティ・ベイカーを抜き、歴代監督勝利数で単独7位に浮上したブルース・ボウチー監督。「それが彼という人間なんだ。今シーズンのスプリングトレーニングの時点で、彼が良い雰囲気にいるのが分かったよ。打撃面では不運な場面もあったけれど、それに引きずられていない。今年はそれを気にせず、毎打席しっかりとアプローチできている。去年は少し気にしてしまっていたからね。でも今年は違う。彼は前を向いて、いい打席を続けているよ。」
これはガルシアにとって、レギュラーシーズン通算4本目のサヨナラ本塁打であり、最後に記録したのは2023年9月3日、ツインズ戦でのソロ本塁打以来です。彼のサヨナラ弾4本は、球団史上(1972年以降)2位タイで、最多のフアン・ゴンザレス(5本)に次ぐ記録となります。なお、2023年のワールドシリーズ第1戦でも、延長11回にサヨナラ本塁打を放っています。
「こういう瞬間に興奮しない人なんていないでしょう?」とガルシアは通訳のラウル・カルデナスを通じて語りました。「こういう場面のために生きてるんだと思う。集中していたし、チーム全体がもっと良くなってほしいという思いがあった。こういう勝利から、みんなで勢いに乗っていきたいんだ。」
イオバルディは6回を投げて7奪三振、3失点(自責2)という内容でした。彼が降板した時点でレンジャーズは3対2と1点ビハインド。そのスコアのまま試合は進行し、元チームメイトのカービー・イェーツが登板していた9回に、ガルシアが勝負を決めました。
レンジャーズのユーティリティ選手ジョシュ・スミスが9回の先頭打者として二塁打を放ち、アドリス・ガルシアのサヨナラ打につながりました。イェーツは昨季レンジャーズで34回のセーブ機会のうち33回を成功させていましたが、今季ドジャースでは初めてのセーブ機会で失敗となりました。
イェーツは9回の展開について「かなり早く決まってしまった」と語りました。「スミッティ(スミス)とは良いカウントに持ち込んでいたんだけど、2球続けてスプリットが甘く入ってしまった。彼は良いスイングを2回続けたよ。ドリ(ガルシア)には1-1から悪くないスプリットを投げたつもりだったけど、彼はそれで速球への意識をそらさなかった。うまく捉えて、良いスイングをされたね。…友達と対戦するのはいつも変な感じがする。これまでに何度か経験してるけど、やっぱり好きじゃない。勝ってここに座っていたかったよ。」と悔しさをにじませていました。
土曜日の試合終了時点で、ガルシアの打率はわずか.229、OPSは.775。数値的にはまだ今季本来の調子には乗り切れていません。それはレンジャーズ打線全体にも言えることです。
しかし、ガルシアが「最高の自分」であるとき、このチームはまったく別物になります。そこには、打球速度や打球角度といったスタッツだけでなく、彼特有の自信とオーラ、いわば“ガルシアらしさ”も含まれています。
「彼は最近、いいスイングを続けている」と、ボウチー監督は語った。「強い打球を打っても正面を突かれることが多かった。今日もセカンドへの打球は時速110マイルだったしね。あの場面で彼に回ってきて、しっかりスイングしてくれた。ここのところ本当に良い投球をしていただけに、1つも勝てないとなると厳しかった。まさに、ものすごく大きなホームランだったよ。」
ケネディ・ランドリー:MLB.comレンジャーズ担当
引用元:mlb.com