ミネアポリス発――火曜日の夜、ツインズにとっては「安心できるリード」が「非常に不安な展開」に変わろうとしていました。気持ちの良い勝利が、またしても悔しい逆転負けになりかけていた――そんな中、バイロン・バクストンがわずか4.4秒で、すべての空気を一変させました。
いつも通り、バクストンは味方投手のために体を張ってくれたのです。
バクストンは、アンドリュー・ベニンテンディが右中間に放ったライナーをダイビングキャッチするという驚異的なプレーを見せ、ツインズにとっての4対2の勝利を守り切りました。そのプレーは、これまで数々のスーパープレーを積み重ねてきたバクストン自身が「キャリア最高のプレーかもしれない」と語るほどのものだったのです。
このキャッチは、ホワイトソックスによる危険な反撃を完全に断ち切り、同点ランの生還を阻止し、逆転ランが得点圏に進むのも防ぎました。また、痛恨のセーブ失敗となるはずだったジョアン・デュランを救い、ツインズの3連敗にも終止符を打つ一打となりました。
先発のベイリー・オーバーは6回を好投して勝利投手となり、試合後にはクラブハウスでバクストンを抱きしめに行ったとのことです。
「こんな形で試合を終えたのは初めてだと思う。特に今みたいな状況の中でね」とバクストンは語りました。「最近は苦しいシリーズが続いていたし、なかなか流れがつかめなかったけど、ようやく何かがうまく転がってくれた。本当に楽しかったよ。」
ツインズが4対1でリードして迎えた9回表、ジョアン・デュランは先頭のレニン・ソーサに内野安打を許し、その後2者連続で四球を与えてしまいます。ターゲット・フィールドには一気に不穏な空気が広がりました。
デュランは続くジョシュア・パラシオスを三振に仕留めましたが、ニック・マトンのゴロの間に1点を失い、スコアは4対2に。ここで打席にはアンドリュー・ベニンテンディが入り、カウントは2-2に。
このとき、バクストンは左中間寄りに守備位置を取っていました。そんな中、ベニンテンディは打球速度101マイル（約162キロ）の鋭いライナーを右中間に放ちます。バクストンは打球の瞬間に反応し、右中間へ猛ダッシュ。外側へ逃げていく打球を追って、わずか4.4秒で78フィート（約23.8メートル）を駆け抜けました。
そして……バクストンは加速したままジャンプし、打球を見事にキャッチ。その勢いのまま警告ゾーンに激しく倒れ込みながらも、試合を締めくくる劇的なプレーをやってのけました。
デュランはガッツポーズで喜びを爆発させ、バクストンはこのプレーを間近で見ていた右翼手ダショーン・カーシーJr.とともに歓喜のセレブレーションを交わしました。先発のオーバーは、モニターでリアルタイムにキャッチを目撃したあと、遅延映像でもう一度見直すために急いで走ってきたほどでした。
「まるでスローモーションだったよ」とカーシーは語りました。「自分も走ってたんだけど、彼（バクストン）が空中に飛び上がった瞬間、すべてがスローモーションに見えた。あれは自分が今まで見た中でも、最も信じられないキャッチのひとつだったよ。」
バクストンへの最大の賛辞は、もしかすると――相手チームの誰もが、彼がそのプレーを「やってのける」と思っていたことかもしれません。
「打った瞬間、彼のスタートを見て、“ああ、これは捕られるな”って思ったよ」とアンドリュー・ベニンテンディは語りました。「打球の追い方を見ていて、“最初から最後まで彼の球だったな”って感じたよ。」
もちろん、それは単純なプレーではありませんでした。バクストンはどこかの時点で、「打球を追うモード」から「実際に捕るモード」へと切り替える必要がありました。同時に、フェンスとの距離感を瞬時に把握しなければなりません。あらゆる要素を完璧にかみ合わせ、彼は自身のキャリアにまたひとつ、見る者の度肝を抜く伝説的なプレーを加えました。
「打球の瞬間、“全力で走らないといけない”ってすぐに分かった」とバクストンは語りました。「一番大事だったのは、ボールに対していい角度で走れるかどうか。打球はそれほど高く上がらなかったから、下から追いかけていく余裕もなかった。正しい本能と最初の一歩が、このプレーの鍵だったと思うよ。」
今シーズン、ツインズはすでに何度も終盤のリードを逃してきました。しかしこの日は違いました。バクストンが、スタンド全体を包んでいた不安を一瞬で歓喜に変えてみせたのです。
「打球が右中間方向に向かっていくのが見えた」とデュランは振り返ります。「そのときセンターにいたバイロンの姿が目に入って、『おお、頼むぞ』って思ったよ。彼は本当に速いし、あのキャッチは本当にすごかった。前に彼がこう言ってくれたんだ――『大丈夫、俺が守るから』って。今、その言葉の意味が本当に分かったよ。」
マシュー・リーチMLB.com記者
引用元：mlb.com
