スイッチピッチャー・サインチェ 2度目のプロ登板も3回無失点

ジェランジェロ・サインチェ マリナーズ MLB

両打ち(スイッチヒッティング)もクールですが、両投げ(スイッチピッチング)は新たなトレンドです。

マリナーズが2024年のドラフト1巡目で指名したジュランジェロ・サインチェ(Jurrangelo Cijntje)は、そのスイッチピッチングで注目を集めており、現在はマリナーズ傘下ハイA・エベレットでの登板が“見逃せないイベント”となっています。

今季3試合目となったヒルズボロ戦(ファンコ・フィールド開催)では、3回無失点、被安打2、与四球1、奪三振4という好投を見せました。試合はチームが4-3で敗れましたが、彼のパフォーマンスは際立っていました。

この日は、立ち上がりの1人目打者に対して左腕で6球連続投球の末に三振を奪い、その後の56球は全て右腕から投げるという構成でした。これは前回登板と同様のスタイルで、マリナーズとしては、両投げの能力を維持するために、週中のブルペンでは左腕のみで投げ、試合では右腕主体で登板するという育成プランを採用しているようです。

試合で唯一ピンチとなったのは初回。右腕で投げていたサインチェは、Dバックスのプロスペクトであるドリュー・ジョーンズ(Druw Jones/全体7位)にセンター前ヒットを許し、さらにジャンセル・ルイス(Jansel Luis/Dバックス9位プロスペクト)に四球を与え、1アウト一二塁の場面を迎えます。しかしそこからフライアウトと三振で切り抜け、無失点で初回を終えました。

サインチェはキュラソー出身でオランダ国籍を持ち、“両投げの天才”としてプロ入り前から注目されていた逸材。今後もマリナーズファン、そして野球ファン全体からの注目が集まりそうです。


2016年のリトルリーグ・ワールドシリーズで注目を集めたジュランジェロ・サインチェは、2022年のドラフト・コンバインで一躍話題の存在となりました。両投げという“珍しさ”だけでなく、確かな実力も兼ね備えたサインチェは、ミシシッピ州立大学で2シーズンにわたってスイッチピッチャーとして活躍し、プロの舞台で両投げを披露する下地を作りました。

プロ初登板となった先週土曜の試合では、4回無失点の好投。右腕で11人、左腕で3人の打者に対して投げ分け、スコアボードに0を刻みました。2試合目までは防御率0.00を維持していましたが、水曜の救援登板(2/3回 3失点)で初めて失点。この登板では全て左腕で投げ、2つの三振を奪うなど、光るものを見せました。

サインチェの前にMLBで両投げとして登板したのは、パット・ベンディット(2015〜2020年にMLBで登板)。彼は平均球速が135km/h台と控えめでしたが、左右で投球を使い分ける戦術的な投手でした。

サインチェは球速・球種の豊富さ・身体能力すべてにおいてベンディットを凌駕しており、メジャーの舞台に立てば、1901年以降で史上2人目の両投げ投手としての記録にも名を刻むことになります。

「両投げ」は“話題性”だけではなく、戦術的にも大きなメリットがあります。打者ごとに有利なサイドで勝負できるため、打者との相性に左右されにくくなります。これからマリナーズのマイナーで経験を積んでいけば、MLBで両投げ投手としてローテーション入りするという快挙も現実味を帯びてくるでしょう。

今後もジュランジェロ・サインチェの成長から目が離せません。

ブレンダン・サムソン:MLB.com記者
引用元:mlb.com

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