2025年シーズン最初のサイクルは……なんとキャッチャーだった!

MLB カブス カーソン・ケリー

ウェスト・サクラメント — カーソン・ケリーは、まだ終わっていなかった。

月曜日、サッター・ヘルス・パークで行われたアスレチックス戦で、カブスが18対3と大勝した中、試合の勝敗はすでに決していた。しかし、シカゴの捕手ケリーには、まだ果たすべきことが残っていた。


右中間へのライナーがフェンスに当たり、アスレチックスのセンター、J.J.ブレイデイの前を弾んだ瞬間、ケリーは一塁を回りながら、自身が特別な記録を達成できるチャンスに気づいた。そして、絶対に逃さないと決めた。

「一塁を回った時、ボールが跳ね返るのが見えて、『お、これだ。チャンスだ。行くしかない』と思った」とケリーは語った。「たぶん、あれが僕の人生で一番速く走った瞬間だね。」

ケリーは二塁を駆け抜け、スプリントスピードが全体の12パーセンタイルしかない捕手とは思えないほどの力強さで、スタンディングで三塁に到達。笑顔を浮かべ、息を切らしながら、興奮したシカゴのダグアウトに向かって両腕を突き上げて祝福のポーズを見せた。

彼は、1993年5月9日のマーク・グレース以来、カブスの選手としては31年ぶりとなるサイクルヒットを達成したのだった。ケリーが生まれる1年以上も前のことだ。

「サイクルヒットなんて、そうそう見られるもんじゃない」とカブスの遊撃手ダンズビー・スワンソンは語った。「本当に素晴らしい偉業だよ。クールな瞬間だったし、彼のことを嬉しく思うよ。」


ケリーは4回に本塁打を放ち、5回にシングルヒット、6回には二塁打を放った。その時点で、彼はサイクルヒットにあと三塁打を残すのみであることを自覚していた。実は、昨年9月にも同じような場面を経験していたが、通算三塁打がわずか2本しかないケリーにとって、その達成は簡単なことではなかった。

「その2本の三塁打の時は、相手選手が壁に突っ込んで倒れたから打てたんだ」とケリーは冗談まじりに振り返った。

だが今回は違った。8回に放った時速104.8マイル(約168.7キロ)の三塁打は、相手のミスによるものではなく、完全に実力で引き出した一打だった。この打席は、今季最多タイとなる18得点・21安打というカブスの猛攻の一部でもあった。この記録は、8月26日のピッツバーグ戦で記録されたものに並ぶ数字だった。

「楽しい夜だったよ」とカブスのクレイグ・カウンセル監督は語った。「本当に良い野球ができたし、出場した選手全員が何かしら良いプレーをしてくれた。」

その活躍は、ケリーやカイル・タッカー(7打数4安打・3打点)、マイケル・ブッシュ(6打数3安打・1本塁打・4打点)といった打者から、ベン・ブラウン、ジュリアン・メリウェザー、コリン・リアといった投手陣にまで及んだ。

ブラウンは、3回にソロ本塁打、4回に2点を許しながらも立ち直り、2025年シーズン初先発で5回を投げ切った。奪三振は5。


6回をジュリアン・メリウェザーが三者凡退で抑えたあと、コリン・リアが最後の3イニングを無失点で締めくくり、チームに大きな貢献を果たした。9回には打席にも立ち(三振に倒れたが)、さらにはセーブも記録した。

「こういうのは試合の脚注みたいなもんだけど、3イニングを投げきって他の投手を使わずに済んだっていうのは、他の投手たちにとっても非常に大きなことなんだ」とカウンセル監督は語った。「大差で勝った試合に見えるかもしれないけど、今夜のコリンの3イニングは本当に重要だった。これでチームは次の2試合に向けていい状態にリセットできた。」

実際、月曜日の試合はカブスにとって危なげのない快勝だった。初回に4点を挙げたことで、その流れが大きく作用した。マイケル・ブッシュは最初の打席でアスレチックスのブルペンに2ランを叩き込み、続くスワンソンも初球を捉えてセンターへソロ本塁打を放った。


カブスは5回と6回にそれぞれ打者一巡の猛攻を見せ、この2イニングだけで計11点を奪った。21安打に加えて10四球も選び、試合を通じて常に走者を出し続けた。

その四球のうち2つを選んだのがケリーで、1試合で2四球とサイクル安打を同時に記録した史上3人目の選手となった。前回この珍記録を達成したのは1940年、ヤンキースのジョー・ゴードンだった。

ケリーは他にも数々の記録を打ち立てた。9番打者としてサイクル安打を達成したのは2006年のショーン・フィギンズ以来初、カブスの捕手としては1966年のランディ・ハンドリー以来初の快挙だった。

まさに特別な機会をしっかりとものにした選手にとって、忘れられない夜となった。

「素晴らしい達成だと思います」とケリーは語った。「自分がこんな記録を達成できるなんて思ってもいませんでした。本当に幸運で、恵まれていると思います。たくさん努力してきましたし、励ましてくれる素晴らしいチームメイトにも恵まれました。とにかく、特別な夜でした。」

セオ・デローサ:MLB.com記者
引用元:mlb.com

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