タンパ(フロリダ州) — マーカス・ストローマンが金曜日の朝、ヤンキースのクラブハウスに戻ると、チームメートたちはハグや背中を叩いて彼を迎えた。トレードの噂が渦巻く中での2日間の欠席を経て、ベテラン右腕はキャンプに復帰した。
ストローマンは 「厳密には早めに来たことになるね」 と冗談めかして語った。これは、労使協定(CBA) によって定められた2月22日の報告期限 を指している。彼は、今シーズンに向けて先発投手として準備を整えていると話した。
「この段階のキャリアでは、身体を整えることを最優先にしている」 とストローマンは語った。
「今の状況を考えると、ここ数日間、無理にキャンプに参加する必要はなかったと思う。アーロン・ブーン監督とも話し合ったし、すごく良い会話ができたよ。すべてが完璧でスムーズだし、クラブハウスでの関係も何も変わっていない。ここに戻ってこられて最高の気分だし、準備は万端だよ。」
ヤンキースの投手・捕手陣は火曜日 にジョージ・M・スタインブレナー・フィールド に集合。ストローマンもこの日、義務付けられた身体検査 を受けた。
その後、彼は2日間の練習を欠席。その間、ゲリット・コールやカルロス・ロドンがライブBP(打撃練習)を行っていたが、ストローマンは「個別に打者と対戦しており、スタミナ面でも十分に仕上がっている」と語った。
「今日はちょうど良い日だと感じた」 とストローマンは語った。
「バレンタインデーだからね。良い雰囲気になりそうだし、みんなが幸せな日だと思うよ。」
ストローマンは、このオフシーズンが「厳しいものだった」と明かした。その理由の一つが、先月発生したパリセーズ火災によって、カリフォルニア州マリブの自宅が完全に焼失 したことだった。
「本当にいろいろなことを経験したよ」とストローマンは語った。
「もし可能なら、Assistance League(支援団体)に寄付してほしい。多くの慈善団体や基金が支援活動を行っているけれど、今も本当に大変な状況にある人たちがたくさんいる。低所得地域の多くの家族が、すべてを失ってしまったんだ。」
33歳のストローマンは、昨シーズンヤンキースで30試合(先発29試合)に登板し、10勝9敗、防御率4.31を記録。ボンバーズ(ヤンキースの愛称)での1年目のシーズン を終えたばかりだ。
彼はシーズン後半の不調 により9月にブルペンへ移動 し、ポストシーズンでは登板なし。さらに、12月に左腕マックス・フリードと契約 したことで、先発の座はさらに遠のいた。
現在、ストローマンの役割は未定であり、5人制ローテーションの6番手という立場に置かれている。ヤンキースの先発ローテーションにはルイス・ヒル、クラーク・シュミットも入る見込みだ。
しかし、ストローマンはリリーフ転向の可能性を一蹴。
「俺は先発投手だ。ブルペンでは投げない。俺は先発だ。」 と断言した。
ゼネラルマネージャーのブライアン・キャッシュマンは、この発言について特に問題視しておらず、「いつものストローマンらしい発言だ」 とコメント。
「彼は競争心の強い選手だ。プロ入りしてからずっと、素晴らしい先発投手として戦い続けてきた。だから、彼の言う通り、彼は先発だと思う。6週間のスプリングトレーニングでは、様々なことが起こるものだ。開幕までに何があるか分からない。」
「我々としては、全員が健康を維持し、最高のレベルで投球してくれることを願っている。しかし、シーズンのスタートとフィニッシュが同じメンバーであることは少ない。」
ヤンキースが6人制ローテーションを採用する可能性 について聞かれたアーロン・ブーン監督 は、
「絶対にないとは言わない。ただ、現時点では考えていないね。状況次第だ。」 とコメント。
また、ストローマンの契約がトレード交渉の障害となっているとも報じられている。彼は今季1,800万ドルの年俸を受け取る予定で、2026年には140イニングを投げれば契約が自動更新(同額の1,800万ドル) されるオプションがついている。
カージナルスが三塁手ノーラン・アレナドの放出を検討しているものの、ストローマンには興味を示していないという。
ストローマンはこの状況にも冷静に対応。
「今の俺はすごく落ち着いている。何が起ころうと動じないよ。」
「俺はどんなチームでもどんなレベルでも戦えるピッチャーだ。ここに残るか、他のチームへ行くかは分からないが、体は準備万端だ。30試合以上は投げるつもりだよ。」
ブライアン・ホック:MLB.comヤンキース担当
引用元:mlb.com