タンパ(フロリダ州) — レイズは昨年ホワイトソックスに次いでリーグ最少得点だった打線の強化を目的とし、水曜日に遊撃手キム・ハソンとの2年契約に合意した。
契約は総額2,900万ドルで、今季終了後にオプトアウトできる条項が含まれているとMLB.comの情報筋が伝えている。球団はまだ正式に発表していない。契約が確定すれば、キムは今季1,300万ドルを受け取り、チームで最も高給の選手となる。オプトアウトしなければ2026年には1,600万ドルを受け取る。総額2,900万ドルは球団史上5番目に高額なFA契約で、野手としては1999年12月にグレッグ・ヴォーンが結んだ4年3,400万ドルの契約に次ぐ最高額となる。
キムは右肩の関節唇(ラブル)に小さな損傷を負い、修復手術を受けたため開幕には間に合わない。復帰はシーズン序盤、5月頃を目指している。復帰後は、テイラー・ウォールズに代わりレイズの正遊撃手を務める見込みだ。
キムが遊撃手を務めることで、レイズのセンターラインのオフシーズン補強が完了する。この補強の狙いは、守備力を大きく損なうことなく打線の底上げを図ることだった。
まず、三振の多い中堅手ホセ・シリをトレードし、ジョニー・デリュカをレギュラーに据えた。次に、昨年右打ちの捕手陣がほとんど打撃貢献できなかったため、ベテラン捕手ダニー・ジャンセンと契約。そして今回、優れた守備力と安定した打撃を持つキムを遊撃手に加えた。
わずか3つの補強で、レイズの打線は大幅に厚みを増した。キムが復帰する頃には、以下のようなラインナップになると見込まれる。
1B ヤンディ・ディアス
2B ブランドン・ラウ
3B ジュニア・カミネロ
RF ジョシュ・ラウ
LF クリストファー・モレル
DH ジョナサン・アランダ/エロイ・ヒメネス
C ダニー・ジャンセン
SS キム・ハソン
CF ジョニー・デリュカ/リッチー・パラシオス
遊撃手、捕手、中堅でリーグ平均レベルの打撃を確保できれば、レイズの打線全体が強化される。特に主力打者たちが期待通りに復調し、成長を遂げれば、その効果はさらに大きくなるだろう。
手術からの復帰にあたり、健康状態や肩の強さに関する疑問は残るが、キムとの契約は十分に価値のある賭けだ。エリート守備力を持つものの通算打率.188にとどまるテイラー・ウォールズが、シーズン序盤は遊撃を守ることができる。また、有望株の遊撃手カーソン・ウィリアムズが予想より早くメジャー昇格を果たした場合でも、キムの多才さを生かせば他のポジションでの起用も可能だ。
キム・ハソンは、2020年12月に4年2800万ドルの契約でパドレスに加入して以来、価値の高い選手としての地位を確立し、韓国プロ野球(KBO)からメジャーリーグへのスムーズな移行を果たした。
メジャー通算540試合で打率.242、出塁率.326、長打率.380(OPS+99)を記録し、47本塁打、78盗塁、そしてBaseball-Reference算出のWARは15.3をマークしている。特に2023年は自身最高のシーズンとなり、本塁打(17)、盗塁(38)、OPS(.749)、WAR(5.8)でキャリアハイを更新し、ユーティリティ部門でゴールドグラブ賞も受賞した。
パドレスは2022年12月に遊撃手のザンダー・ボガーツと11年2億8000万ドルの契約を結んだが、2024年シーズンに向けてキムを正遊撃手とし、ボガーツを二塁へコンバートする決断を下した。
キムは守備面ではこの変更をうまくこなしたが、打撃成績は2023年のピークからやや下降し、121試合で11本塁打、22盗塁、OPS.700を記録。8月中旬に右肩を負傷し、その後復帰することなく手術を受けた。そして、800万ドルの相互オプションを自身の判断で拒否し、FAとなった。
アダム・ベリー:MLB.comレイズ担当
トーマス・ハリガン:MLB.com記者
引用元:mlb.com