ブレーブス・ストライダー 手術後復帰初登板で2回2/3をパーフェクト

スペンサー・ストライダー ブレーブス MLB

ノースポート, フロリダ州 — 約1年ぶりにマウンドに立ち、初回を98マイル(約158キロ)の速球での連続三振で締めくくったとき、どんな気分になるのか?

「1回を投げ終えた後、フィールド上でめったにない感情の瞬間があった」とブレーブスの右腕スペンサー・ストライダーは語った。「いつもの“世界に対する怒り”じゃなく、ただ嬉しかった。うん、いい気分だったよ。」


月曜日午後、クールトゥデイパークで行われたグレープフルーツリーグのレッドソックス戦で、ストライダーがマウンドに立ったとき、ブレーブスに関わるすべての人が同じように“いい気分”だった。この試合は、ストライダーが2024年4月に右肘内側側副靭帯(UCL)の修復手術を受けて以来、初の実戦登板となった。

だが、ブランクの影はまったく見られなかった。ストライダーは2回2/3をパーフェクトに抑え、8人の打者のうち6人を三振に仕留め、そのうち5者連続三振を記録する圧巻の投球を披露した。試合は2対1でレッドソックスが勝利したが、ブレーブスにとってはストライダーの復活登板が最大の収穫だった。


「正直言って、彼はまだこのチームで最高の投手だよ」と、2024年ナ・リーグのサイ・ヤング賞を受賞したクリス・セールは語った。「それは疑いようのない事実さ。」

リーグ最多勝(18勝)、最優秀防御率(2.38)、最多奪三振(225)の“投手三冠”を達成した男からの、なんとも高い評価だ。

それを受けて、ストライダーはベテラン同僚に冗談まじりでこう返した。

「彼は自分で言ってる通り“妄想癖”があるからね。僕らは毎日それに付き合わされてるんだよ」と、笑いながら語った。


だが、ストライダーが「MLBで最も電撃的で支配力のある投手の一人」と評されるのは、決して妄想ではない。2022~23年にかけて、彼はメジャー最多の483奪三振を記録した。同期間で2位のゲリット・コール(ヤンキース)は479奪三振だったが、ストライダーより91回1/3多く投げての数字だった。

右肘の内側側副靭帯(UCL)を修復するため、ストライダーの肘には「インターナルブレース」と呼ばれる補強手術が施された。その際、球団は彼がいずれ以前のような圧倒的な姿を取り戻すことを期待していた。だが、4月5日以来となる実戦復帰の場で、これほどまでに圧巻の投球を披露するとは、現実的には期待しにくいことだったかもしれない。

しかしそこにいたのは、たった27球(うちストライク23球)でレッドソックスの打者8人全員をパーフェクトに仕留めるストライダーだった。1回表は7球で片付け、ヴォーン・グリッソム、ローマン・アンソニーを3球三振で連続で斬って取った。

軽快な初回の後、2回にはロミー・ゴンザレスを97マイルの速球で空振り三振に仕留めてこの回を締めた。効率的なイニングを重ねたことで、球数30球という目標に近づくべく、3回にもマウンドへ上がるチャンスを得た。

ここまで仕上がっているなら、なぜストライダーは4月下旬までブレーブスのローテーション復帰を待つ必要があるのか?

「落ち着いて、先走らないことが大事だ」とストライダーは語る。「今日みたいな日は、“今すぐ試合で投げられるぞ”って思っちゃうし、そのまま突っ走りたくなる。でも、それはちょっと過剰だよね。僕らが目指すところまでの道のりは長いし、最終的にはそこでチームのために最高の状態でいたいんだ。」

「球速は僕にとって“最後のピース”みたいなものなんだ。じっくり上げていきたい。でも、それでも球は打者の手元でしっかり伸びていた気がする。まだスプリングトレーニングだけど、今日は確実にいい感触だったよ。」


ストライダーが負傷者リストから復帰すれば、セール、レイナルド・ロペス、スペンサー・シュウェレンバックと共に、ブレーブスの先発ローテーションの上位4枠を埋めることになる。5番手候補には、A.J.スミス=ショーバー、イアン・アンダーソン、グラント・ホームズらが挙がっている。

「ストライダーは、今の野球界で最も電撃的な投手になる可能性がある」とセールは語る。「そんな彼が、すでにいるこのチーム、このクラブハウス、この投手陣に加わるのは、このチームの強さをさらに際立たせる要素になるよ。」

ストライダーの復帰登板はパーフェクトだった――いや、ほぼ完璧だった。3回2アウトを取った直後、彼はブレーブスのダグアウトへ向かって歩き始めた――まだイニングが終わっていないことに気づかずに。

「久しぶりの登板だから、1イニングでアウトがいくつ必要なのか忘れちゃってたよ」とストライダーは笑った。「大学時代に数学専攻じゃなかったから、3まで数えるのは僕にとって大仕事なんだ。でも、イニングを投げ切る予定じゃなかったのは分かってたから、ちょっと先走っちゃった。監督がマウンドに来て交代を告げるまで忘れてたんだ。だから“大人の監督”が必要だったね。」

圧巻の投球だけでなく、ウィットに富んだユーモアも完全復活したようだ。

マーク・ボウマン:MLB.comブレーブス担当
引用元:mlb.com

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