▶ wOBAとは?
**wOBA(Weighted On-Base Average)**は、各出塁方法に応じて“価値”を加重して算出される出塁率指標です。
通常の出塁率(OBP)はヒットも四球も「1出塁」としてカウントしますが、wOBAでは本塁打や長打の価値をより重く評価します。

💡 つまり、「どんな出塁をしたか」に注目した、**“質を加味した出塁率”**です。
▶ wOBAの計算式(例:MLB)
wOBA = (0.70×BB + 0.73×HBP + 0.89×1B + 1.28×2B + 1.63×3B + 2.10×HR) ÷ PA
※係数(重み)は毎年MLBが調整して発表しています。上記は一例です。
※PA:打席数(プレートアピアランス)
▶ wOBAの目安と評価
wOBAの値 | 評価 |
---|---|
.400以上 | MVP級(超一流) |
.370〜.399 | オールスター級 |
.340〜.369 | 平均以上 |
.310〜.339 | 平均的 |
.309以下 | 出塁に課題あり |
▶ 通常のOBPとの違い
指標 | 特徴 |
---|---|
OBP | 出塁したかどうか(数) |
wOBA | 出塁の価値まで含める(質と量) |
例:
- 四球=0.70
- 単打=0.89
- 本塁打=2.10
→ 本塁打の方が得点に直結するため、wOBAでは価値が重くなる
▶ 実例(仮):打者のwOBA算出
打席数:600▶ 実例:選手のxOBAとOBAの比較(仮)
四球:50、死球:5、単打:80、二塁打:30、三塁打:5、本塁打:25
wOBA = (0.70×50 + 0.73×5 + 0.89×80 + 1.28×30 + 1.63×5 + 2.10×25) ÷ 600
= (35 + 3.65 + 71.2 + 38.4 + 8.15 + 52.5) ÷ 600
= 208.9 ÷ 600 ≒ 0.348
👉 wOBA = .348 → 平均以上の出塁内容!
▶ wOBAの活用ポイントと注意点
✅ 長所
- 出塁方法の価値を反映できるため、単打ばかりの出塁と長打混じりの出塁の違いが明確になる
- OPSよりも精度が高いとされ、WAR計算にも使われるほど信頼性が高い
⚠ 注意点
- 一般的な打率やOBPよりも馴染みがない
- 四球・死球の扱いに違和感を覚える人もいる(価値が低め)
▶ 関連用語リンク
▶ よくある質問(FAQ)
Q:wOBAが高ければ優れた打者?
→ はい。**出塁力と長打力の両面から評価した“打撃力総合スコア”**なので、.370以上あれば超一流です。
Q:OPSとどっちが信頼できる?
→ wOBAは統計的に得点への相関がOPSより高く、より精密な指標とされています。
▶ まとめ
wOBAは、「どんな形で出塁したか」に注目し、その“得点価値”まで評価できる次世代型の出塁指標です。
OPSよりも精度が高く、MLBでもWARや契約査定などに重用されている、現代野球において必須の打撃評価指標です。