タンパでの木曜夜、ジャズ・チザムJr.は7回に見逃し三振を宣告された判定に激昂し、フィールド上で激しく抗議。これにより退場処分となりました。ヤンキースのクラブハウスへと促される中でも、彼の怒りは収まらず――その思いはすぐにSNS上に現れました。
チザムはX(旧Twitter)にて、「Not even [expletive] close!!!!!(全っ然ストライクじゃねーよ!!!)」と投稿。この投稿は米東部時間の午後9時24分に記録され、その後削除されましたが、本人は試合中に自ら投稿したことを認めています。
この出来事は、ヤンキースがレイズに6-3で勝利した試合中に起きたもので、試合が続行している最中の投稿という点も注目を集めました。
メジャーリーグ機構(MLB)は金曜日、ジャズ・チザムJr.に対し、1試合の出場停止処分と金額非公開の罰金を科したと発表しました。これは、審判への抗議行動とMLB選手向けソーシャルメディアポリシー違反に対する処分です。
ヤンキースのアーロン・ブーン監督によれば、チザムはこの処分に異議申し立て(アピール)を行う意向とのこと。金曜夜のレイズ戦には通常通り先発出場しています。
木曜の試合後、処分の可能性について知らされたチザムは、「気にしない。やったことには責任を持つ。別に構わないよ」とコメントし、毅然とした態度を見せました。
問題の打席は、1アウト一塁の場面でカウント3-2。レイズのメイソン・モンゴメリーが投じた低めの速球に対し、チザムはフォアボールと思ってバットを置いたものの、審判ジョン・ベーコンはストライクの判定。チザムはすぐさま抗議を始め、手にしたヘルメットを持ちながら、「あの球はストライクじゃない」とベーコンに詰め寄りました。
ブーン監督が間に入り、チザムをベンチに戻そうとしたものの、退場処分を避けるには至りませんでした。
これはチザムにとってMLBキャリア通算5度目の退場であり、ヤンキース移籍後初めての退場劇となりました。
チザムは今回の件について、こう語っています。
「僕たちは野球選手だ。常に”勝負の最中”にいるんだ。打席ごと、1球ごとに勝ちたいと思っている。必死に戦って、結果がついてこなかった時、しかも自分では“完全にボール”だと思っていた時は、熱くなるさ。僕は自分のプレーに強い情熱を持っているんだ。」
また、問題の打席における2-2の球についても注目が集まっており、モンゴメリーのその球はボールと判定されたものの、レイズ側は外角いっぱいに決まっていたと主張していた場面でした。
アーロン・ブーン監督は今回の退場劇について、次のように語りました。
「本来なら退場されるのは自分の方が良かったと思っているよ。こういうこと(選手の退場)は時に起こるものだし、次からは自分が行くようにしたいね。選手に退場になってほしくはない。でも、3-2からの難しい球を見逃すのがどれだけ大変かも分かっている。そこに感情が生まれるのも当然のことだよ。」
一方で、ジャズ・チザムJr.本人も、試合後に率直な気持ちを口にしました。
「今でもあの球はボールだったと怒ってるけど、それ以上に冷静さを失ってしまった自分に腹が立ってる。
でも、それでもこうして仲間たちが僕を支えてくれる。明日またグラウンドに戻ってプレーできるし、きっと大丈夫だと思ってる。」
情熱的なプレーを見せるチザム選手らしいコメントと、彼を守ろうとするブーン監督のコメントが印象的なシーンとなりました。ヤンキースにとって、信頼関係の強さを垣間見る一幕でした。
なお、チザムの退場後、二塁の守備はオズワルド・ペラーザが引き継ぎ、試合終盤をカバーしました。
ブライアン・ホック:MLB.comヤンキース担当
引用元:mlb.com