父がいるスタジアムで躍動するツインズのコディ・クレメンス


タンパ — コディ・クレメンスがミネソタ・ツインズの一員になってから、まだわずか1か月。しかし、その短期間での彼の存在感は計り知れない。

「彼は今のチームで一番のMVPだよ」と、遊撃手カルロス・コレアは語った。「彼がチームに加わってからというもの、とにかく打ち続けているし、それも長打でね。まさにこの打線が求めていた存在だよ。」

その日、父ロジャー・クレメンスが観戦する中、コディは現地火曜日のレイズ戦(ジョージ・M・スタインブレナー・フィールド)で、チームMVPにふさわしいプレーをさらに2つ加えた。ツインズはこの試合に4対2で勝利した。

まず第1の見せ場は、クレメンスがツインズ加入後5本目となる本塁打。第2打席で放ったソロホームランは、スタットキャストの予測でセンター方向に約415フィート(約126メートル)飛んだ。この本塁打数は、フィリーズ時代を含む過去3シーズンの自己最多記録に並ぶもので、昨年は120打席で5本を記録していた。


現地火曜日の一発は、クレメンスにとってツインズ移籍後わずか58打席目での本塁打だった。

4月26日にフィリーズから金銭トレードでツインズに加入したクレメンスは、5月3日にチームでの初本塁打を放った。それ以降、彼は打率.356/出塁率.442/長打率.822という驚異的な成績を残しており、その長打率とOPS(1.265)は、同期間に50打席以上立った全打者の中でMLBトップだ。

そして偶然ではないだろうが、ツインズはその期間で17勝4敗と好調を維持している。ちなみに、この期間でクレメンスに次ぐ長打率とOPSを記録しているのは――大谷翔平とアーロン・ジャッジだ。

「新しいチーム、新しい環境でリフレッシュして、チームの雰囲気に馴染み、それであれだけの活躍を見せてくれているのは、本当にすごいことだ」と捕手のライアン・ジェファーズはクレメンスについて語った。「彼は重要な場面で何度も結果を出してきたよ。」

「彼は本当に素晴らしい選手だと思う。でも今まで、本領を発揮する機会に恵まれていなかったんだ。それがここでようやく自分のリズムを掴み始めているように見えるよ。」

「彼は何度もチームを勝たせてくれている」とロッコ・バルデッリ監督も絶賛した。「今日の試合も、彼のプレーぶりの良さを示す最高の例だったね。」


クレメンスは、これまでほとんど経験のなかった守備位置でも好プレーを見せている。これまでのキャリアの大半を内野手として過ごしてきた彼だが、火曜日の試合ではキャリア4度目となるライトでの出場となった。

しかしその経験不足を全く感じさせないプレーが、4回に飛び出した。無死二塁でジュニア・カミネロの打った飛球がライト線方向へ飛ぶと、クレメンスは猛然と追いかけ、ダイビングキャッチでエクストラベースヒットを阻止。ブランダン・ラウがタッチアップで三塁へ進み、最終的にその回に得点は許したものの、クレメンスのキャッチがビッグイニングを防いだ。

主力選手の故障により得点力が低下しているツインズにとって、1点でも守りきるプレーは非常に大きな意味を持つ。クレメンスのような新戦力の貢献が、チームを支えている。


「コディはナイスプレーだったよ ―― 彼は普段、外野をあまり守っていないんだけどね」と、バルデッリ監督は語った。「それでもライトで守備面でもしっかり貢献してくれている。彼は本当に良い野球選手だよ。」

4回裏に失ったその1点は、この日先発したジョー・ライアンが許した唯一の得点だった。スコアだけを見ると、ここ最近の彼の登板内容と非常によく似ている。5試合連続で6回以上を投げて自責点1以内に抑えており、この日の好投で防御率は2.57まで下がった。


ただ、すべてが順調だったわけではない。ライアンは序盤のイニングで何度も走者を背負うなど、苦しい展開を強いられた。1回にはPitchComの音量トラブルによりボークを犯す場面もあった。

さらに、レイズが彼の持ち球を熟知していることも厄介だった。ライアンは2018年ドラフト7巡目でレイズに指名され、マイナーで育成された後、2021年にツインズへトレードされた経緯がある。そのためこの日は、得意のフォーシーム(速球)を多用することが難しく、代わりにシンカー、スイーパー、スプリッターといった変化球を駆使して打者に立ち向かう必要があった。


ライアンはまた、レイズの「シティ・コネクト」ユニフォーム(暗めのカラー)が本塁後方の背景と同化してしまい、左打者が見えづらかったと語った。

「左打者は完全に見えなかったよ」とライアンは苦笑いで振り返った。

それでも、彼の持ち前の才能と、先述の守備陣の好プレーにより、ライアンはチームに勝利への土台を築いた。これでツインズは、水曜日のシリーズ第3戦(決着戦)を制すれば勝ち越しとなり、その後シアトルへの長距離遠征に向かう。

「今日は普段あまり使わない球種をうまく使っていた」とバルデッリ監督はライアンを称賛。「でも、彼はそれができる投手。適応力を見せてくれた。優れた投手とは、そういうスイッチの切り替えができるんだよ。」

ブライアン・マーフィー:MLB.comレポーター
引用元:mlb.com

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