もう6月ですね
夏が(非公式ながら)始まり、シーズンもいよいよ本格化してきました。
今季の物語――強豪と低迷チーム、優勝候補と伏兵、嬉しい驚きと衝撃の失速――が、はっきりと姿を現しつつあります。
今後の日々で、そのドラマはさらに深まっていくことでしょう。ナ・リーグの強豪対決の再戦から、今季初のヤンキース対レッドソックス戦まで、6月2日週に注目したい5つのシリーズを紹介します。
【メッツ vs ドジャース】
4連戦(現地6月2日〜5日/月〜木)
🆚 対戦成績:
両チームはここ2週間で2度目の対戦となります。最初のシリーズでは、メッツが本拠地シティ・フィールドで2勝1敗と勝ち越しました(昨年はドジャースが4勝2敗で勝ち越し)。
📖 注目ポイント:
プレーオフの再現はレギュラーシーズンでは難しいかもしれませんが、「2024年NLCSの再演」を望むファンにとって、この13日間で全7試合を消化するスケジュールはかなりそれに近い構図。ライバル意識の高さはもちろんのこと、両チームとも好成績ながら地区内でのリードがごくわずかという状況もあって、6月頭にしては異例の高プレッシャーシリーズとなりそうです。
🔍 注目選手:
フレディ・フリーマン
メジャー15年目の大ベテランですが、5月は打率.410、OPS1.100と絶好調。スター選手が揃うドジャース打線の中でも、決して目を離してはいけない存在です。「またフリーマンか」と思っていると、いつの間にか勝負を決められているかもしれません。
【パドレス vs ジャイアンツ】
4連戦(現地6月2日〜5日/月〜木)
🆚 対戦成績:
両チームは今季初対戦を4月に迎えましたが、その2連戦をパドレスがスイープ。2024年のシーズンシリーズでも、パドレスが7勝6敗と僅差で勝ち越しています。
📖 注目ポイント:
ナ・リーグ西地区の“長男”=ドジャースが君臨するなかで、“騒がしい双子の弟たち”ともいえるのがこの両チーム。現在、パドレスは首位ドジャースに2ゲーム差で迫り、そのパドレスに1ゲーム差で追うのがジャイアンツ。6月に入っても3チームによる優勝争いが継続中というのは、シーズン前の予想を覆す展開です。このシリーズは、パドレスにとっては“秩序を取り戻すチャンス”、ジャイアンツにとっては“本物と認められるための試金石”とも言える重要な4連戦です。
🔍 注目選手:
5月はナ・リーグで数多くの打者が絶好調でしたが、静かに結果を出し続けた2人の存在にも注目です。
- マニー・マチャド(パドレス):5月は打率.340、OPS.954、4本塁打、12打点
- ヘリオット・ラモス(ジャイアンツ):5月は打率.347、OPS1.007、6本塁打、18打点
どちらもリーグトップ級のパフォーマンスを見せており、この直接対決での活躍が順位争いを左右するキープレーヤーとなりそうです。
【ロイヤルズ vs カージナルス】
3連戦(現地6月3日〜5日/火〜木)
🆚 対戦成績:
両チームは数週間前の「ライバルリー・ウィークエンド」で対戦し、セントルイスが2勝1敗で勝ち越し。その3試合でロイヤルズをわずか5得点に封じ込める好投を見せました。
📖 注目ポイント:
今季開幕時、カージナルスは低評価からのスタート。4月の不振で“終わったチーム”と見なされた時期もありましたが、5月4日から12日にかけて9連勝を記録すると、その勢いのまま5月をMLB最高の19勝8敗で終えました。これにより、ブルワーズやレッズを抜き、いよいよ首位カブスを射程圏にとらえる展開に。とはいえ、週末にレンジャーズ戦で合計19失点・4得点の大敗を喫しており、そのダメージから立ち直れるかが問われるシリーズでもあります。
🔍 注目選手:
ロイヤルズファン必見!期待のトッププロスペクト、ジャック・カグリアノーネがついにメジャーデビュー。Triple-A昇格後は11試合で6本塁打と大暴れし、ついにビッグリーグに呼ばれました。22歳の一塁手兼外野手は、2025年マイナーで打率.323/出塁率.391/長打率.600、15本塁打・56打点(49試合)という圧巻の成績を残しています。
どのチームのファンであれ、このデビュー戦は見逃せません。
【レッドソックス vs ヤンキース】
3連戦(現地6月6日〜8日/金〜日)
🆚 対戦成績:
レッドソックスとヤンキースは、2020年以降シーズン対戦成績を交互に勝ち越しており、2024年はヤンキースが13試合中7勝で制しました(偶数年はヤンキースの勝ちパターン)。
📖 注目ポイント:
待望のこのライバル対決は、両チームが大きく異なる状況にある中で実現。ヤンキースは週末のドジャース戦でややつまずいたものの、ア・リーグ東地区で2位に5.5ゲーム差をつけて独走中。一方のレッドソックスは、好調だった4月から一転、5月は11勝17敗と失速。さらに試合終盤での失点が多く、救援陣のセーブ失敗数はMLB最多の14回。加えて、セーブ成功率が50%を下回っているのは、ホワイトソックスとレッドソックスの2チームのみという状況です。
🔍 注目選手:
主力のアレックス・ブレグマンが右足の大腿四頭筋損傷で離脱中のため、レッドソックス打線は再びラファエル・デバース頼みの構図に。しかし、デバースはその重責を担う準備万端。5月は打率.356/出塁率.468/長打率.606、7本塁打・33打点と圧巻の活躍を見せています。このシリーズでも彼のバットがカギを握るでしょう。
【カブス vs タイガース】
3連戦(現地6月7日〜9日/金〜日)
🆚 対戦成績:
カブスはこれまでの直接対決で優勢。2021年、2023年、2024年の3試合シリーズすべてで2勝1敗と勝ち越しています。
📖 注目ポイント:
ドジャースやヤンキース、メッツやフィリーズの話題に隠れてはいますが、実は「今もっとも強いのはカブスとタイガース」かもしれません。タイガースは今季これまでメジャー最高勝率をキープする時期もあり、カブスもそれに続く好成績を収めています。このカードは事実上の頂上決戦とも言えるでしょう。
🔍 注目選手:
カブスのトッププロスペクト、マット・ショウが絶好調。メジャー初昇格では打率.172/出塁率.294/長打率.241と苦戦し、一度マイナーに降格しましたが、5月19日の再昇格以降は11試合で14安打(打率.359)・二塁打5本・打点4・盗塁5と爆発中。このシリーズでもチームの勢いを加速させる存在になりそうです。
シャンティ・セペ=チェプル:MLB.com記者
引用元:mlb.com