ロサンゼルス―― ファンに愛される万能プレーヤー、キケ・ヘルナンデスがドジャースに復帰することで合意に達したと、ヘルナンデス自身が日曜日にSNSで発表した。彼は「開かれたドアを歩いていく」というキャプションとともにハイライト動画を投稿した。
球団からの正式発表はまだないが、この契約は身体検査を経て正式決定するとみられており、『The Athletic』が最初に報じた。
ドジャースはワールドシリーズ優勝後のオフシーズンに数々の大型補強を行ってきたが、ゼネラルマネージャーのブランドン・ゴームズは先週、「キケに対してドアを閉ざすことは決してない」と明言していた。
ヘルナンデスの復帰が決まったことで、ドジャースの補強はほぼ完了したと見られる。唯一の例外は、クレイトン・カーショウの再契約が正式決定することだろう。現在、ドジャースの40人枠は埋まっているが、今週中に負傷者を60日間の故障者リスト(IL)に移すことで、枠が空く見込みだ。
ドジャースは今オフ、マーケットのトップ選手を獲得しながらも、チームの核となる選手たちを戻すというバランスの取れた補強を行ってきた。FAでチームに復帰する選手としては、ヘルナンデスに加え、テオスカー・ヘルナンデス、ブレイク・トレイネンもロサンゼルスに戻ることが決まっている。ヘルナンデスは、2023年にドジャースが8度目のワールドシリーズ制覇を果たす上で、欠かせない存在だった。
ヘルナンデスの真価が最も発揮されるのは、大舞台のプレッシャーが最高潮に達したときだ。彼のポストシーズン通算OPSは.874で、本塁打は15本を記録している。特に2021年以降は、ポストシーズンで打率.352、7本塁打、OPS1.008という驚異的な成績を残している。
「ここはロサンゼルスだ。史上最高のアスリートたちが集う場所。そして、その偉大な選手たちは、失敗を恐れない」
昨年10月、ドジャースがナ・リーグ優勝決定シリーズ(NLCS)に進出した際、デーブ・ロバーツ監督はこう語った。「ポストシーズンという舞台では、どんなスポーツでも失敗を恐れてはいけない。この男(ヘルナンデス)は、常にその瞬間に応える選手だ」
メジャー11年目のベテランであるヘルナンデスは、ベンチの層を厚くし、守備のユーティリティ性を提供できる。通算OPS+は92と、平均をやや下回る打撃成績だが、プラトーン要員としては十分に機能し、時折見せる長打力も魅力だ。その証拠に、2024年は126試合で12本塁打を放っている。
近年はケガや体調不良の影響もあり、打撃成績は低迷していた。通算OPSは.713だが、過去2シーズンはそれを大きく下回る成績が続いていた。しかし、2024年のOPS.654は、2021年にレッドソックスで記録したOPS.786以来の高水準だった。彼の選球眼は安定しており、2024年の「チェイス率」(ボール球を振る割合)は26.4%、空振り率(19.6%)も平均以上の数値だった。また、平均打球速度は90マイル(約145 km/h)弱で、リーグ平均を上回っている。それでも、2024年の打率は.229、出塁率は.281にとどまった。
守備面では非常に高いユーティリティ性を誇る。2024年はドジャースで一塁(18試合)、二塁(10試合)、三塁(71試合)、遊撃(9試合)、左翼(15試合)、中堅(11試合)と、ほぼすべてのポジションでプレーした。さらに、大差のついた試合では救援登板も4回経験している。通算成績では、内外野のすべてのポジションで43試合以上出場した経験がある。
ドジャースは今オフ、2000年以来達成されていないワールドシリーズ連覇を目指し、強力かつ層の厚いチームを作り上げてきた。ヘルナンデスのようなユーティリティプレーヤーの復帰も、その一環といえるだろう。
ソニア・チェン:MLB.comドジャース担当
引用元:mlb.com