アレックス・ブレグマンは今年のFA市場で最も優れた三塁手とされており、30歳の2度のワールドシリーズ優勝経験を持つ彼を獲得するため、多くの球団が競うと予想されています。最近では、特に3つのチームがブレグマンに興味を示しているとの噂があります。その中でも最も明白なのは、彼がキャリア全体を過ごしてきたヒューストンです。他にはデトロイトとフィラデルフィアも候補として挙がっています。MLB.comの担当記者たちは、各チームのメリットとデメリットについて議論しました。
ブレグマンの契約予測と見通し
なぜブレグマンが最適な選択肢なのか…
アストロズの場合：
過去10年間のヒューストンの成功を支えた選手の中で、ホセ・アルトゥーベに次いで最も人気のある選手と言えるでしょう。さらに、彼の妻はヒューストン出身であり、テキサスで生活の基盤を築いています。ブレグマン自身も今シーズン終了時に、アストロズに残りたい意向を示しており、2015年のドラフトでLSUから全体2位指名を受けたチームに対する愛着を語っています。
アストロズは、過去8年間で7回ア・リーグ西地区を制覇し、2017年以降4回ワールドシリーズに進出しているように、依然として「今すぐ勝つ」モードにあります。そして、勝利はブレグマンがプロ入りして以来慣れ親しんだものです。彼のメジャーリーグでの最初の7シーズン全てでチームはリーグ優勝決定シリーズ（ALCS）に進出し、昨シーズン初めてその流れが途切れました。
シーズン終了後、アルトゥーベはブレグマンをヒューストンに留めるようアストロズに熱心に訴え、オーナーのジム・クレインもその言葉が意味を持つと後に認めました。
— ブライアン・マクタガート
タイガースの場合：
デトロイトのロースターと今シーズンを振り返ると、フィールド全体に若い才能が揃い、成長中のチームであることが分かります。ブレグマンは、タイガースが次のステップに進むために必要なベテランリーダーであり、実績ある勝者です。また、シーズン終盤からプレーオフにかけて左打者に偏ったラインアップをバランスさせる、インパクトのある右打者でもあります。彼の四球を多く選び三振を抑える打撃スタイルは、ストライクゾーンを支配するというタイガースのチーム方針に適合します。そして、三塁での優れた守備力は、ニック・カステヤノスが外野手に転向して以降、不安定だったポジションを安定させることができます。さらに、彼は2017年のワールドシリーズ優勝を含め、タイガースのA.J.ヒンチ監督のもとで4年間ヒューストンでプレーしていました。
— ジェイソン・ベック
フィリーズの場合：
フィリーズは、ここ2回のポストシーズンでの期待外れの結果を受けて、ロースターを一新しようとしています。野球運営部門の社長デーブ・ドンブロウスキーはトレードが行われる可能性を示唆しており、オールスター三塁手アレック・ボームほど価値のあるトレード候補選手はおそらくいません。もしフィリーズがボームの見返りに十分な補強を獲得できた場合、代わりの選手が必要になります。その役割を担うのにブレグマン以上の選手がいるでしょうか？
— トッド・ゾレッキ
各チームがブレグマンに提示する「売り文句」は？
タイガース：
ブレグマンは、若手が成長中のチームでヒンチ監督の下でプレーして成功を収めた経験があります。それを再び、今度は勝利を狙えるチームのベテランとして再現してみてはどうでしょうか？もう一度新進気鋭の若いチームを栄光に導くことは、彼のキャリアの履歴書に大きなプラスとなるでしょう。コメリカ・パークにはクロフォード・ボックスはありませんが、スペンサー・トーケルソンやマット・ヴィアリングが示したように、ここ数年で右打者にとっても十分フェアな球場であることが証明されています。ブレグマンがキャリア初期に記録した二塁打の数字を再現するのにぴったりな場所です。そして、ミシガン州は夏の釣りに最高の場所です。
— ベック
アストロズ：
ブレグマンは来シーズン開始時に31歳となるため、6年または7年の契約延長を結べば、彼はおそらくヒューストンでキャリアを終えることになるでしょう。アルトゥーベは昨シーズン前に契約を延長し、39歳までヒューストンにとどまる予定です。同様に、ブレグマンもアストロズと再契約することで「生涯アストロズ」の一員となる可能性があります。アルトゥーベはブレグマンの残留を切望しており、この2人はヒューストンの黄金時代の象徴としてキャリアを終えることができるでしょう。ちょうどジェフ・バグウェルとクレイグ・ビジオが、1997年から2005年（1997-99年、2001年、2004-05年）に6回プレーオフに進出した時代のアストロズの顔であったように。
— マクタガート
フィリーズ：
フィリーズは過去3年間で野球界でもトップクラスのチームの一つであり、フィリーズの経営パートナーであるジョン・ミドルトンは何よりもワールドシリーズのトロフィーを望んでいます。さらに、ブライス・ハーパー、トレイ・ターナー、ザック・ウィーラー、アーロン・ノラなどのスター選手が今後数シーズンにわたって契約下にあるため、彼らが挑戦を止めることはないでしょう。
— ゾレッキ
ブレグマンの契約を妨げる最大の障害は？
アストロズ：
簡単に言えば、「資金」です。ジム・クレインはFA選手に長期契約を提示することに懐疑的であり、そのため過去にジョージ・スプリンガー、ゲリット・コール、カルロス・コレアといった選手たちを手放してきました。それでもアストロズが高いレベルで勝ち続けていることから、この戦略が正しいことが証明されています。クレインがFA選手に保証した最長契約は5年であり、これまでに提示した最大の契約は2018年にアルトゥーベが受け取った1億5100万ドルの延長契約です。
ブレグマンとの契約の基準となるのは、同じスコット・ボラスのクライアントである三塁手マット・チャップマンがジャイアンツと結んだ6年1億5100万ドルの契約かもしれません。いずれにせよ、ブレグマンをヒューストンに留めるためには、球団記録となる契約が必要になるでしょう。
— マクタガート
タイガース：
ブレグマンがチームにとってフィールド上で適しているのは明白ですが、財政面での適合は別の問題です。タイガースはこれまで入札合戦に参加するタイプのチームではありませんでした。故マイク・イリッチ元オーナーの時代でさえ、タイガースは評価されていない選手や見落とされがちなFA選手（プッジ・ロドリゲス、マグリオ・オルドニェス、ケニー・ロジャースなど）を見つけることに力を入れており、人気のある才能に対して他球団を上回る金額を提示することは少なかったのです。
現在デトロイトにはかなりの予算余裕がありますが、タイガースはちょうど老朽化が進んだ長期契約（ミゲル・カブレラ）から解放されたばかりで、さらにハビエル・バエズとの契約があと3年間残っています。野球運営部門の社長スコット・ハリスは、デトロイトでも以前のジャイアンツでのGM時代でも、短期契約や長期的な柔軟性を重視してきました。ブレグマンを獲得するためにどれだけ契約条件を拡大するかを慎重に検討する必要があるでしょう。
— ベック
フィリーズ：
フィリーズは、今年3段階目のぜいたく税の閾値を確実に超える見込みです。4段階目に踏み込むのは避けたいところですが、ブレグマンと契約すればそれは避けられなくなるでしょう。ブレグマンが年俸3000万ドルの選手になる可能性があるとの憶測がありますが、「アスレチック」のケン・ローゼンタールは最近、ブレグマンがマニー・マチャドの11年3億5000万ドルの契約に匹敵する契約を求めている可能性があると書いています。その場合、フィリーズはハーパー、ターナー、ブレグマンという3人の3億ドル選手に加え、今年4200万ドルを受け取るザック・ウィーラーを抱えることが本当に可能なのでしょうか？
— ゾレッキ
引用元：mlb.com
