ピッチャーパワーランキングに新たな1位が誕生!

ハンター・グリーン ローガン・ギルバート ポール・スキーンズ MLB

【現在MLBで最も優れた先発投手は誰か?】

一見すると簡単な問いに思えるかもしれないが、実際には非常に複雑な問題だ。
キャリア全体の実績はどれほど評価すべきか?
2024年シーズンの成績は、2025年に入ってからどれだけ考慮されるべきか?
そして直近数試合のパフォーマンスは、どれほど重視されるべきなのか?

明確な答えはないが、MLB.comの「先発投手パワーランキング」では、これらの要素をデータチームが設計した独自の指標で数値化し、総合的に評価している。このランキングでは、

  • 直近のパフォーマンス
  • 2025年シーズン全体の成績
  • 過去365日間の成績
    の3つを重み付けして反映しており、特に「最近のパフォーマンス」に最も重点を置いている。野球というスポーツは、状況が一瞬で変わるからだ。

それでは、2025年シーズンの第1回・先発投手パワーランキングを見ていこう。

目次

🥇1位:ハンター・グリーン(レッズ)

高校時代にドラフト全体2位で指名されてから8年、25歳となったグリーンは、ついに長年の期待に応える存在となった。
2022〜2023年は浮き沈みがあったものの、2024年には防御率2.75(26先発)を記録し、ナ・リーグのサイ・ヤング賞投票で8位にランクイン。

そして2025年のスタートは、さらに圧巻。4月7日(月)のサンフランシスコ戦では、完封まであと1アウトに迫る快投を披露。

現時点での主な成績は以下の通り:

  • 防御率:1.31
  • 奪三振-与四球:23-3
  • 被打率:.139

長らく「未来のエース」と称された男が、ついに“本物のエース”として君臨し始めている。


🥈2位:ローガン・ギルバート(マリナーズ)

昨季、MLBで最多投球回(208回2/3)とWHIP(0.89)を記録したのは、タリク・スクーバルでも、ポール・スキーンズでも、クリス・セールでも、ザック・ウィーラーでもなかった。
それを達成したのは、ローガン・ギルバートだった。

身長6フィート6インチ(約198cm)の長身右腕は、2024年のパフォーマンスを維持するどころか、2025年はさらにレベルアップしている。開幕から3試合すべてで圧巻の投球を披露しており、その進化の鍵となっているのが――

👉 異常なほどキレのあるスプリッター

もちろん、ホーム球場であるシアトルのT-モバイル・パーク(投手有利な球場)での登板が続いていることも多少の追い風になっているが、それを差し引いても文句なしのエース格だ。


🥉3位:ポール・スキーンズ(パイレーツ)

メジャーデビューからまだ1年も経っていないポール・スキーンズだが、すでに「完全なエース」としての地位を確立していることは疑いようがない。だからこそ――

👉 カージナルスに自己ワーストの5失点(すべて自責)を喫した火曜日の試合は、本当に“衝撃的”だった。

とはいえ、それは“たまたま”と考えるのが妥当だろう。

メジャー初登板からここまでの通算26試合で、

  • 12勝4敗
  • 防御率2.14(ERA+198)
  • 151回1/3で190奪三振

という圧巻の成績を残しており、まだまだ彼の物語は始まったばかりだ。


4位:タリク・スクーバル(タイガース)

昨年のア・リーグ サイ・ヤング賞受賞者スクーバルは、2025年序盤はやや本来の圧倒感を欠いていた。

  • 初登板から2試合で、自責点7・出塁許16・被本塁打3
    と苦しい内容だったが──

火曜日の登板では見事に復調。

極寒のコメリカ・パークでヤンキース打線をシャットアウトし、6回無失点・6奪三振・無四球の快投を見せた。
氷のような寒さの中、まさに氷のような冷静さで圧倒した内容だった。


5位:ローガン・ウェブ(ジャイアンツ)

ウェブが月曜にレッズ戦で見せた無失点・10奪三振の快投は、2022年以降で7イニング以上を投げた通算42試合目。

これはその期間中メジャー最多であり、次点の投手ですらまだ7試合差がある。

2025年も例年通りの持ち味──
ゴロの山を築き、四球を出さずにテンポよくアウトを稼ぐ──を発揮しているだけでなく、今季は19イニングで21奪三振と、例年を上回るペースで三振も奪っている。

制球力と安定感に加え、奪三振力もアップしたウェブは、まさにリーグ屈指の「試合を作る男」だ。


6位:フランバー・バルデス(アストロズ)

今季終了後にFA市場の目玉となる注目左腕、バルデスは、2025年シーズンの立ち上がりから好調な滑り出しを見せている。

ここまでの3登板中2試合で6回無失点と、安定感は抜群。そして何より特筆すべきは彼の武器であるカーブの存在。

2025年はこのカーブの使用率をキャリア最高の36.4%まで引き上げており、対戦打者はこれに対してわずか1安打(1-for-24, 打率.042)しか打てていない。しかも17奪三振と、まさに打者をねじ伏せる圧倒的な決め球となっている。

エース級のパフォーマンスとともに、今オフの大型契約へ向けて株価上昇中の1人だ。


7位:ザック・ウィーラー(フィリーズ)

火曜日のブレーブス戦では珍しく打ち込まれたウィーラーだが、それまでは2025年の最初の2登板でわずか2失点、18奪三振と、いつも通りの安定したパフォーマンスを見せていた。

フィリーズでの在籍も今季で6年目に突入。この間の通算 ERA+は141 を誇り、これはフィリーズの球団史で100先発以上した投手の中で最高(※1907年にデビューしたジョージ・マクウィラン以来)という驚異的な数字だ。

34歳となってもなお、フィラデルフィアのエース格としてローテーションの柱を担い続けている。


8位:コール・ラガンズ(ロイヤルズ)

2023年のアロルディス・チャップマンとのトレードでレンジャーズから加入して以来、ロイヤルズでの47先発で防御率2.99、336奪三振と圧巻の成績を残してきたラガンズ。昨年は ア・リーグのサイ・ヤング賞投票で4位 に入るなど、一気にトップクラスの投手として名を上げた。

2025年も開幕から好調で、開幕戦のガーディアンズ戦ではまずまずの内容を披露し、その後は2試合連続で2桁奪三振&1失点以下の好投。
特に火曜日のツインズ戦での快投は、安定感と支配力の両立を示すもので、今季も引き続き目が離せない存在となっている。


9位:今永昇太(カブス)

今永は、30歳でメジャーデビューを果たしたルーキーながら、初年度から旋風を巻き起こし、2024年のナ・リーグサイ・ヤング賞投票で5位にランクイン。

2025年もその勢いは止まらず、開幕から3先発でわずか1失点と圧巻のスタートを見せた。水曜日のレンジャーズ戦ではやや苦しんだものの、それでも通算防御率は2.88(33先発時点)と、依然としてリーグ屈指の安定感を誇っている。

「2年目のジンクス」をものともせず、今永は着実に“本物のエース”としての地位を確立しつつある。


10位:スペンサー・シュウェレンバック(ブレーブス)

2024年にデビューした注目の若手スターターで、デビュー年は21先発で防御率3.35、奪三振と四球の比率は5.5対1と、24歳とは思えない安定感を示したシュウェレンバック。

そして2025年はさらにギアを上げ、開幕から2試合連続で無失点と絶好のスタート。特に4月4日のマーリンズ戦では、被安打2、四球0、10奪三振の快投を見せ、今季の飛躍を強く印象づけた。

木曜日にはフィリーズとの対戦が控えているが、昨年の成績(3先発で2勝、防御率2.45)を見る限り、この試練も難なくクリアする可能性が高い。ブレーブスにまたひとり、本格派エース候補が加わりつつある。


惜しくもトップ10入りを逃した投手たち:

  • ギャレット・クロシェ(レッドソックス)
  • ヘスス・ルサルド(フィリーズ)
  • ネイサン・イオバルディ(レンジャーズ)
  • ブライアン・ウー(マリナーズ)
  • ドリュー・ラスムッセン(レイズ)
  • フレディ・ペラルタ(ブルワーズ)

いずれも今季これまでに強烈な印象を残している投手陣で、次回のランキングでトップ10入りする可能性は十分。特にクロシェやウーのような若手は、次世代エース候補として注目されている。

アンドリュー・サイモン:MLB.com 編集・ライター
引用元:mlb.com

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