アーロン・ジャッジをヒッターパワーランキングの頂点から引きずり下ろせる選手は現れるのでしょうか?
2025年シーズン、これまでのところ誰にもその兆しは見えません――ジャッジは今年のランキングで5回連続の1位に輝いており、しかもその座を脅かされる気配すらありません。しかし、アメリカ北西部から急上昇してきているスラッガーが、その牙城を崩すべく挑戦を続けています。
いつものように、ヒッターパワーランキングはMLB.comのデータチームが構築したフォーミュラに基づいています。このランキングは、選手の「直近のパフォーマンス」「今季全体のパフォーマンス」「過去365日間のパフォーマンス」の3項目を評価しており、特に前者2つに重きを置いています。
以下が最新のヒッターパワーランキングです(すべての成績は火曜日の試合終了時点のもの)。
1位 アーロン・ジャッジ(ヤンキース)※前回も1位
ジャッジは、このランキングで他の選手に付け入る隙を一切与えていません。たとえば、2025年シーズンの彼の成績を10試合ごとに区切って見てみると、それぞれのOPSは以下の通りです:1.276、1.187、1.229、1.380、1.105、1.220、そして直近5試合では1.618。
つまり、今季のジャッジは一度もスランプに陥っておらず、常に「圧巻」と言えるパフォーマンスを維持しているのです。
2位 カル・ローリー(マリナーズ)※前回7位
それでも、今季メジャーで本塁打数トップに立っているのはジャッジではありません。その座を占めているのは、オールスター経験のないスイッチヒッターの捕手――しかも、打者にとって最も厳しい球場の一つでスイングを振るう選手です。
誤解しないでください。ローリーは2025年以前から優れた選手であり、過去2年連続でMVP投票で票を獲得していました。しかし、彼は2025年に入り、まったく別次元の活躍を見せています。今季すでに26本塁打を放ち、長打率は.632。直近13試合では9本塁打、長打率.830と驚異的な成績を記録しています。
とはいえ、野球で最も肉体的に負担の大きいポジションである捕手として、果たしてこのハイレベルな打撃をシーズンを通じて維持できるのでしょうか?
3位 ホセ・ラミレス(ガーディアンズ)※前回4位
ラミレスは今季で32歳。開幕から32試合で打率.265/出塁率.318/長打率.436という控えめなスラッシュラインを記録したとき、「ついに衰えの兆しか?」と思った人もいたでしょう。
…が、それは早計でした。
その後の32試合では、打率.395/出塁率.460/長打率.653、7本塁打、11盗塁と圧巻の成績。ガーディアンズの主軸として、7度目のオールスター出場へ突き進んでいます。
4位 ピート・アロンソ(メッツ)※前回圏外
2025年の序盤は絶好調だったアロンソですが、5月後半の22試合では打率不振(OPS.570、2本塁打、10打点)に陥り、一時“冬眠”状態に。しかし、6月に入ってからは完全復活。9試合でOPS1.337、6本塁打、19打点と再び破壊力全開の打棒を見せています。
現在、メジャー全体の打点王(62打点)であり、先日にはキャリア通算243本塁打に到達。これはメッツ球団歴代2位で、ダリル・ストロベリー(252本)に次ぐ記録です。
5位 大谷翔平(ドジャース)※前回2位
大谷にしては、6月最初の10試合で打率.256/出塁率.333/長打率.385、本塁打1本、盗塁0というのは「大スランプ」と言っていいかもしれません。
…とはいえ、もちろんパニックになる必要はありません。
現地水曜日の時点で、彼は依然としてナ・リーグトップの長打率(.625)、OPS(1.011)、本塁打(23本)、塁打数(165)、得点(67)を記録しています。
そして何より、今夏の投手復帰に向けて調整中という事実も忘れてはなりません。
6位 フレディ・フリーマン(ドジャース)※前回3位
多くの選手が30代でパフォーマンスを落とす中、フリーマンは「加齢曲線」などどこ吹く風。20代後半6年間でOPS+143を記録した彼は、30代前半の6年間でさらにそれを上回るOPS+155を維持しています。
今季も打撃好調で、ナ・リーグトップの打率.349をマーク中。通算打率.301の打撃職人にとって、念願の首位打者タイトル獲得のチャンスがいよいよ現実味を帯びてきました。
7位 マニー・マチャド(パドレス)※前回9位
マチャドは3・4月に打率.279、OPS.759とまずまずのスタートでしたが、5月に入って打率.340、OPS.954と急上昇。そして本番は6月。6月のここまで打率.415、OPS1.176という驚異的な数字を叩き出しており、5度のマルチ安打、4本塁打、14打点を記録。そのうち5打点は現地火曜日のドジャース戦大勝でのものです。現在、ナ・リーグ最多の81安打を放ち、打率.325は自己ベスト更新中です。
8位 ジェイコブ・ウィルソン(アスレチックス)※初ランクイン
アスレチックスの新人ウィルソンは、満を持して初のパワーランキング入りを果たしました。23歳の彼は、バットスピード・ハードヒット率・バレル率・追いかけ率・四球率のいずれもリーグ下位に位置しているにもかかわらず、打率.366という驚異の成績(ジャッジに次ぐMLB2位)を記録しています。その秘訣は、ほとんど空振りも三振もしないという“職人芸”のような打撃です。
9位 ケテル・マルテ(Dバックス)※初ランクイン
4月初旬に左ハムストリングの故障で23試合を欠場したのは痛手でしたが、復帰後のマルテは見事に活躍中。昨季も好成績を残した彼は、今季も打率.292/出塁率.420/長打率.583とハイパフォーマンスを継続。特に6月は、打率.355/出塁率.512/長打率.742、本塁打4本と絶好調です。昨年から数えると、二塁手としては最多の48本塁打を放っており、他選手より14本も多い圧倒的な存在感を見せています。
10位 フアン・ソト(メッツ)※初ランクイン
ついにこの男が戻ってきました。シーズン序盤、5月28日時点では4試合連続ノーヒットを含め、打率.224/出塁率.352/長打率.393と苦しんでいましたが、慌てる必要はありませんでした。そこから11試合で打率.378/出塁率.549/長打率.784、二塁打3本、本塁打4本、13四球/5三振と完全復活の兆し。たしかに6試合はロッキーズ戦ではあるものの、ソトの選球眼と打球の質は依然としてエリートレベル。数字もすぐに「本来の姿」に戻ってくることでしょう。
次点の候補選手たち:
ラファエル・デバース(レッドソックス)、カイル・シュワーバー(フィリーズ)、ピート・クロウ=アームストロング(カブス)、コービン・キャロル(Dバックス)、ライリー・グリーン(タイガース)、フランシスコ・リンドーア(メッツ)、カイル・タッカー(カブス)、ロナルド・アクーニャJr.(ブレーブス)、ジェレミー・ペーニャ(アストロズ)、アレハンドロ・カーク(ブルージェイズ)
アンドリュー・サイモン:MLB.com編集者兼ライター
引用元:mlb.com