次の殿堂入り候補は誰だ!?

MLB ホール・オブ・フェイム

全米野球記者協会(BBWAA)の2025年殿堂入り投票にノミネートされた28人の選手のうち、火曜日にMLBネットワークで発表された結果で名前を呼ばれたのは、イチロー・鈴木、CC・サバシア、ビリー・ワグナーの3人だった。


この3人は、それぞれ異なる道を経てクーパーズタウンにたどり着いたことを示している。イチローとサバシアは初年度の投票で順調に殿堂入りを果たしたが、ワグナーは10年間の資格期間をフルに使い切った。投票の混雑が解消され、より多くの有権者がワグナーの評価を見直すにつれて、彼の運命は劇的に変化した。ワグナーは2016年の初回投票ではわずか10.5%の得票率(BBWAAによる選出者の中で2番目に低い割合)だったが、最初の4年間はゆっくりとした上昇にとどまり、その後16.7%から82.5%へと大きく伸びた。


2025年の投票で10人の候補者が落選したものの、他の15人は2026年の投票に再び挑むことになる。2026年の投票では、イチローやサバシア級の初年度候補者がいないため、他の選手が票を伸ばすチャンスが広がるだろう。(コール・ハメルズ、ライアン・ブラウン、アレックス・ゴードンなどが初年度候補として注目される。)

2025年の結果を受けて、将来的な殿堂入りに向けて好調な流れに乗っている5人の選手を紹介する。(2025年の得票率が高い順に記載。)

カルロス・ベルトラン

2025年得票率: 70.3%(投票3年目)
2024年からの増加: +13.2ポイント

ベルトランは、2026年の殿堂入りクラスをリードする立場に立ったと言える。2023年に46.5%の得票率で初めて候補入りした後、2年連続で二桁の増加を記録した。

この票の伸びには、ベルトランの成績に対する評価の高まりが影響している可能性がある。彼は通算435本塁打、312盗塁、9度のオールスター選出、新人王受賞、そしてセンター守備でのゴールドグラブ賞3回を誇る。また、かつて有権者の間で懸念されていた2017年アストロズのサイン盗みスキャンダルへの関与についても、投票者の抵抗感が和らいできたのかもしれない。

いずれにせよ、ベルトランは2026年の投票で最有力の復帰候補となり、殿堂入りに必要な75%に手が届く位置につけている。また、初年度から確実に殿堂入りするような候補者がいないことも、彼にとって追い風となるだろう。


アンドリュー・ジョーンズ

2025年得票率: 66.2%(投票8年目)
2024年からの増加: +4.6ポイント

2024年の投票は、ジョーンズにとってやや足踏みとなる結果だった。得票率を伸ばしたものの、その勢いは明らかに鈍化した。センター守備で10度のゴールドグラブ賞を受賞したジョーンズは、2018年にわずか7.3%の得票率で殿堂入り投票に初登場した。仮に最終的に殿堂入りを果たせば、これはBBWAAによる選出者としては最低の初年度得票率となる。しかし、2020年から2023年の4年間でジョーンズの得票率は50ポイント以上も急上昇し、毎年少なくとも7.5ポイントの伸びを記録していた。

ところが2024年にはわずか3.5ポイント増の61.6%にとどまり、勢いが鈍化。しかし2025年の投票では若干の回復を見せた。もし2026年の投票で75%に届かなくても、ビリー・ワグナーのように最終年での選出が現実的なシナリオとなりそうだ。

いずれにせよ、ジョーンズが殿堂入りすれば、キュラソー出身の選手として初の快挙となる。彼の30歳以降の成績が伸び悩み、通算WAR(勝利貢献度)が1.7にとどまっている点はマイナス要素だが、センター守備での卓越した実績と通算434本塁打という成績はBBWAAの投票者にしっかりと評価されつつある。


チェイス・アトリー

2025年得票率: 39.8%(投票2年目)
2024年からの増加: +11.0%

アトリーはその成績から、伝統的な殿堂入り候補とは言えません。通算1,885本のヒット、259本のホームラン、154盗塁など、いずれも派手な数字ではありません。しかし、彼の素晴らしいピーク時のパフォーマンスと全体的な価値は、現代的な視点から非常に説得力のあるもので、アトリーはキャリアWAR(勝利貢献度)で64.5を記録しており、2005年から2010年にかけてはシーズン平均7.6のWARを記録しています。それでも、アトリーのクーパーズタウン入りは、決して速いものにはならなかったでしょう。

初回投票で約30%の得票を得たことは、アトリーにとって非常に励みになりました。この数字は、近年殿堂入りした選手たち、例えばラリー・ウォーカー(20.3%)、マイク・ムシーナ(20.3%)、トッド・ヘルトン(16.5%)、スコット・ローレン(10.2%)と比較しても有利なものです。さらに注目すべきは、アトリーが2年目でかなり多くの「否定」票を「賛成」票に変えたことです。このことから、彼の候補者としての勢いが伺えます。この調子で進めば、来年には50%の得票率を狙う位置に立つことができるでしょう。


アンディ・ペティット

2025年得票率: 27.9%(投票7年目)
2024年からの増加: +14.4%

ペティットは非常に興味深いケースで、最初の6回の投票では殿堂入りに向けた明確な推進力がありませんでした。実際、2023年には17.0%で最高得票を記録しましたが、その後は支持を失ったこともあります。

しかし、今回は状況が変わったようです。元同僚で左投手のサバシアが投票に加わったことが、ペティットの得票にプラスに働いた可能性があります。というのも、両投手はキャリア成績が非常に似ており、サバシアはサイ・ヤング賞を受賞したこともあり、初回投票で選出されましたが、ペティットも誰にも劣らないポストシーズンの実績を持っています。

とはいえ、ペティットはまだ殿堂入りには程遠い状況で、BBWAA投票では残り3回のチャンスしかありません。サバシアが殿堂入りした後、この勢いを2026年に生かすことができるのでしょうか?近年、ラリー・ウォーカー(投票7年目で21.9%)やエドガー・マルティネス(投票6年目で27.0%)のような候補者が、最後の3〜4回の投票で急激に支持を集め、クーパーズタウンに進んだ例もあるため、ペティットも同じように運命が変わる可能性は十分にあります。


フェリックス・ヘルナンデス

2025年得票率: 20.6%(投票1年目)
2024年からの増加: 該当なし

ヘルナンデスに関しては、これは初めての投票機会なので、特にトレンドを追うことはできません。しかし、2024年のアトリーと同様に、ヘルナンデスの投票デビューはポジティブな兆しを示しており、最終的に75%に達する可能性があることを示唆しています。それには時間がかかるかもしれませんが、確かなチャンスがあると言えるでしょう。

アトリーと同じく、ヘルナンデスは野球界で最も優れた選手の一人であり、フランチャイズのアイコンとして愛されましたが、クーパーズタウンにふさわしい成績を収めるには長く続けられなかったという点が関わっています。ヘルナンデスはキャリアで200勝や3000奪三振には到達せず、49.9のキャリアWARも目立つものではありません。(さらに言えば、ポストシーズンに出場したことがないのは彼の責任ではありませんが。)

そのため、ヘルナンデスが投票で5%を集めてバラットに残るかどうかが懸念されていました。しかし、その懸念は杞憂に終わり、先発投手への投票者の態度が変化し、使用パターンにも変化が見られる中で、ヘルナンデスにはその波に乗るチャンスがあると言えます。


アンドリュー・サイモン:MLB.com編集者兼ライター
引用元:mlb.com

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