毎シーズン開幕前に、選手の成績予測をチェックし、注目すべき数字を確認するのが恒例となっています。
今回は2025年版の予測を見ていきましょう。
FanGraphsのSteamer予測をもとに、2025年シーズンに際立った数字を残すと予測されている10人の選手を紹介します。
1) 大谷翔平 (DH/投手, ドジャース)
打撃成績予測: 43本塁打、34盗塁、104打点、OPS .939
投手成績予測: 防御率3.48、141奪三振、奪三振率10.5
予測WAR(総合): 8.1
大谷翔平は、再び二刀流のスーパースターとして復活すると予測されています。
2024年のナ・リーグMVPに輝いた大谷は、キャリア最高の打撃成績を残しましたが、2025年には投手としても復帰する見込みです。
Steamer予測によると、二刀流の大谷はMLBで最も価値のある選手となる見込みです。
予測WAR 8.1(打者として5.6 WAR、投手として2.5 WAR)は、ボビー・ウィットJr.(7.4 WAR)を上回り、リーグ最高の数値です。
また、大谷は2024年に歴史的な50本塁打・50盗塁を達成しましたが、2025年も43本塁打(アーロン・ジャッジに次ぐ2位)、34盗塁が予測されています。
さらに、30本塁打・30盗塁(30-30)を達成すると予測されているのはウィット、ホセ・ラミレス、大谷の3人のみです。
投手としての予測成績も優秀であり、大谷は2025年シーズンもMLBで最も注目される選手の一人となるでしょう。
2) フアン・ソト (外野手, メッツ)
- 35本塁打、出塁率.421、OPS .959
- 四球128、三振112
- wRC+ 169
フアン・ソトのメッツ移籍は、今オフ最大級の話題のひとつでした。
Steamerの予測では、ソトはすぐにナ・リーグ最強の打者になるとされています。
大谷翔平は投打の総合力で最高の選手と見なされていますが、ソトのwRC+(169)はナ・リーグでトップ。
これは、「リーグ平均の打者より約70%優れた打撃」を意味します。
大谷の予測wRC+(156)と比較すると、その差は意外に大きいと言えます。
さらに、ソトはOPSでナ・リーグ1位、MLB全体で四球数と出塁率のリーダーになると予測されています。
毎年のように「四球数>三振数」を記録しており、これはほとんどの打者には見られない特徴ですが、ソトにとってはお馴染みのスタイルです。
2025年も、卓越した選球眼と打撃力で、メッツ打線の中心として活躍が期待されます。
3) ポール・スキーンズ (先発投手, パイレーツ)
- 188投球回、ERA 2.80、奪三振242
- 奪三振率11.6 K/9、奪三振率31.9%
- WAR 5.8
2025年、スキーンズの支配的な投球が続くと予測されています。
Steamerは、スキーンズを今季MLBで最も価値のある投手(WAR 5.8)と評価しています。
さらに、MLBの防御率タイトル(2.80)と奪三振王(242奪三振)の両方を獲得する可能性が高いと予測。
昨年は、ア・リーグでタリク・スクーバル、ナ・リーグでクリス・セールが「ピッチング・トリプルクラウン(最多勝、防御率1位、奪三振1位)」を獲得しましたが、
2025年はスキーンズがその最有力候補になるかもしれません。
4) 佐々木朗希 (先発投手, ドジャース)
- 防御率 3.30、奪三振179
- 奪三振率11.6 K/9、奪三振率31.6%
すでに大きな注目を集める佐々木朗希ですが、MLB1年目から圧倒的な投球を見せると予測されています。
スキーンスと同様に、奪三振率(K/9 11.6)と奪三振率(31.6%)はMLBトップクラスであり、
これはスキーンスの予測数値とほぼ同じです。
Steamerの予測では、わずか139イニング未満で179奪三振を記録するとされ、
MLBにおいても即座に奪三振マシンとなる可能性があります。
5) ジェイコブ・デグロム (先発投手, レンジャーズ)
- 152投球回、ERA 2.86、奪三振206
- 奪三振率12.2 K/9、奪三振率34.2%
- WAR 5.1
デグロムがフルシーズン健康を維持したのは最後に5年前。しかし、Steamerの予測では、依然としてサイ・ヤング級の投手と評価されています。
特に、2025年の予測ではア・リーグ先発投手の中で最高の防御率(2.86)を記録すると見られており、
またMLB全体で最高の奪三振率(12.2 K/9)と奪三振率(34.2%)を誇るとされています。
さらに、2019年以来の200奪三振シーズンとなる206奪三振を記録する可能性があり、
WAR 5.1はア・リーグで最も価値のある投手となる計算です。
これこそが、ファンが待ち望む「本来のデグロム」の姿です。
6) フリオ・ロドリゲス (中堅手, マリナーズ)
- 本塁打30本、盗塁28、wRC+ 135
- WAR 6.1
Steamerの予測によると、ロドリゲスは2025年にMVP級の活躍を取り戻すとされています。
WARの観点では、MLB全体でトップ10の選手となる見込みで、
大谷翔平、ボビー・ウィットJr.、ガナー・ヘンダーソン、アーロン・ジャッジ、フアン・ソトといったスター選手に次ぐ価値を持つと評価されています。
ロドリゲスは2024年にやや不振だったものの、まだ24歳と若く、
MLBでも屈指のパワー&スピードを兼ね備えたスター選手。
予測以上の成績を残せば、30-30シーズン(30本塁打・30盗塁)も十分に視野に入るでしょう。
7) ジャクソン・チョーリオ (外野手, ブリュワーズ)
- 本塁打28本、盗塁27、得点96、wRC+ 119、WAR 3.3
ロドリゲスと同様に、チョーリオも2025年に30-30を達成する可能性があります。
彼は2024年に20歳でMLBデビューし、20本塁打・20盗塁を記録しました。
21歳の今季、さらなる飛躍を遂げることが期待されています。
実際、今季25本塁打・25盗塁以上を予測されている選手はわずか10人しかおらず、
大谷翔平、ボビー・ウィットJr.、ホセ・ラミレス、フリオ・ロドリゲス、ジャズ・チザムJr.、ルイス・ロバートJr.、ロナルド・アクーニャJr.、エリー・デ・ラ・クルーズ、コービン・キャロルというスター選手と肩を並べています。
8) マーク・ビエントス (三塁手, メッツ)
- 本塁打34本、打点96、wRC+ 120
もしピート・アロンゾがメッツを退団すれば、チームの長打力を支える選手が必要となります。
その候補として、ビエントスが本命となるかもしれません。
彼は2024年に27本塁打を放ち、さらにプレーオフで5本塁打を記録。
Steamerの予測によると、2025年はさらに進化し、本塁打34本(MLB全体でトップ10相当)& 打点96を記録すると見られています。
この成績なら、25歳のビエントスはメッツの中軸打者として、フアン・ソトやフランシスコ・リンドーアと並ぶ存在になれるでしょう。
9) マックス・フリード (先発投手, ヤンキース)
- 投球回数173イニング、防御率3.36、奪三振165、WAR 3.3
ヤンキースの先発ローテーションにはすでにゲリット・コール、カルロス・ロドン、ルイス・ヒルがいますが、今オフ最大の補強となったフリードが、チームで最も価値のある投手になると予測されています。
Steamerの予測では、フリードは非常に安定した先発投手として活躍し、三振数ではコールやロドンに及ばないものの、防御率はヤンキースの先発陣で最も低いと見られています。
この補強により、ヤンキースはMLBでも屈指の強力なローテーションを形成したと言えるでしょう。
10) フェリックス・バウティスタ (リリーフ投手, オリオールズ)
- セーブ26、防御率2.76、奪三振90、奪三振率13.1 K/9、奪三振率35.9%
“ザ・マウンテン” の異名を持つバウティスタを欠いたオリオールズのブルペンは、これまで本来の強さを発揮できていませんでした。
しかし、2025年に最強クローザーが復帰し、Steamerの予測ではすぐにトップフォームを取り戻すと見られています。
バウティスタの予測成績は防御率2.76、奪三振90、セーブ26と圧倒的な数字で、奪三振率13.1 K/9、奪三振率35.9% はMLB全体で2位の数値 (1位はメイソン・ミラー)。
さらに、シーズン90奪三振以上を記録する見込みのリリーフ投手は9人しかいないため、バウティスタが本来の力を発揮できれば、オリオールズのポストシーズン進出に大きく貢献することになるでしょう。
デイビッド・アドラー:mlb.com記者
引用元:mlb.com