ポートシャーロット(フロリダ州)――メッツのピッチングプロスペクト、ブレイド・ティドウェルが土曜日の午後、2イニング目を投げ終えてマウンドを降りたとき、彼はまったく気づいていなかった。
彼はレイズの打者3人を連続三振に仕留めたことを知っていたし、全体的に良いピッチングができたと満足していた。実際、彼は対戦した6人の打者のうち5人を三振に抑えていた。しかし、自分が成し遂げた快挙については、コーチやチームメートから「ストライクゾーンをしっかり攻めたな」と言われたこと以外、何も気づいていなかった。
実際のところ、ティッドウェルは完璧な投球を見せた。MLBパイプラインによると、2024年末時点でメッツのプロスペクトランキング8位にランクされていたティッドウェルは、メッツがレイズを10-1で下したスプリングトレーニングの試合で、2回に「イマキュレート・イニング(9球9ストライクで3者連続三振)」を達成した。
「良かったよ。調子も良かった」とティッドウェルは語った。「戻ってくるまで、自分がそれをやったことに気づかなかったんだ。」
ティッドウェルは、三者連続三振を達成したことを、ベンチに戻ってからSNSをチェックして初めて知ったという。高校時代に一度経験したことがあるものの、「あれはカウントしないよね」と笑いながら話した。
Blade Tidwell of the @Mets turns in a #SpringTraining ✨immaculate✨ inning! pic.twitter.com/bJsgiOThx7
— MLB (@MLB) March 1, 2025
ビッグリーガー相手に達成するのは、また違った感覚だった。特に、この日レイズは比較的主力に近いラインナップを組んでいた。ティドウェルに対してボールを前に飛ばせた唯一の打者は、先頭打者のヤンディ・ディアス。1回にはブランドン・ラウとクリストファー・モレルを見逃し三振に仕留めた。
そして2回、ティドウェルはわずか9球で3つの三振を奪い、ジョシュ・ロウ、エロイ・ヒメネス、ホセ・カバジェロを打ち取った。
「ビッグリーグのチーム相手に、自分がどれだけ通用するか試してみたかった。楽しくもあり、チャレンジでもあると思っていたけど、結局その両方になったよ」とティドウェルは語った。
Strong stuff from @bladetid today 💪 pic.twitter.com/4dkF3B0SgG
— Mets Player Development (@MetsPlayerDev) March 1, 2025
身長6フィート4インチ(約193cm)のティドウェルは圧倒的な球威を持つが、マイナーリーグでの成績は安定していなかった。 その主な要因は、制球のばらつきによる高い四球率 だった。昨シーズンはダブルAのビンガムトンとトリプルAのシラキュースでプレーし、対戦した打者の22.6%を三振に仕留めたが、12%に四球を与えていた。
この課題を克服するために、ティドウェルは球種を5つに絞った。
「フォーシーム・ファストボール、ツーシーム、ジャイロ(バレットスピン)スライダー、スウィーパー、チェンジアップの5球種です」と彼は説明する。
「9種類の平凡な球を持つよりも、5種類の球を完璧に操れるほうがいい、ということです」と彼は付け加えた。
ティドウェルは土曜日の試合でこの5球種をすべて駆使し、第2回の3奪三振をそれぞれ異なる球種で決めた。
これはまさに、カウントを有利に進めたときの彼の実力を示す完璧(イマキュレート)な実例だった。
・ジョシュ・ロウには、2球連続で見逃しストライクを取った後、ジャイロスライダーで仕留めた。
・ベテランのエロイ・ヒメネスには、カウントを先行させた後、99mph(約159km/h)の高め外角のフォーシームで空振り三振を奪った。
・ホセ・カバジェロには、2球の見逃しストライクを取った後、スウィーパーで見逃し三振を奪った。
「特にあのレベルの打者たちを相手にできたのは良かった」 とメンドーサ監督は語った。「我々が彼に教えようとしていることのいくつかを実践できていたし、実際に経験することができたのは大きい」。
ティドウェル自身は、メッツの首脳陣にアピールすることを気にしていないという。 彼はチームのアドバイス通り、「波に乗るだけ」のつもりで、おそらくトリプルAで始まるであろう今季に向けて準備を進めている。
しかし、スプロートやクリスチャン・スコットとメジャーのローテーションを組む日が来るかもしれない、という夢は頭をよぎる。昨年、スコットがメジャー昇格を果たしたときも、その過程を興味深く見守っていた。
「当然、それが目標であり夢でもある。だから、自分が制球さえしっかりできれば、最高レベルの投手たちと肩を並べられると思っている」 とティドウェルは語った。「それを毎日コツコツと積み上げていくだけさ」。
アダム・ベリー:MLB.comレイズ担当
引用元:mlb.com