パドレス・ダルビッシュ有 肘の炎症で負傷者リスト入りへ

ピオリア(アリゾナ州)発 — パドレスの右腕、ダルビッシュ有は右肘の炎症によりシーズン開幕戦を欠場することが決まりました。これは3月13日の登板後にダルビッシュが投球を中止して以来、予想されていたことであり、金曜日にマイク・シルト監督が正式に発表しました。

ダルビッシュはその後、2度キャッチボールを行っていましたが、チームは将来を見据えて、再び彼の投球プログラムを中断する決断を下しました。シルト監督は復帰の具体的な時期には触れませんでしたが、「休養を取り、再び状態を上げていけば回復できるという手応えはある」と述べました。


目次

◆ ダルビッシュの離脱が意味するもの

先発投手陣の層が開幕から試される

これまで先発ローテーションの残り1枠を巡っていた競争は、2枠を巡る争いへと変わりました。

現在その争いに残っているのは、カイル・ハート、スティーブン・コレク、ランディ・バスケスの3人です。3人とも、今後1試合ずつのカクタスリーグ登板が予定されています。

ナックルボーラーのマット・ウォルドロンは、左脇腹の筋挫傷(腹斜筋の損傷)により、開幕後もしばらく戦線離脱となるため、先発争いから外れました。また、キャンプ序盤には争いに加わっていたジョニー・ブリトーも、現在はロングリリーフ要員として調整されており、金曜日にはシルト監督から「ブリトーも肘の張りを抱えており、投球練習を一時中断している」との発表がありました。

その結果、ハート、コレク、バスケスの3人が、マイケル・キング、ディラン・シーズ、ニック・ピベッタに続く先発ローテーションの残り2枠を争う形となっています。


「最後の1枠を争っていた3人にとっては、もう1つ枠が空いたことでチャンスが広がりました」とシルト監督は語りました。「全員が自分を良い状態に持っていくために本当に努力してきました。厳しい決断を下すまでには、まだ数日あります。」

ダルビッシュの今後の見通し

ダルビッシュの開幕欠場は理想的ではありませんが、シーズン中に離脱期間が発生する可能性は事前に想定されていたことでもあります。今夏39歳を迎えるダルビッシュに対し、パドレスは全登板機会に出場することを最初から期待していたわけではありません。

「どんなに計画を立てても…物事は常に順調に進むわけではない」とシルト監督。「ユウには小さな後退がありましたが、今後の状況を見ながら判断していきます。」

ダルビッシュは2023年シーズン開幕前に6年契約延長を結びましたが、その後の2シーズンでは平均して年間20試合程度の登板にとどまっています。パドレスは公式には口にしないものの、今季も同程度の登板数を想定していたとみられます。

2023年は右肘の骨棘(こっきょく:骨の突起)によりシーズンを早期終了。2024年も背中、首、肘の不調に悩まされ、さらに私的な事情により一時的に制限リスト入りし、数カ月離脱していました。

それでも、チームが最も必要とした場面でダルビッシュは本領を発揮しました。シーズン終盤では好投を見せ、ナ・リーグ地区シリーズ(NLDS)のドジャース戦では圧巻の投球を披露。

仮に、シーズン序盤に数試合を欠場することが、9月・10月に全盛期のダルビッシュを手に入れるための代償であるならば、パドレスはそれを喜んで受け入れるはずです。


負傷者がリリーフ争いに影響

現在メジャーキャンプに参加しているパドレスの投手は23人ですが、そのうち6人が開幕時に故障者リスト(IL)入りする見込みです。ダルビッシュ有、マット・ウォルドロン、ジョニー・ブリトー、ジョー・マスグローブ(トミー・ジョン手術)、ブライアン・ホーイング(右肩の痛み)、ショーン・レイノルズ(右足の疲労骨折反応)らです。

つまり、17人の投手が開幕ロースター13枠を争う形となっています。

先発ローテーション2枠のほか、ホーイングとレイノルズの離脱によりブルペン枠も2つ空いています。その1枠は、この春絶好調のアレク・ジェイコブが有力と見られています。

シルト監督は以前、ブルペン最後の1枠はローテーション争いから漏れた先発候補に与えられると話していましたが、先発陣の故障が相次いだことで、その可能性は低くなっています。パドレスは、第6の先発候補をトリプルAエルパソに送り、いざという時の控えとして準備させる方向と見られます。

「断言はできないが、ブルペン終盤の役割を争っている選手もいるし、ある程度イニングを稼げる投手を求めている」とシルト監督。「確定的なことは言えないが、第4、第5先発をつかんだ2人のうち、漏れた1人はエルパソで先発として準備し、備えることになるだろう」と述べました。

AJ・カッサヴェル:MLB.comパドレス担当
引用元:mlb.com

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次