ヒューストン発 ― ジョー・エスパーダがメジャーリーグの監督を目指していた頃、いつか選手にメジャー昇格を伝えるその瞬間を特別なものにしたいと夢見ていた。
「いつも思ってたんだ。もし誰かが『ジョー、君はメジャーに昇格だ』って言ってくれたら、最初に誰に電話するかって。僕は『母さん、父さん、家族だ』って答えるよ」と、エスパーダは球団のX(旧Twitter)アカウントに投稿された動画で語った。「リトルリーグ、トラベルボール、いい日も悪い日も、ずっとそばにいてくれた人たちとこの瞬間を分かち合いたいんだ。」
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— Houston Astros (@astros) March 25, 2025
火曜日、アストロズの2年目の監督としてチームの前に立ったジョー・エスパーダは、携帯電話を取り出し、特別な発表をするために誰かを呼び出した。
エスパーダが電話をしていると、アストロズのクラブハウスの壁の後ろから現れたのは、チームのトッププロスペクトであるキャム・スミスの母、ステファニー・ホクザだった。
ロッカーに座っていたスミスは、その瞬間、涙を流した。彼はすぐに、自分がアストロズの開幕ロースター入りを果たしたことを悟った。数分後、母親と抱き合った後、彼女がそれを正式に伝えた。
「それでキャム、私たちがここにいる理由、わかる?」と、祖母や継父など家族とともに同席したホクザさんが、球団のX公式アカウントに投稿された動画の中で語った。「あなた、ロースター入りしたのよ。」
前日にスミスが「今の自分があるのは母のおかげ」と語っていたこともあり、その母がこの知らせを伝えるというのは、まさにふさわしい演出だった。
「一時期は、家には僕と母だけだったんです」と、涙をこらえながらスミスは語った。「彼女は大変な思いをしながら、僕を野球の試合や練習に連れて行ってくれました。だからこそ、母のためにここまで来られて本当にうれしいです。」
22歳のスミスは、今週木曜日にダイキン・パークでメッツを迎えて開幕する2025年シーズンで、アストロズの先発ライトとして出場する予定だ。
「ここまで来るために、僕を支えてくれた素晴らしい仲間たちがいたと思っています」とスミスは言った。「ずっと実現できる可能性はあると信じていました。こうして今、この話をしているということは、本当に恵まれている証拠ですね。」
火曜日に行われたトリプルAシュガーランドとの試合を終えた後、スミスはスプリングトレーニング用の背番号90のユニフォームを脱ぎ、開幕戦用の新しい背番号11のユニフォームに袖を通すことになる。
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スミスはこのオフシーズンに、カイル・タッカーとのトレードでカブスからアストロズに移籍した注目の若手選手だ。2024年ドラフトでシカゴが全体14位で指名したスミスは、メジャーデビュー前にマイナーリーグでわずか32試合に出場しただけで、MLBパイプラインでは全体58位の有望株にランクされている。
史上最速でドラフトから開幕ロースター入りを果たした選手のひとりとして歴史に名を刻むことになる。
「このチャンスをもらえて本当に感謝しています」とスミスは語った。「まさに夢が叶った瞬間です。いろんな感情が一気にこみ上げてきて、興奮しすぎて息が切れそうなくらいです。」
スミスよりも少ないマイナー/メジャー経験で開幕ロースター入りを果たしたドラフト指名の野手は、過去に2人しかいない。1986年レンジャーズのピート・インカビリア(0試合)と、1990年ブルージェイズのジョン・オルルッド(6試合)だ。
スミスはMLBの育成プログラム「Develops」の出身で、2021年のハンク・アーロン・インビテーショナルにも参加している。ヒューストンでの初のスプリングトレーニングでは打率.342、本塁打4本、打点11という成績を残した。
引用元:mlb.com