トレードデッドラインに向けて複数の球団幹部や関係者が注目するトレード候補選手

サンディ・アルカンタラ トレード MLB

先発投手というのは常にリーグ全体で需要があり、各球団が5日ごとにマウンドを任せられる健康で効果的な投手を常に探し続けている。

そのような投手が非常に貴重であるため、毎年のトレード・デッドラインでは、トレード可能な先発投手が話題の中心になることが多い。

たとえ今季上位を争うチームであっても、もう1人の先発投手の補強は歓迎されるため、7月31日のトレード・デッドライン前に最も大きな名前が動くとしたら誰か?と複数の球団幹部に聞いたところ、最も多く票を集めたのはやはり先発投手だった。

だが、防御率8.42の投手がその筆頭とは?

それが、球団幹部たちがどれほどサンディ・アルカンタラを評価しているかを示している。彼は2022年のナ・リーグのサイ・ヤング賞受賞者であり、2024年をトミー・ジョン手術により全休したのち、今季復帰を果たしている。

アルカンタラの今後の去就を語る前に、幹部たちの投票結果を見てみよう:

  • サンディ・アルカンタラ(12票)
  • ルイス・ロバートJr.(5票)
  • ノーラン・アレナド(1票)
  • フランバー・バルデス(1票)

アルカンタラは今季7試合に先発し、2勝4敗、防御率8.42。31イニングで32安打、18四球を許している。直近4登板中2試合で3回を投げきれず、4月29日のドジャース戦では2回2/3で7失点、4月18日のフィリーズ戦では2回で6失点と打ち込まれた。今季6回まで投げたのはわずか2試合だけだ。

アルカンタラに関して言えば、球速は問題ではない。平均球速97.2マイルの速球は全投手の中で91パーセンタイルに位置している。ゴロ率(49.5%)も76パーセンタイルと高く、これは好材料だ。しかし、他のStatcast指標にはやや不安な点もある。

  • チェイス率(バットがゾーン外の球に手を出した割合):23.4%(15パーセンタイル)
  • 奪三振率:16.2%(15パーセンタイル)
  • 与四球率:12.7%(15パーセンタイル)
  • ハードヒット率(強打された打球の割合):48.5%(11パーセンタイル)
  • 平均打球初速:91.5マイル(11パーセンタイル)

それでも球団幹部たちは、アルカンタラが術後の調整期間を経て調子を取り戻す過程にあることから、序盤の成績にさほど懸念を抱いていないようだ。

「ケガから時間が経つほど、彼は良くなっていくだろう」と、あるア・リーグの幹部は語った。「トレード・デッドライン時点では、あと2年半の契約が残っていることもあり、相応の対価が求められるだろう。」

その契約内容とこれまでの実績こそが、今後シーズンが進むにつれてアルカンタラが魅力的なトレード資産と見なされる理由だ。アルカンタラは2021年11月に5年5600万ドルの契約延長を結び、2026年までの契約となっている。年俸は今年と来年ともに1730万ドルで、2027年には球団側に2100万ドルのオプションがある。


先発投手の年俸が高騰している現状――例えばマーカス・ストローマンは今季1,800万ドルを受け取っている――を考えると、アルカンタラの契約は、彼が近いうちに本来の姿を取り戻すと信じる球団にとって非常に魅力的なものになるだろう。

「サイ・ヤング級の先発投手が市場に出るなんて、そうそうあることじゃない」と、あるナ・リーグの幹部は語った。「彼がかつての状態に戻れば、最終的にワールドシリーズを制するチームに大きな影響を与える可能性がある。」

マーリンズは今季もまた不振のスタートを切っており、14勝22敗で競争の激しいナ・リーグ東地区の最下位に沈んでいる。ワイルドカード枠が3つあるとはいえ、マイアミの成績はナ・リーグ全体で見てもパイレーツとロッキーズに次いで下から数えた方が早く、ポストシーズン進出は極めて厳しい状況にある。

ある対抗球団の幹部は、マーリンズについて「彼をトレードして見返りを得るべきだ」と単刀直入に語った。そして、球団が近年リビルド(再建)路線に入っていることを踏まえれば、今後2か月で状態が上向いてくれば、アルカンタラがトレードされる可能性は十分にある。

「彼はトミー・ジョン手術からの復帰途中で、これからも登板を重ねながら球威やコマンドを取り戻していくだろう」と、あるア・リーグの幹部は話した。「(マーリンズ野球部門代表の)ピーター・ベンディックスは、システムにできるだけ多くの若い才能を加えようとする動機を持っているはずだ。」

「マーリンズに他の選択肢があるとは思えない」と、ナ・リーグの別の幹部は語る。

より重要なのは「トレードされるかどうか」ではなく、「いつトレードされるか」かもしれない。昨年、マーリンズは5月4日にルイス・アラエスをパドレスへトレードし、トレード市場にいち早く動いた。デッドライン前の最終週には、ジャズ・チザムJr.、タナー・スコット、A.J.パック、ジョシュ・ベル、トレバー・ロジャース、ブライアン・デラクルーズと、計6選手を放出し、デッドライン当日に6件のトレードを成立させた。

「もし去年のように早期に動くと考えれば、このコラムが公開される前にすでにアルカンタラがトレードされていてもおかしくない」と、ア・リーグの幹部は語った。

複数の票を得たもう1人の選手は、ホワイトソックスのルイス・ロバートJr.だった。彼はオフシーズン中にトレードされると広く予想されていたが、2024年シーズンは打率やOPSの面で不振に終わり、球団が望む見返りを得られなかった。

昨季は100試合で14本塁打、35打点、OPS.657と期待を下回り、今季も5本塁打、16打点、OPS.642と低調なスタートを切っているが、15盗塁でMLBトップに並び、四球数も多く、守備でも安定したプレーを見せている。

「序盤の成績は控えめだが、潜在能力は今でも一流」と、あるア・リーグ幹部は評価している。「彼はパワー、スピード、中堅守備という希少なスキルを兼ね備えており、優勝争いをしているチームの外野陣を一変させる可能性がある。」

ロバートは2020年1月にホワイトソックスと6年総額5,000万ドルの契約延長を結び、今季の年俸は1,500万ドル。2026年と2027年には2,000万ドルの球団オプションが付いている。彼の年俸は、アンドリュー・ベニンテンディ(今季と来季1,710万ドル、2027年は1,510万ドル)に次いで、チーム内で2番目に高い。

「たしかにスロースタートだが、それでも獲得に関心を示す球団は出てくるはず」と、ナ・リーグの幹部は語る。「ホワイトソックスはこのタイミングで彼をトレードすべきだ。」

マーク・ファインサンド:MLB.com記者
引用元:mlb.com

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