デンバー発 —— 勝利という珍しい瞬間の裏で、ロッキーズのオーナー、ディック・モンフォートは現地日曜日こそが「大きな決断を下すのにふさわしい日」だと判断しました。監督のバド・ブラックが解任されたのです。
三塁コーチのウォーレン・シェイファーが暫定監督として指揮を執ることになり、ベンチコーチのマイク・レッドモンドも同時に解任。代わって、4月17日にヘンスリー・ミューレンスの後任として暫定打撃コーチを務めていたクリント・ハードルが、正式にベンチコーチとして復帰しました。
ブラック監督の最後の試合は、クアーズ・フィールドでのパドレス戦に9-3で勝利し、8連敗を止めた一戦でしたが、ロッキーズはここまで7勝33敗。これはMLB史上最悪の開幕40試合スタート記録にあと1敗という惨状です。直近2年連続で100敗超えのシーズンを記録しており、モンフォート・オーナーはここ数年のパフォーマンスを「容認できない」と断じました。
この「靴が落ちた(大きな出来事が起きた)」という表現にとどまらず、三塁手でチーム在籍最長のライアン・マクマホンは、次のように語りました。
「“蹴り飛ばされた”ようなもんだよ。チームとして今、動きを起こさなきゃいけない状況にいる。何も変えなければ、こういうこと(解任)はまた起こるさ。」
「最終的に責任を負うのは僕たち選手なんだ。バディ(ブラック監督)を少し裏切ってしまったような気持ちもある。だから、これからはギアを上げて、立て直していかなきゃね。」
こうした動きは野球界全体で見れば珍しいことではありませんが、ロッキーズにとっては異例の出来事です。ロッキーズがシーズン中に監督交代を行ったのは、2009年4月下旬に、2007年のワールドシリーズ進出に導いたクリント・ハードルをジム・トレイシーに交代させたとき以来のことでした。その年、チームは実際にポストシーズン進出を果たしました。
しかし、今回のチームにそうした期待がかかっているわけではありません。
ゼネラルマネージャーのビル・シュミットは、「内部での協議」を経て今回の決断に至ったと説明。現地月曜から始まるテキサス遠征に出る前に(つまり敵地ではなくホームで)監督交代を済ませたかったとしています。シュミットは、開幕からの低迷には負傷者の影響もあると認めつつも、「日曜日の試合結果に関係なく」決定していたことを強調しました。ただし、土曜日にパドレスに21対0で大敗した試合が“決定打”だったかどうかは明言を避けました。
バド・ブラックは、2017年シーズンの開幕前にウォルト・ワイスの後任としてロッキーズの監督に就任し、最初の2年間でチームをポストシーズンへと導きました。
しかし、それ以降ロッキーズは勝ち越しシーズンを一度も記録していません。攻撃陣はFA流出やトレードによって崩壊し、2022年にカブスから加入したスター選手クリス・ブライアントの補強も、たび重なるケガにより効果が薄れました。かつての成功を支えた投手陣も、今では故障や不安定な成績に悩まされています。
現在のロッキーズは、復活を目指す投手陣と、メジャーでの立場すら定まっていない若手選手たちが入り混じった構成で、「再建途上」と言うのが最もふさわしいチーム状況です。
そんな中でも、ゼネラルマネージャーのビル・シュミットは、ブラックに責任を押し付けることは避けました。
「バディは毎日、エネルギーとプロ意識を持ってチームに臨んでいた。本物のプロフェッショナルだよ」と、2021年にジェフ・ブライディッチの後を継いでGMに就任したシュミットは語りました。「バディ・ブラックにも、マイク・レッドモンドにも、私は最大限の敬意を持っています。バディ本人も“これも野球の一部”だと言うはずですし、こうしたことは起こるものです。」
「でも、私たちは前に進まなければならない。ファンの皆さんにもっと良い野球を見せる義務があるんです。」
— Colorado Rockies (@Rockies) May 11, 2025
ロッキーズの開幕40試合の成績「7勝33敗」は、近代野球(1900年以降)において史上2番目に悪いスタートとして、1932年のレッドソックス、1928年のフィリーズ、1904年のセネターズと並びました。これを下回るのは、1988年のオリオールズ(6勝34敗)のみです。
ポストシーズン進出を果たした過去のチームで主力だった左腕カイル・フリ―ランドは、その後の数年にわたり好不調を繰り返しており、木曜日のタイガースとのダブルヘッダー初戦で登板後、チームの不甲斐ない内容(2試合合計で21対3)を公然と嘆いていました。
日曜日には、フリ―ランドを含む数名の選手が、監督バド・ブラックおよびベンチコーチのマイク・レッドモンドと面会。解任発表を受けての時間でした。
「この2人のことは本当に大好きですし、これから先もずっと連絡を取り続けたいと思っています」とフリ―ランドは語りました。「でも、明らかに何らかの変化が必要だった。ここから状況を立て直せるかどうか、試してみる段階に来ていたんだと思います。」
— Colorado Rockies (@Rockies) May 11, 2025
ロッキーズの現役選手で唯一、バド・ブラック監督就任前からチームに在籍している右腕ヘルマン・マルケス(この日の勝利投手)は、次のように語りました。
「彼はいつだって俺の味方でいてくれたし、もっと良い選手、もっと良い人間、もっと良い男になれるよう、常に後押ししてくれたんだ。」
新たに暫定監督となったウォーレン・シェイファー氏(40歳)は、ロッキーズ傘下で6年間プレーした後、マイナーでコーチおよび監督として10年にわたり指導を続け、2023年に三塁/内野コーチとしてメジャーに昇格していました。
「彼を球団に迎え入れたとき、私は関わっていました。2007年、バージニア工科大学からのドラフト38巡目指名で、いわゆる“シニアサイン”としてね」と、GMのビル・シュミットは振り返ります。「私は彼が選手だった頃からマイナーの監督としての姿まで見てきました。彼の強みは、選手たちとのコミュニケーションと信頼関係の築き方なんです。」
クラブはあわせて、以下のコーチング人事も発表しました:
- アシスタント打撃コーチのアンディ・ゴンザレスが、シェイファーの後任として三塁コーチを兼務
- トリプルAアルバカーキの打撃コーチ、ジョーダン・パチェコ
- マイナー全体の打撃コーディネーター、ニック・ウィルソン
この2名が、メジャーの打撃コーチ陣に加わることも決定しています(これらの動きはUSA Todayのボブ・ナイチンゲール記者が最初に報じました)。
トーマス・ハーディング:MLB.comロッキーズ担当
引用元:mlb.com