ウェストサクラメント発 —— ベン・ライスは、デッドボールがどれほど痛いかをよく知っています。いや、もしかすると誰よりもよく知っているかもしれません。
現地日曜日、サター・ヘルス・パークで行われたアスレチックス戦で、ライスは今季2度目となる1試合2死球を受け、チームの12対2の大勝に貢献。これで2025年シーズンの死球数は6つとなり、メジャー全体で2位タイとなっています。
「今日は左ひざに1発、右ひざにも1発だよ」と、試合後にライスは笑いながら振り返りました。
もちろん、野球ボール型のアザによる痛みを和らげる方法は存在します。その代表的な方法が「RICE療法」——Rest(安静)、Ice(冷却)、Compression(圧迫)、Elevation(挙上)の頭文字を取ったものです。
では――満塁ホームランを打つことも、痛みを和らげる手段になり得るのか?
「間違いなくね」とライスは笑いながら答えました。「100%、そうだよ。」
ヤンキース2年目のライスにとって、今回の満塁弾はキャリア初。右中間へと飛び込む“完璧な一発”で、ヤンキースの勝利を決定づけました。チームはこの勝利でシリーズ勝ち越しを決め、月曜からのシアトル遠征へと弾みをつけました。
「彼があそこで大きな保険点を取ってくれたことで、試合の流れを完全に引き寄せられたし、チーム全体がリラックスして自分たちのプレーに集中できるようになった」と、外野手アーロン・ジャッジはベン・ライスの満塁弾について語りました。「あのスイングはベニーにとっても、チーム全体にとっても本当に大きな一撃だった。」
得点数とOPSでMLBトップを誇るヤンキース打線は、シリーズ最終戦で15安打&3死球を記録する猛攻を見せました。相手先発で元ヤンキースのルイス・セベリーノを相手に、4回1/3で9安打8失点を浴びせ、現地土曜日の11対7で逆転負け(7回にリードを手放し、リリーフ陣が崩壊)した悔しさを晴らしました。
「今シーズンはここまで何度も悔しい負け方をしてきたけど、そのたびに翌日にはしっかり切り替えて反発できている」と、ヤンキースのアーロン・ブーン監督は語りました。「それがシーズンというものさ。一日一日、ページをめくって前に進んでいくしかないんだ。」
ページをめくるだけでなく、“打順も一巡”させる――まさにそんな試合展開となりました。
日曜日の試合では、ヤンキース打線の上位5人がそれぞれ6打席ずつ立つという猛攻を見せ、チーム全体が役割を果たしました。今季これで3度目となる「ヤンキースの全先発選手が安打を記録する試合」となり、打線の厚みを存分に発揮しました。
アーロン・ジャッジは5打数4安打の活躍で、打率を.409に押し上げ、MLBの打率ランキングで依然として大きなリードを保っています。また、一塁手ポール・ゴールドシュミットは3本の二塁打を放つなど、こちらも絶好調の一日でした。
しかし、この日最も大きな一撃――そしてヤンキースにとって唯一の本塁打――を放ったのは、やはりベン・ライスでした。
アスレチックスのリリーフ、ミッチ・スペンスのカットボールを2球連続で見送ったあと、3球目もカッターが来ると読んだライスは、それを逃さずフルスイング。打球速度111.2マイル(約179km/h)、推定飛距離398フィート(約121メートル)の一発は、ライト後方のブルペンを越え、芝生席へと飛び込む特大のグランドスラムとなりました。
「高めの打てる球を待ってたんだ」とライスは語りました。「運よく3ボール1ストライクと打者有利なカウントになって、そこからいいスイングができたと思う。」
ライスはこの日、ヤンキースの指名打者(DH)として試合をスタートしましたが、午後の終わりにはキャッチャーとしてフィールドに立っていました。金曜日のシリーズ初戦と同様に、試合終盤、9回裏からオースティン・ウェルズの代わりにマスクをかぶる形で途中出場しました。
アーロン・ブーン監督は、ライスの捕手としての能力を信頼していると明言しており、26歳のライスが舞台裏で積み重ねてきた努力――ブルペンでのキャッチングや、捕手コーディネーターのタナー・スワンソンとの試合前練習などを評価しています。
一方で、ライス本人も「実戦でマスクをかぶることは、練習とはまったく別物」だと認めています。しかし、両ひざに死球を受けた直後でも、今季3度目の捕手出場を快く引き受けました。
「できる限り柔軟に動けるようにしておくのは大事なこと。チームに必要とされる場所に自分を当てはめられるようにしておきたいんだ」とライスは語りました。
これは特に重要な意味を持ちます。というのも、内野手DJ・ルメイヒューの復帰が間近に迫っているからです。ブーン監督によれば、月曜日のシアトル(T-Mobileパーク)での試合からアクティブ・ロースターに復帰する可能性があるとのこと。左ふくらはぎの張りで離脱していたルメイヒューは現在、トリプルAスクラントン/ウィルクスバリでリハビリ出場を続けており、今季はまだメジャーでの出場がありません。
日曜日の試合前、ブーン監督は「ラインアップの都合でライスを三塁に回すような極端なプランは現時点では考えていない」と明言しました。ライスはメジャーで三塁の経験が一度もありません。ただし、状況次第では柔軟な対応を取る意向もにじませました。
「もし何か工夫が必要な場面が出てきたら、我々はその時に柔軟に対応するつもりだよ」とブーン監督は語りました。「今のところ、うまく回っていると思う。」
セオ・デローサ:MLB.com記者
引用元:mlb.com