クレメンスの先制HRでツインズがオリオールズを振り切り連勝を10に伸ばす


ボルティモア — コディ・クレメンスがツインズで放った初ホームランは、個人的に特別な意味を持つ一発だった。
5月3日、フェンウェイ・パークでの試合で放った決勝弾――それを見守っていたのは、父であるロジャー・クレメンス。

そのホームランは、ミネソタにとって4連敗を止める一打にもなった。そして、彼が放った2本目の本塁打は、さらに記憶に残るものとなった。オリオールズとのダブルヘッダー第2試合――ツインズが逆転で8対6の勝利を収め、チームの連勝はついに10に到達。しかもこの日も、父ロジャー・クレメンスが観戦に訪れていた。

「本当に最高の気分だよ」とコディ・クレメンスは語った。
「今日は本当にタフな戦いだった。ダブルヘッダーは肉体的にも精神的にも大変だけど、うちのチームはみんなでバトンをつなぐように、粘り強く戦えている。チーム一丸となった勝利だったと思うし、今まさにこのチームは勢いに乗ってるね。」

クレメンスが打席に立ったのは、ダブルヘッダー第2試合の8回表。その時点でこの日4打数1安打。第1試合では守備固めで途中出場し、1打数無安打だった。ただし、この試合ではすでに3回にタイムリーで1打点を記録しており、その時点ではツインズが4-0とリードを広げていた。

しかしその裏、流れは一変。3回裏にオリオールズが6点を奪取し、セドリック・マリンズの満塁本塁打も飛び出して、試合は一気にひっくり返った。それでも、ツインズの先発シメオン・ウッズ・リチャードソンは4回裏にもマウンドに戻り、見事無失点で切り抜けた。その背景には、「仲間たちがきっと巻き返してくれる」という、チームに対する厚い信頼があった。


「みんなに感謝したい」とウッズ・リチャードソンは語った。
「今日の勝利――いや、今日の2試合ともの勝利は、チーム全員の力があってこそ。今は良い流れに乗ってるけど、一日一日を大切にしてる。3回にあれだけ一気に崩れた中でも、チームメイトが自分を信じてくれた。自分が4回をゼロで抑えられたのも、そのおかげ。勝つためのチャンスをつなげられたと思ってるよ。」

「ベンチの雰囲気も最高だった」とクレメンスも続けた。
「誰も“試合が終わった”なんて思ってなかった。まだまだ戦えるって、みんな信じてた。」


それもそのはず――この連勝中のミネソタは、「一時的に劣勢になっても、決して終わっていない」ことを何度も証明してきた。

1点ビハインドで迎えた8回、無死一・三塁のチャンス。コディ・クレメンスは、何をすべきか分かっていた。そしてその通りに、初球――オリオールズのリリーフ、イェニエル・カノが投じた90.5マイル(約145.7km/h)のチェンジアップを完璧に捉え、逆転の3ランホームランを右翼に放った。これでツインズは8-6と試合をひっくり返し、そのまま勝利を手にした。

代行監督のジェイス・ティングラーは試合後、こう語った:

「今のうちのチームが持っている粘り強さやタフさの象徴だよ。ダブルヘッダーをスイープするのはいつだって難しい。1試合目を取って、そして2試合目でもまた何度もビハインドを跳ね返してきた。チームとは何か――それは“根性”そのものだと思う。毎日、ヒーローが入れ替わるんだ。誰かがビッグプレーをして、誰かが決定打を打つ――まさにそういう戦い方ができている。」

もちろん、第1試合と同様に、第2試合でも思わしくない展開がいくつかあった。まず、ハリソン・ベイダーが3回に左鼠径部の張りを訴えて途中交代。さらに、その直後にはロッコ・バルデッリ監督が体調不良によりベンチを離脱し、以降の采配はベンチコーチのジェイス・ティングラーが引き継ぐことになった。

しかし、ここ10試合で何度も示してきたように、ツインズは逆境でも揺るがないチーム。この日も例に漏れず、「次の男が出てくる」精神(Next man up)が発揮され、打線だけでなく守備面でもその総合力が大いに機能した。


「みんなが一歩前に出てくれている」とティングラー代行監督は語った。
「それが本当に素晴らしいことだと思う。球場に来て、たとえスタメンじゃなかったとしても――試合終盤に出場して流れを変えるチャンスがある。今のうちのチームは、全員が準備できていて、全員が“いける状態”にある。そしてその空気はチーム全体に伝染していく。それは、非常にポジティブなことだよ。」


第1試合では、クリスチャン・バスケスが3ラン本塁打でヒーローに。そして第2試合の主役は――言うまでもなくコディ・クレメンスだった。その活躍に、チームメイトたちも心から喜びを分かち合っていた。

トレバー・ラーナックは笑顔でこう語った。

「最高だったね。見ていて本当に楽しかったよ。チーム全員が彼の一打に大興奮だったと思う。」

シメオン・ウッズ・リチャードソンも、クラブハウスでの様子を振り返る。

「飛び跳ねて喜んでたよ。“クレメンタイン!!”って叫んでた(笑)。ああいうふうにヒーローになってチームの“マント”を背負ってくれる存在――そういう選手が必要なんだ。誰がその役目を担うかなんて、誰にもわからない。でも、それが野球というスポーツの面白さなんだよ。」


そして今のツインズにとっても、
「誰がヒーローになるか分からない」――それこそがこのチームの特別な魅力と言えるだろう。

ペイジ・レッキー:MLB.com記者
引用元:mlb.com

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