現地土曜日に予定されていた登板がずれ込んでも、ジュランジェロ・サインチェ(Jurrangelo Cijntje)は動じなかった。
マリナーズのスイッチ投手プロスペクトであるサインチェは、ハイAエベレットでの週末登板が現地日曜日のダブルヘッダー第1試合へとずれたが、自己最長の6回を投げ、ノーヒットピッチングを続ける快投を披露した。
MLB全体プロスペクトランキング92位にランクインしているサインチェは、バンクーバー・カナディアンズ(ブルージェイズ傘下)戦で被安打1、5奪三振の好投を見せ、アクアソックスに1-0の勝利をもたらした。与四球2、死球2を記録した。
2024年ドラフトで全体15位指名を受けた21歳のサインチェは、この7回制の短縮試合のほとんどを一人で投げ切った。2回に2人の打者に死球を与えてピンチを迎えたが、そこから7球で連続三振を奪って立て直した。3回には、ブルージェイズのトッププロスペクトであるアルジュン・ニマラ(MLBプロスペクトランキング入り)を3球三振に仕留めた。
この日対戦した22打者のうち、19打者に対して右投げで登板。左腕で投げた3打者には四球2、死球1を記録した。プロ入り後4度目の「5奪三振以上登板」となり、この試合では計10個の空振りを奪った。6回には、ブルージェイズの18位プロスペクトであるショーン・キーズに1アウトから安打を許し、ノーヒットピッチングは止まった。
MLBパイプラインのジム・キャリス氏は最新のQ&A記事でこう述べている。「右投げに専念すれば、サインチェはもっと優れたプロスペクトになれるだろう。MLBネットワークのグレッグ・アムシンガーにはきっと文句を言われるだろうが、マリナーズが現時点でスイッチ投法を認めているのは、サインチェ本人にとって重要だからだ。ただし、彼はパット・ベンディットのように両投げでメジャー枠にしがみつく必要はない。彼には右投げ一本で十分通用するだけの実力がある」
5月に入って3登板目となったこの試合で、サインチェは今月だけで16回を投げており、4登板+リリーフ4試合だった4月の合計投球回(18回弱)に迫る勢いだ。マリナーズの育成部門は、週末登板の前に週中にリリーフで投げさせる「週2登板スケジュール」を組んでいたが、4月30日のリリーフ登板(1アウトで2安打・3四球・4失点)以降、中継ぎでは登板していない。
キャリス氏はさらにこう指摘する。「右投げでは、ローテーションの前半を担える先発タイプだが、左投げではリリーフ専門といった印象だ。右からは優れた速球とスライダーを持ち、さらにチェンジアップで左打者にも対応できる」
今季の通算成績では、33回1/3で防御率4.32、WHIP(1イニングあたりの走者数)は1.23にまで改善。奪三振は35、被打率は.174と、着実に数字を伸ばしている。
ケニー・ヴァン・ドレン:MLB.comライター
引用元:mlb.com