ボストン――現地火曜日の夜、フェンウェイ・パークでレッドソックスの右腕ウォーカー・ビューラーとアレックス・コーラ監督が感情を爆発させ、3回表にそろって退場処分となった際、この試合の残り20アウトをどうブルペンで乗り切るのかが懸念された。
しかし、レッドソックスのブルペンはほぼ完璧な働きを見せた。ブレナン・ベルナーディーノ、ギャレット・ウィットロック、ジャスティン・ウィルソン、グレッグ・ワイサート、ジャスティン・スレイテン、アロルディス・チャップマンの6投手が、残りの6回2/3をわずか4安打3四球、3奪三振に抑えた。
そして5回裏にはカルロス・ナルバエスとラファエル・デバースのタイムリーな本塁打が飛び出し、レッドソックスはメッツに2-0で勝利。エースのギャレット・クロシェを先発に迎える現地水曜日の第3戦で、スイープ(全勝)を狙うチャンスを掴んだ。
「今日の試合は完全にブルペンの物語だった。明らかに、彼らを非常に厳しい状況に追い込んでしまった。自分はこのリーグに長くいるだけに、あんなことが起きてはいけなかった」とビューラーは語った。
メッツ戦で15日間の負傷者リストから復帰登板したビューラーが、ボール・ストライクの判定を巡って退場処分となった場面は、まさに熱を帯びたシーンだった。
フランシスコ・リンドーアが二塁へ盗塁を決めたその時、フアン・ソトへの1球目――内角低めへの1-0の球は、誰が見てもストライクに見えた。
Here is the pitch that drew the ire of Buehler and Cora. pic.twitter.com/P6WwTKQH4o
— Ian Browne (@IanMBrowne) May 21, 2025
しかし、球審のマイク・エスタブルックの判定は違った。その球を「ボール」とコールしたのだ。
「真ん中、ど真ん中だろうが(検閲語)!」とビューラーは怒鳴った。
「さっさとマウンドに戻れ!」とエスタブルックも応戦。それでも頭を冷やさなかったビューラーは、即座に退場を宣告された。
コーラ監督もまた、先発投手の後を追うように早々にクラブハウス行きとなった。彼はエスタブルックに対して激昂し、クルーチーフのラズ・ディアスが間に割って入り、コーラを押さえつける場面もあった。
「アレックス・コーラは[エスタブルック]に対して“お前はひどい”と言った。実際には、そんな穏やかな言葉ではなかったけどね。退場になるような言葉を使ったから、当然退場になったんだ」と、ディアスは記者団に語った。
ビューラーは、もしマウンドから降りて抗議しに行かなければ、退場を免れた可能性があった。
「彼はマウンド上で何か言う分には構わない」とクルーチーフのラズ・ディアスは説明した。「でも一度マウンドを離れて、ボール・ストライクの判定に抗議しに行けば、それは自分の守備位置を離れての抗議とみなされる。誰であっても、それをやった時点で即退場になるんだ。」
興奮のあまり感情が高ぶったビューラーだったが、自分の行動がチームに与えた影響については反省しており、仲間がカバーしてくれたことに感謝しているという。
「個人的には、すごく葛藤のある出来事だった」とビューラーは語った。「自分が見て感じたことには強く確信を持っていたけれど、それでもこれはチームスポーツであって、自分の感情をコントロールできなかったのは反省すべき点。そこが一番悔しい部分だと思う。」
ビューラーがレッドソックスで最後に登板したのは4月26日で、その後右肩の滑液包炎のために戦列を離れていた。今回の復帰戦では、2回1/3を投げて52球、2四球、4奪三振という内容だった。
一方、今回で通算18回目の退場処分となったアレックス・コーラ監督は、怒りの矛先をダグアウトの電話に向け、右手で電話機を激しく叩きつけた。その衝撃で電話のカバーの一部が外れるほどだった。
— Red Sox (@RedSox) May 21, 2025
「普段あまり感情をあらわにしないんだけど、今回は例外だったね」とコーラ監督は語った。「ちなみに、めっちゃ痛かったよ。」
コーラ監督は前日のメッツ戦(3対1で勝利)を、娘の大学卒業式に出席するため欠席していた。その際はベンチコーチのラモン・バスケスが代理を務め、試合後の会見で「監督業はこれで引退するよ」と冗談を飛ばしていた。
しかし、そのバスケスは今回再び指揮を執ることに。今季初の退場となったコーラ監督に代わって、再び現場を任される形となった。一方で、ビューラーにとってはキャリア2度目の退場で、どちらも相手はメッツだった。
「昨日は私がいなかったおかげでうまくいったから、またやってみたってわけさ」とコーラ監督は冗談交じりに語った。
一方で、ここ数週間ずっときっかけを探し続けていたレッドソックス(25勝25敗)は、火曜日の一件がその“火花”となることを願っている。
「今日みたいな接戦の2対0の勝利や、昨夜の接戦での勝ち方を見てると、これがチームにとっての転機になるといいなと思ってる」とビューラーは語った。
イアン・ブラウン:MLB.comレッドソックス担当
引用元:mlb.com