ボストン —— ラファエル・デバースは、はっきりと意思表示をした。そして、グラブも置いた。
彼は一塁は守らない――そう決めたのだ。
左膝の膝蓋腱断裂により手術を受け、今季絶望となったトリストン・カサスの離脱以降、デバースがメディアの前で口を開いたのはこれが初めて。その中で、レッドソックスのチーフ・ベースボール・オフィサーであるクレイグ・ブレスロウと面談を行い、一塁へのコンバートについて打診されたことを明かした。しかし、デバースはそれを拒否したという。
「球団からその話はありました」とデバースはチーム通訳のデイヴソン・ペレスを通じて語った。「でも、個人的には、他のポジションをやってくれと言われた後に、たった2か月しか(現在のポジションで)プレーしていない段階で、急に別のポジションを任されるというのは、自分にとって最善の選択ではないと思っています。だから、自分としてはいい判断には思えませんでした。」
トリストン・カサスが今季絶望と球団が発表したあと、アレックス・コーラ監督は「デバースと一塁へのコンバートについて話していない」と何度か繰り返していた。
しかし現地木曜日、レッドソックスがレンジャーズに5-0で勝利した後、デバースは「球団の方から話があった」と語った。
「それはカサスのケガのあとだった……彼らが自分のところに来て話をしてきた」とデバース。「もちろん、自分は野球選手だけど、だからといって“どのポジションでもやれ”と言われるのはちょっと違うと思う。」
「スプリングトレーニングでは、『グラブはしまっておけ、今季はDHだけやってもらう』とまで言われたんです。」
「考えが変わる可能性は?」と聞かれると、デバースは即座に「ないです」ときっぱり。
「無理だと思います。よく“頑固だ”って言われるんですけど、一度ポジションを変えさせられた時点で、もうこれ以上の柔軟性は出せないですね。」
この日デバースは3打数2安打、本塁打1本、2打点の活躍を見せ、直近12試合で打率.383、本塁打4本、打点11と絶好調。
コーラ監督は最近、「DHとしてのルーティンが安定してきたことが、デバースの好調につながっている」と語っている。
デバース自身は「ポジション変更を頼まれたことに腹が立った」と率直に明かした。
「ええ、正直に言って、彼ら(球団)は約束を守ってくれなかったと感じています」とデバースは語った。「“DHをやってもらう”と言われたのに、今になってそれを覆そうとしている。自分としては、それは約束を守っていないと思います。」
チームメイトたちとの関係に問題はないとしながらも、デバースはこの件についてクレイグ・ブレスロウが自分に話を持ちかけてきたことに不満を感じているという。
「彼が自分に対して何を考えているのか、よく分からない」とデバース。「彼自身も野球をやっていたんだし、ああいうポジションの変更が簡単じゃないってことくらい分かってくれていると思いたいです。」
引用元:mlb.com