シカゴ発 —— チェリル・エルコさんは、ホワイトソックスが現地日曜日の午後、レート・フィールドでマーリンズに4対2で勝利した試合前に、思いがけない“母の日の贈り物”を2つ受け取りました。
彼女の息子ティム・エルコは、花やキャンディ、あるいはシカゴでの素敵なディナーなどを用意していたかもしれません。でも、実際に彼が贈ったのはもっと特別なものでした。6回、マーリンズの先発で元サイ・ヤング賞投手のサンディ・アルカンタラから放ったメジャー初安打――それも初ホームランの記念球とバット。それを母・チェリルさんにプレゼントしたのです。
この日、ホワイトソックスがホームで2シリーズ連続の勝ち越しを決めた試合で、ティム・エルコは母の日仕様のピンク色の特別バットを使用。そのバットには「Cheryl(チェリル)」の名前が刻まれていました。左翼への3ランホームランでマット・タイスとジョシュア・パラシオスを迎え入れた後、ホームを踏んだエルコはスタンドの家族に向かって指を差し、感謝の思いを示しました。
「家族がここに来てくれて、この瞬間を一緒に過ごせたのは本当に素晴らしい気持ちだったよ」とエルコは語りました。「昨日、初ヒットを打てたらと思ってたけど、今日それを達成できて、本当に嬉しい。」
「彼の初ヒットは、僕の初ヒットよりずっと遠くに飛んだよ」と、ティム・エルコのホームランについて笑顔で語ったのはマット・タイス。
「本当に素晴らしいね。ティムのことを心から嬉しく思ってるよ。彼はここに来てからずっと大きな笑顔を浮かべているし、そういう姿を見るのはいつだってワクワクするものだよ。それが今日の勝利の大きな要因のひとつだったんじゃないかな。」
2回には併殺打、4回には3球連続のシンカーで三振と、ティム・エルコはこの日も苦戦し、トリプルAシャーロットから昇格して以来、2試合で5打数無安打(0-for-5)となっていました。
しかし6回、1ボールからのサンディ・アルカンタラの甘く入ったカーブを捉えると、スタットキャストの計測によると打球は推定飛距離381フィート、打球速度101.4マイルの3ランホームランに。エルコにとってのメジャー初安打・初本塁打となりました。
エルコは、ホワイトソックスの選手としては2024年3月30日にブレイデン・シューメイクが、デトロイトの前田健太から初球本塁打を放って以来、初ヒットをホームランで記録した選手となりました。エルコのような“生のパワー”を持つ打者が加わることで、試合の流れを一瞬で変える可能性があります。
「彼なら当然やってのけると思ってたよ」と語ったのは、先発し4回を投げて5四球・2奪三振ながら1失点に抑えた右腕ショーン・バーク。
「彼はそういうタイプの選手なんだ。どのレベルでもずっとそうやって結果を出してきた。こうして活躍する姿を見るのは本当にクールだし、彼の旅路の一部としてマイナー時代から一緒にやってきて、今こうしてこの場所にいるのを見ることができて嬉しいよ。」
一方、被弾したマーリンズのサンディ・アルカンタラは次のように振り返りました。
「狙い自体は間違ってなかった。ゾーンの低めにストライクを投げようとしたんだけど、コントロールミスで真ん中に残ってしまったんだ。そういうボールは打者にとって絶好のチャンスになる。」
Sean Burke's cleats for Mother's Day 🥹 pic.twitter.com/womYxAfnEa
— Chicago White Sox (@whitesox) May 11, 2025
現地日曜日のホワイトソックスの“花火”は、ティム・エルコだけに限ったものではありませんでした。
5回、チェイス・マイドロスへの1ボール1ストライクからの球がストライクと判定されたことに対し、打撃コーチのマーカス・テムズと監督のウィル・ヴェナブルが抗議。これにより、球審のビル・ミラーが両者を退場処分としました。
ヴェナブル監督にとっては監督として初の退場であり、現役時代を含めても通算2度目。かつては、ボール・ストライクの判定を巡って選手時代に一度だけ退場処分を受けたことがあります。一方、テムズはコーチとしてはこれが6度目、選手・コーチ通算で7度目の退場でした。
最初に退場となったのはテムズコーチ。続いて、彼と選手たちを擁護するためにベンチを飛び出したヴェナブル監督も即座に退場を命じられました。
「みんな冷静だったし、マーカスも選手たちのために必死に声を上げていただけ。あっという間の出来事だったよ」とヴェナブル監督は振り返りました。「選手の中にはフラストレーションがたまっていた者もいたし、一瞬だけど感情が爆発したんだ。まあ、そういうこともあるさ。」
「マーカスはちょっと感情的になってしまったけど、ウィル(監督)が出て行って、チェイスをしっかり守ってくれたのは良かったよ」とマット・タイスも語りました。「素晴らしかったね。」
この日の勝利で、ホワイトソックスは「27日間で26試合」という過密日程を締めくくりました。ボストン、ミネアポリス、サクラメントの3都市を回る総移動距離は5,302マイル(約8,534km)に及び、戦績は8勝18敗。時折良いプレーを見せるも、勝ち切る力に欠ける試合が続きました。
そんな接戦を制するカギになり得るのが、エルコの持つパワー。少なくともこの日の一発は、母・チェリルさんにとって最高の母の日プレゼントとなりました。
「きっと母の日のプレゼントの中でも上位に入ると思います」とエルコは笑顔で語りつつ、「もちろん、他にもプレゼントは用意していますよ」と付け加えました。「このボール自体にはお金の価値はないですからね。財布には優しい。でも、間違いなく特別な瞬間になりました。」
「ここに来てチームの勝利に貢献したいんです。そのために自分にできることは何でもしたい。今日はその一部として貢献できたし、他にもいくつか目標を達成できて、本当に嬉しかったです。」
スコット・マーキン:MLB.comホワイトソックス担当
引用元:mlb.com