4月が終わり、2025年シーズンもすでに1か月以上が経過しました。つまり、分析に値する多くの事象や傾向がすでに見え始めているということです。もちろん、レギュラーシーズンは6か月あり、まだ序盤戦ではありますが、プレーオフ争いに影響を与える兆候も少なくありません。
ここでは、現在の地区首位チームを確認しつつ、10月のポストシーズン進出チームがどのような顔ぶれになるかを予測してみましょう。なお、以下の統計は短縮シーズンだった2020年を除外し、フルシーズンを対象にした傾向分析に基づいています。
首位(または最下位)に立つことの意味
1996年以降(1995年はストライキにより144試合に短縮され、ワイルドカードが両リーグに導入された最初のフルシーズンは1996年)、5月1日時点で地区首位に立っていたチームのうち、168の地区優勝チーム中86チーム(約51%)がそのままシーズンを通して優勝を果たしています。
つまり、現時点で地区首位に立っているチーム――ヤンキース、タイガース、マリナーズ、メッツ、カブス、ドジャースのファンにとっては、今後の展開に期待がかかるデータとなっています。
昨シーズン(2024年)は、6つの地区優勝チームのうち3チームが5月1日時点ですでに首位に立っていました。ア・リーグではガーディアンズが地区優勝を果たしましたが、同時点で首位だったオリオールズとマリナーズはその後追い抜かれ、オリオールズはワイルドカードでプレーオフに進出したものの、マリナーズは出場を逃しました。
ナ・リーグではドジャースとブリュワーズが地区優勝を飾った一方で、東地区で5月初めに首位だったブレーブスはその後逆転され、ワイルドカードでポストシーズンに進みました。
ワールドシリーズ優勝チームの傾向(1996年以降)
1996年以降(2020年を除く)、ワールドシリーズを制した28チームのうち17チーム(約61%)が5月1日時点で地区首位に立っていたというデータがあります。ちなみに2024年に優勝したドジャースもこの「5月1日首位」のグループに含まれています。
「前年王者が4月終了時に首位にいる」ことのレアさ
今年(2025年)、前年のワールドシリーズ王者であるドジャースは5月を迎える時点で地区首位に立っています。これがどれほど珍しいことかというと、1996年以降、ワールドシリーズ優勝後の翌年4月を戦った28チームのうち、その時点で首位に立っていたのはわずか10チームだけです。
直近でこれを達成したのは2018年のアストロズで、ドジャースはそれ以来の「前年王者として4月を首位で終えた」チームということになります。
では、最下位チームについてはどうでしょうか?
シーズンはまだ始まったばかりで、希望を捨てるには早すぎます。
最下位からの逆転事例
昨年(2024年)、アストロズが5月1日時点で地区最下位にいながら、最終的に地区優勝を果たしました。これは2015年のブルージェイズとレンジャーズ以来となる快挙でした。
1996年以降のデータを見ると、5月1日時点で最下位だったチームがそのシーズンでプレーオフ進出を果たした例は13回あります。
- そのうち7チームは地区優勝
- 6チームはワイルドカードでの出場となっています。
今年(2025年)の5月首位チーム
ナ・リーグの今季の地区首位チームは、いずれも2018年以降に一度は5月1日時点で首位に立った経験があります。
- ドジャース:昨年(2024年)にも同様の状況
- メッツ:2022年に5月首位
- カブス:2018年に5月首位
ア・リーグでは:
- マリナーズ:昨年(2024年)も5月時点で首位
- ヤンキース:2022年に5月首位
- タイガース:2014年に5月首位
このように、早期の順位は過去の傾向を反映する一方で、反転の可能性も十分に存在します。
特に最下位のチームにとっては、アストロズのような「5月からの逆転劇」が現実味を帯びる励みになるかもしれません。
ヤンキースとドジャースは、昨シーズンにそれぞれの地区で優勝しました。
しかし、それ以外の4チームが最後に地区優勝したのは、かなり前の話です。
- カブス:2017年が最後の地区優勝
- メッツ:2015年
- タイガース:2014年
- マリナーズ:なんと2001年が最後の地区制覇です
今後の展望
まだまだ長いシーズンが残っていますが、今季5月1日時点で首位に立っている6チームのファンにとっては、過去のデータから見ても「約半分の確率で地区優勝を果たす」という希望があります。
逆に、現時点で首位でないチームのファンにとっても、その“残りの半分”を占めるチャンスが十分あるということになります。
サラ・ラングス:MLB.com記者/編集者
引用元:mlb.com