FIPとは?【“守備の影響を除いた”真の防御率】

▶ FIPとは?

**FIP(Fielding Independent Pitching)**は、投手の評価において、守備の影響を除外して純粋に投球内容だけで成績を評価するための指標です。
つまり、**エラーや守備位置に左右されない「本来の実力を反映した防御率」**と考えられています。

💡 防御率(ERA)は守備の影響を受けますが、FIPは「三振・四球・被本塁打」のみで計算されます。

▶ 計算式と例

FIP = {(13 × 被本塁打) + (3 × 与四球) − (2 × 奪三振) }÷ 投球回 + FIP定数

※FIP定数(約3.10前後)はシーズン・リーグごとに調整されます(ERAと平均を合わせるため)。

▶ FIPの目安と評価

FIPの値評価
~2.50圧倒的な投球内容
2.51〜3.50非常に優秀
3.51〜4.20平均的〜安定感あり
4.21〜5.00やや不安定
5.01以上改善の余地あり(失点が多い)

▶ 実例:投手のFIP(仮データ)

被本塁打:1
与四球:2
奪三振:8
投球回:5回
FIP定数:3.10(仮)

FIP = {(13×1) + (3×2) − (2×8) }÷ 5 + 3.10
= (13 + 6 − 16) ÷ 5 + 3.10
= 3 ÷ 5 + 3.10
= 0.60 + 3.10 = 3.70

👉 FIP:3.70 → 平均〜やや良好レベル

▶ FIPの活用ポイントと注意点

✅ 長所

  • 守備の影響を除いた「投手の実力」だけを見られる
  • ERAが高い投手でも、FIPが低ければ“不運だった”と判断できる

⚠ 注意点

  • 守備型の投手(打たせて取るタイプ)にはやや不利になる傾向あり
  • FIP定数はリーグ・年ごとに変化するため、単独比較ではなく他投手との比較が重要

▶ FIPとERAの比較

指標特徴
ERA実際の失点(守備の影響あり)
FIP守備の影響を除いた“理論的防御率”

FIP ≪ ERA → 実力はあるが守備に足を引っ張られた可能性
FIP ≫ ERA → 守備や運に助けられている可能性あり

▶ 関連用語リンク

▶ よくある質問(FAQ)

Q:FIPとERA、どっちが信頼できる?
長期的な評価ではFIPの方が安定しており信頼性が高いとされています。特に守備力が弱いチームにいる投手を評価する際に重要です。

Q:FIPが高いけどERAが低い投手って?
→ 守備や運に助けられているケース。次第にERAが悪化する可能性もあるので、FIPでの先読みが有効です。

▶ まとめ

FIPは、投手の本来の能力を数値で可視化できる指標として、MLBでも広く活用されています。
ERAと併せて見ることで、「運」や「守備」に左右されない本物のピッチング評価ができるようになります。

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