▶ UZRとは?
**UZR(Ultimate Zone Rating)**とは、野手の守備力を数値化した指標で、「平均的な選手と比べて、どれだけ守備で失点を防いだか(または防げなかったか)」を評価します。

💡 ざっくり言えば「この選手の守備でチームは何点得している(または損している)か」がわかる数値です。
▶ UZRの意味と構成
UZRは以下の4つの守備要素から構成されています:
- Range Runs(RngR)
→ 守備範囲の広さ(捕れる打球をどれだけ捕ったか) - Error Runs(ErrR)
→ エラーの少なさ(失策が失点に与える影響) - Double-Play Runs(DPR)
→ 併殺プレーの成功度(内野手に特有) - Arm Runs(ARM)
→ 送球能力(外野手に特有)
▶ UZRの目安と評価(年間)
UZRの値 | 守備力の評価 |
---|---|
15以上 | ゴールドグラブ級 |
10〜14.9 | 非常に優秀な守備 |
5〜9.9 | 平均以上の守備 |
−4.9〜4.9 | 平均的な守備力 |
−5〜−9.9 | やや守備に難あり |
−10以下 | 守備に大きな課題 |
▶ 実例:UZRの使い方(仮)
ある一塁手のUZRが −8.3 の場合:
→ 守備によって 約8点分の失点を追加で許しているとされ、守備に課題ありと見なされます。
鈴木誠也のUZR(2024年外野):+6.8
→ 平均的な外野手よりも、年間で約6.8点分の失点を防いだ守備力を持っていると評価されます。
▶ UZRの活用ポイントと注意点
✅ 長所
- 守備の「結果」だけでなく「影響度(何点防いだか)」を数値で把握できる
- 打撃成績と合わせてWARに組み込まれるため、選手の総合評価に欠かせない
⚠ 注意点
- 数値がシーズン単位で安定しにくく、短期間では信頼性が低い(サンプルが少ないと誤差が大きい)
- 守備位置によって重みが異なる(遊撃手や中堅手の方が数字が大きくなりやすい)
▶ 関連用語リンク
▶ よくある質問(FAQ)
Q:UZRは毎年安定する?
→ 守備指標はサンプルサイズが必要なので、単年だけで判断せず複数年の傾向で見るのが正解です。
Q:UZRはどこで見られる?
→ FanGraphsなどのMLB統計サイトでポジション別に確認できます。
▶ まとめ
UZRは「守備の価値」を定量的に評価するための非常に重要な指標です。
打撃成績だけでは見えてこない選手の貢献度を補完し、WARなどの総合評価の基礎となる重要な守備指標として、MLBでは特に重視されています。