成層圏へ 彗星キム・ヘソンがMLB初本塁打を放つ


ロサンゼルス — ドジャースタジアムでキム・へソンが打席に入るとき、彼の登場曲として流れるのはDay6の「Welcome to the Show」。韓国プロ野球(KBO)で8シーズンを戦い、ついにメジャーの舞台に立った元スター選手にとって、これ以上ふさわしい曲はないだろう。

キムは現地水曜夜のアスレチックス戦で2打数2安打を記録し、メジャー初本塁打となる同点ソロホームランを5回に放った。ドジャースを憧れの球団として育った彼にとって、まさに夢見た瞬間だった。

「ずっとこの球場でプレーするのが夢でした」と、通訳のジョー・リーを通じてキムは語った。
「本当にうれしいし、ものすごく興奮しています」

スプリングトレーニングの時点から、キムの周囲には自然と人が集まる雰囲気があった。対戦相手でさえ、彼に好感を持つという。言語の壁はあるものの、キムはチームメイトと積極的にコミュニケーションを取り、必要に応じて通訳のリーがサポートする。

同じく言語面で奮闘しているドジャースの山本由伸は、現地水曜の試合でクオリティスタートを記録したあと、こう語った(通訳・園田喜弘を通じて):

「持ってる英語、全部しぼり出して会話してます(笑)」


キム・へソンは日頃の振る舞いを通じてチームメイトから自然と応援される存在になっただけでなく、その期待に見事にプレーで応えている。ドジャースでの出場11試合で、キムは打率.360(25打数9安打)、OPS.840という好成績をマーク。守備では本職の二塁で安定感あるプレーを披露し、KBOでゴールデングラブ賞を3度受賞した実力をしっかり証明している。さらに、塁上では相手投手にプレッシャーを与える存在としても注目されており、走塁面での貢献も大きい。


キムの同点ホームランが飛び出した直後の回、ドジャースのデーブ・ロバーツ監督は左投手に対してキムの打順で代打ミゲル・ロハスを起用。するとロハスは勝ち越しのタイムリーツーベースを放ち、采配が的中した。この決断は、キムにとって驚きではなかったかもしれない。というのも、キムはドジャースでの出場機会の中で、左投手相手の打席はまだ1度しかないからだ。この采配はつまり、キムの起用はまだ限定的であり、メジャー初年度として“見極めの段階”にあることを示している。


キム・へソンは、トミー・エドマンが右足首の炎症で10日間の負傷者リスト入りした際に、トリプルAオクラホマシティから昇格した。当初は一時的なメジャー滞在になると見られていたが、その後テオスカー・ヘルナンデスも左鼠径部の張りでIL入りしたことで、キムは思いのほか多くの出場機会を得てきた。しかし、来週にはエドマンとヘルナンデスの両名が戦列復帰する見込みとなっており、そうなればキムとジェームズ・アウトマンのいずれかがオプション(マイナー降格)の対象になる可能性が高い。


「彼にはメジャーの空気に触れさせて、慣れてもらいたかったんだ」と、デーブ・ロバーツ監督はキム・へソンについて語った。
「エドマンやテオが戻ってくれば、もちろんロースターに関する判断が必要になる。でも、今の彼のパフォーマンスやプレーぶりは、その決断において確実にプラス材料になっているよ。」

一方でドジャースは現地水曜日、思い切ったロースター再編成に踏み切った。試合前にトッププロスペクトのダルトン・ラッシングを昇格させるため、長年バックアップ捕手を務めてきたオースティン・バーンズをDFA(事実上の戦力外)としたのだ。この動きは、チームが現状に甘んじず、積極的に変化を取り入れていく意思を示すものであり、キムのような実力でアピールできる選手にとってはチャンスの拡大にもつながりうる。


左打ちで、内外野をこなせるユーティリティ性に加え、俊足も兼ね備えているキム・へソンは、ドジャースにこれまでとは異なるタイプの戦力をもたらしている。理想を言えば、チームとしてもキムをベンチ要員にとどめておきたいわけではない。むしろ、彼自身が現在スイングの微調整を続け、メジャーの投手に適応しようとしている過程にあることを考えると、毎日試合に出場して経験を積むことが最も成長につながる。その意味でも、キムにとってコンスタントな出場機会を得られる環境こそが、今もっとも必要なものだと言える。


とはいえ、それはダルトン・ラッシングにも同じことが言える。ドジャースは、ラッシングに関しては毎日出場しなくてもメジャーの環境で成長を促す方針を明確に打ち出している。つまり、一軍に帯同しながら、実戦・練習の両面で吸収させていく形だ。そしてもし、キム・へソンがこのままロサンゼルスで存在感を発揮し続けるようであれば、チームもラッシングと同様に、たとえ毎試合に出られなくても一軍で育てる価値があると判断する可能性は十分にある。今後のキムのプレーが、ロースターに残るための最大のアピール材料となるだろう。


「キムに関して言えばね、本当にダイナミックな選手なんだよ」とロバーツ監督は語った。

「ただバットに当てて前に飛ばす――それだけで何かが起きる可能性がある。そして、彼はまさにそれを今、我々のチームにもたらしてくれているんだ。」


キム・へソンは、チームが自分の役割をどう捉えているかを気にするよりも、自分にできることに集中する姿勢を貫いている。そして、それが水曜日のような結果につながるプロセスを着実に積み重ねることだ。

「長打を打とうとか、あまり意識していません」とキムは語る。
「強く打つことだけを意識しているんです。それでヒットが出たらうれしいし、出なかったらもっと練習するだけです。」

ソニア・チェン:MLB.com ドジャース担当
引用元:mlb.com

目次

📝 初心者向けおすすめ記事

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次