今週までケニー・セルワ(Kenny Serwa)の名前を聞いたことがなかったかもしれない。もしかすると、今でも知らないかもしれない。しかし、彼の投球は話題となり、あるメジャーリーグ球団が注目するほどになった。
27歳のセルワは今週、野球界でちょっとした有名人になった。彼が時速88マイル(約142キロ)のナックルボールを投げる動画がソーシャルメディアで拡散されたのだ。ノースカロライナ州のTread Athleticsでのブルペンセッションは多くの人々の目に留まり、タイガースもその一つだった。そして金曜日、Tread Athleticsはセルワがデトロイト・タイガースと契約を結んだことを発表した。
右腕のセルワは実は2種類のナックルボールを持っている。そのうちの1つは「ヨシ(Yoshi)」と呼ばれ、彼の看板となるナックルボールよりも時速5~10マイル(約8~16キロ)遅い。
ちなみに、ピッチトラッキング時代(2008年以降)において、時速84マイル(約135キロ)に達したナックルボールはわずか3球しか記録されておらず、それらはすべて2023~24年にパドレスの右腕マット・ウォルドロン(Matt Waldron)が投げたものだった。
セルワはこれらのナックルボールに加え、最速90マイル台中盤(約153~157キロ)のフォーシーム、90マイル台前半(約145~150キロ)のシンカー、そして80マイル台中盤(約137~142キロ)のカーブを駆使する。
セルワは大学最後の2シーズン、2021年はセントラルフロリダ大学、2022年はデイトン大学でプレーし、いずれもERA(防御率)が5.00を超えていた。その頃はナックルボールを投げていなかった。彼は独立リーグで2シーズンを過ごし、昨年はアメリカン・アソシエーションのシカゴ・ドッグスで119 1/3イニングを投げて4.22のERAと103奪三振を記録した。
このような数字では通常、大リーグのクラブは興味を示さない。しかし、セルワは大胆なピッチミックスの変更と公開ブルペンセッション、そしてビデオカメラを駆使して、メジャーリーガーになるチャンスをつかんだ。
ブライアン・マーフィー:MLB.com記者
引用元:mlb.com