パドレスが初回6失点も逆転劇を披露


サンディエゴ発 ーー スティーブン・コレクが初回を投げ終えてマウンドを降りた時、パドレスはすでに6点のビハインドを背負い、コレクは38球を要していました。

では、誰がこの展開を想像できたでしょうか?

2時間後、同じマウンドを降りるコレクに大歓声が送られたのは、“リードを守って”いたからです。

右腕コレクは、不運とも言える苦しい立ち上がりから見事に立ち直り、チームはマイアミに8-6で逆転勝利。コレクはある珍記録を打ち立てることとなりました。

彼は、初回に6失点以上したにもかかわらず勝利投手になったMLB史上初の投手となったのです(※2006年のマーク・バーリー以来)。さらにすべて自責点で6点を許して勝利したのは、1999年のバートロ・コロン以来となります。

コレクは「初回の後は、とにかくできるだけ長いイニングを投げて、チームに貢献しようと思った。うちのチームは最高だよ。あの闘志の見せ方、本当に素晴らしい」と振り返りました。

実際、コレクの初回の投球内容は数字以上に悪くはなかったとも言えます。最初の8打者のうち7人はゴロを打っており、アウトになったのは1人だけ。三塁での微妙な判定がチャレンジされるべきだったかもしれませんし、マニー・マチャドがホームに送球する判断も疑問視されました。

さらに、マイアミ打線は内野の間を抜けるような当たりばかりで得点を重ねました。

「いつかは誰かの正面に飛んでくれるはずなんだけどね」とマイク・シルト監督は苦笑しながら語りました。


そしてついに、10人目の打者と対戦した末に、コレクは初回を切り抜けました。そこから反撃がすぐに始まったのです。

「初回で6点ビハインドになったとき、ダグアウトの全員が『必ず追いつく』と信じていたよ」とフェルナンド・タティスJr.は語りました。「どんな形でも、とにかく取り返す方法を見つけるってね。」

その反撃をタティス自身が口火を切ります。逆方向へのソロホームランを「ペトコ・ポーチ」に運び、今季4本目の先頭打者弾を記録しました。

飛距離はわずか339フィート(約103メートル)と、彼がペトコ・パークで放った72本の本塁打のうち2番目に短い当たりでしたが、それでも十分に効果的な一発となりました。


「相手が6点取ったなら、こっちだってできるさ」とルイス・アラエスは語りました。「タティがホームランを打った瞬間、これは“合図”だと思ったんだ。」

タティスもこう続けます。「こんなふうに始まるんだよ――一歩ずつね。」

そこからサンディエゴにも少し運が味方しました。マーリンズのセカンド、ロニー・サイモンが3つのエラーを犯し、さらにもう1つのミスプレーも当初はエラーと判定されていました(後にヒットに変更)。

パドレスはこのチャンスを逃しませんでした。いつも通りに。2回と3回にそれぞれ2点ずつを加え、4回と5回には1点ずつ。アラエスとザンダー・ボガーツは3安打ずつを放ち、ジャクソン・メリルが8回に貴重な追加点となるソロ本塁打を放ちました。

「僕たちは何もムダにしなかったし、相手はたくさんムダにした」とメリルは言いました。
「そういう時は、ちゃんとチャンスをモノにしなきゃね。」


その間ずっと、コレクは無失点の投球を続け、ブルペン陣も同様に完璧なリリーフを見せました。この日、パドレスは救援投手が数人不在だったこともあり、松井裕樹とショーン・レイノルズが高いプレッシャーの場面でセットアッパーを務め、最後はジェレマイア・エストラーダが自身通算2セーブ目となるクローザー登板を成功させました。

「だからこそ、これは“チームで勝ち取った最高の勝利”だったんだ」とマイク・シルト監督は語りました。
「野球で勝つためにやるべきすべての小さなこと――それが積み重なって、大きな勝利になったんだよ。」


その「大きな勝利」とは、直前の6連敗から見事に立ち直り、ここ5試合で4勝目を挙げたということ。
そしてコレク本人が功績を謙遜していた一方で、チームメートたちは彼の奮闘を称賛しました。

「初回に6点取られたら、普通は気落ちするし、もうダメかもってなる」とジャクソン・メリルは語りました。
「でも彼は違った。気持ちを切らさず、マウンドに立ち続けて、圧巻の投球を見せてくれた。だから僕たちは、あの状況でベストを尽くしてくれたことに本当に感謝してるんだ。」


今季すでにコレクは、クアーズ・フィールドでの21-0の完封勝利によって記録史に名を刻んでいます。これは1901年以降で投手が記録した最大得点差の完封勝利に並ぶものでした。しかし、現地火曜日の勝利への道のりは、それとはまったく違う形でした。

「負けるよりは間違いなく気分はいいよ」とコレクは語りました。
「勝てたのは素晴らしいけど、自分がその価値にふさわしいとは思ってない。」

それに対して、チームメートたちは異を唱えるでしょう。

AJ・カッサヴェル:MLB.comパドレス担当
引用元:mlb.com

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