打球が頭部直撃のドジャース・ミラー 精密検査の結果大きな怪我もなく大事に至らず

グレンデール(アリゾナ州)発 —
ボビー・ミラーは、自身が最も恐れていたものと正面から向き合い、それを克服した。文字通りに。

ミラーは木曜日の試合で105.5マイル(約170キロ)のライナーが頭部を直撃したプレーの映像を、これまでに「おそらく100回は見た」と語った。

ミラーは「今まで、投手が頭に打球を受ける映像はどうしても直視できなかった」と、土曜日の会見で事故後初めてドジャースのメディアと対面した際に語った。

「これまでなら『そんなの見せないでくれ』って言って、すぐに目をそらしていた。ずっと怖かったんだ。でも、実際に自分が体験してみると、今はもう映像を見ることができるようになった。確かに怖い瞬間だったけど、大丈夫だよ。俺は無事だし、これを経験したことで、もうあまり恐れなくなったと思う」


ミラーはまだ頭痛が続いており、睡眠も断続的だと語った。しかし、精密検査の結果、骨折は見つからなかった。現在は脳震盪(のうしんとう)プロトコルに従っており、復帰するには決められた段階をクリアする必要がある。

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この事故の映像は、見るのが苦手な人には厳しい内容だ。ミラーはカブスの一塁手マイケル・ブッシュのライナーをグラブで防ごうとしたが間に合わず、直撃を受けて倒れ込んだ。強烈な打球の衝撃でマウンドに崩れ落ちると、すぐにメディカルスタッフが駆けつけた。

しかし、しばらくしてミラーは自力で立ち上がり、フィールドを歩いて退場した。


「あの瞬間は本当にアドレナリンが一気に出たよ」とミラーは語った。「倒れたとき、次にどんな痛みが来るのかも分からなかった。でも、すぐには感じなかったんだ。気を失ったわけでもないし、視界がなくなったわけでもなかった。ただ、こめかみや後頭部、額に当たらなくて本当に良かったよ」

「頭にライナーを受けることは、ずっと自分が一番恐れていたことの一つだった。でも、驚いたことに、思っていたほどひどくはなかった。確かに吹き飛ばされたけど、自力で歩いて退場できたしね。できるだけ早く復帰したい。もっとひどいことになっていた可能性もあったから、本当に感謝しているよ」


野球の歴史の中では、頭部へのライナーがより深刻な結果を招いた例がいくつもある。

1957年には、クリーブランドの左腕ハーブ・スコアがギル・マクドゥガルドのライナーを受け、それ以降、以前のような投球ができなくなった。

比較的最近では、オークランドのブランドン・マッカーシー、アリゾナのエバン・マーシャル、そして新たにヒューストンの球団殿堂入りを果たしたビリー・ワグナーが、ライナー直撃の影響で長期離脱を余儀なくされた。

マッカーシーは2012年に頭部へ打球を受けた後、脳の圧力を軽減するための手術を受けた。マーシャルも2015年に同様の処置を受けている。ワグナーは1998年に頭部へ打球を受け、3週間戦列を離れた。

ミラーは復帰への不安について、次のように語った。

「今のところ、マウンドに戻ることに対して不安は感じていない」とミラーは言う。「でも、その瞬間が来たときにどう感じるかは分からないね。今考えているのは、とにかく健康を取り戻して、できるだけ早くフィールドに戻ること。それが僕の一番の願いだよ」


ミラーはこの春、ドジャースの先発ローテーション入りを争う投手の一人だ。というのも、大谷翔平とクレイトン・カーショウがシーズン序盤には投げられない状況にあるためである。

一方の大谷は、土曜日に今春2度目のブルペン投球を行い、25球を投げ込んだ。彼はツーシーム、フォーシーム、カットボールを交えながら、今週初めに投げた21球から球数を増やした。


ドジャースのデーブ・ロバーツ監督は、現段階ではミラーに対して慎重な対応を取ることが最善だと考えている。

「彼の体調が回復し、頭痛が和らいでいくことを願っている」とロバーツ監督は語った。「毎日休むことで多少の遅れは生じるが、最優先すべきは彼の健康だ。もうすぐ本格的に動き出せると思うよ」

ミラーは土曜日の練習を回避したものの、「怖がるような症状は何もないし、特に心配もしていない」と語った。ただし、睡眠には影響が出ているという。

「夜中に何度も目が覚めてしまうんだ」とミラーは話した。「あの瞬間のことをどうしても考えてしまう。それを乗り越えようとしているところさ。それだけだよ」


ブッシュ(カブスの一塁手)やカブスの打撃コーチ、ダスティン・ケリーは、ミラーに連絡を取り、励ましの言葉を送った。また、ドジャースの関係者だけでなく、多くの人々が彼を気にかけてくれたという。

「本当にたくさんの人が僕のことを気にかけてくれて、すごく感謝している」とミラーは語った。「みんなが僕の状態を気にしてくれていることが、とても嬉しいよ」

引用元:mlb.com

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