オールスター先発選手を決めるファン投票が2段階に分かれて行われる方式について紹介しています。
ぜひご覧ください。
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現在、「2025年MLBオールスターゲーム presented by Mastercard」の第1フェーズの投票が開始されており、ファンはア・リーグおよびナ・リーグの先発ポジション選手に投票できます。
ここでは、投票が進む中で注目すべきストーリーラインをご紹介します。
（以下の成績はすべて現地火曜日時点のものです）
1. ジャッジは再び最多得票を獲得できるか？
アレックス・ロドリゲスが2007〜08年にヤンキース所属で達成して以来、オールスターゲームで2年連続最多得票を記録した選手はいません。しかし、その記録が2025年に破られる可能性は十分にあります。
ヤンキースのスラッガー、アーロン・ジャッジは昨年の最多得票選手であり、過去3年で2度目の受賞でした。さらに、その年にはア・リーグMVPにも輝いています。そして2025年の今季はそれ以上の成績を残しており、ファン投票でも圧倒的な支持を集めることが予想されます。
もちろん、現ナ・リーグMVPの大谷翔平も忘れてはいけません。MLB史上初の「50本塁打＆50盗塁」シーズンを終えたばかりの彼は、今季も23本塁打でリーグトップタイ、OPSは1.039でMLB3位と圧倒的な活躍を見せています。
意外にも、大谷翔平はこれまで一度も「全体最多得票選手」になったことがありません。果たして今年は…？
2. ナ・リーグの外野争いは大混戦
ナ・リーグのオールスター先発外野手を選ぶのは、ファンにとって最も難しい選択になりそうです。というのも、このポジションには実力派スター選手が勢ぞろいしているからです。
注目の筆頭は、カブスのピート・クロウ＝アームストロング。今季がメジャーでの初のフルシーズンながら、早くもスター候補として頭角を現しており、ナ・リーグMVP候補にも名前が挙がる存在です。
彼が守備と走塁で優れていることは以前から知られていましたが、2025年は打撃面でもブレイク。23歳のクロウ＝アームストロングは、FanGraphsによるWAR（勝利貢献度）でナ・リーグトップの3.6を記録。加えて、wRC+は143、15本塁打、21盗塁と、センターの守備で抜群の安定感を見せながらも、攻撃面でもチームをけん引しています。
しかし、カブスにはクロウ＝アームストロングだけでなく、もう一人の有力な先発候補がいます。オフシーズンにアストロズから移籍してきたカイル・タッカーは、すでに12本塁打、16盗塁、wRC+155、WAR2.5を記録しており、十分にオールスター先発にふさわしい活躍を見せています。
他にも注目選手は多数。ナショナルズのジェームズ・ウッドはナ・リーグ外野手の中で最高のwRC+（162）を誇り、16本塁打を記録。22歳の若きスラッガーも候補に名を連ねるでしょう。
Dバックスのコービン・キャロルも有力候補の一人。ナ・リーグ外野手の中で最多の18本塁打を放ち、WAR（3.0）ではクロウ＝アームストロングに次ぐ2位に位置しています。
さらに、サンディエゴのフェルナンド・タティスJr.やジャクソン・メリル、ピッツバーグのオニール・クルーズ、ニューヨークのフアン・ソトなど、候補はまさに枚挙にいとまがありません。
そして忘れてはならないのが、2023年ナ・リーグMVPのロナルド・アクーニャJr.。5月23日に左膝前十字靱帯断裂から復帰して以降、わずか10試合の出場ながらも素晴らしいプレーを見せており、その実績とスター性から、ファン投票で真剣に選出が検討される可能性があります。
3. ボビー・ウィットJr.は初のオールスター先発となるか？ それとも新星が割り込むか？
昨年、ウィットはジャッジに次いでア・リーグMVP投票で2位に入りましたが、実は2024年のオールスターゲームでは先発出場していません。ファン投票で選ばれたのはオリオールズのガナー・ヘンダーソンでした。
2025年もウィットは見事なシーズンを送っており、成績ではヘンダーソンを大きく上回っています。しかし、だからといって彼がオールスター初先発を確実に勝ち取るとは限りません。今季の打撃成績はやや落ち着いており、他のア・リーグ遊撃手がファン投票で台頭する可能性も十分にあります。
アスレチックスのジェイコブ・ウィルソンはどうでしょう？新人ながらも打率.355、規定打席到達の遊撃手の中で最高のwRC+（156）を記録しています。アストロズのジェレミー・ペーニャも注目です。9本塁打、wRC+143とウィットを上回る打撃成績を残しており、WARもウィットの2.9に対して3.0と僅差です。
また、エンゼルスのザック・ネトはシーズン序盤を肩の手術の回復で欠場しながらも、ア・リーグの遊撃手で最多となる10本塁打を記録しています。
いずれの選手も、ウィットJr.の初のオールスター先発出場を阻む現実的なライバルとなりそうです。
4. MLB最高勝率を誇るタイガース ― 投票結果はどうなる？
タイガースの野手陣がどれだけファンからの支持を集めるかも、今回の投票の注目ポイントです。
デトロイトは今季、メジャー最高の勝率を記録していますが、一般的にオールスターの投票で目立つようなスター選手不在の“バランス型ラインナップ”で快進撃を続けています。
最後にタイガースの選手がオールスターで先発したのは2014年のミゲル・カブレラまでさかのぼります。（2015年もファン投票で選出されましたが、怪我のため出場せず）
今回候補となるのは、
- 一塁手のスペンサー・トーケルソン
- 二塁手のグレイバー・トーレス
- 外野手のライリー・グリーンとケリー・カーペンター
などですが、最も有力なのは、前年のア・リーグサイ・ヤング賞投手タリク・スクーバルかもしれません。
ア・リーグ監督であるアーロン・ブーンから、先発投手としての指名を受ける可能性は十分にありそうです。
5. ローリーがマリナーズ史に名を刻むかもしれない
MLB捕手史上でも屈指のシーズンを送っているカル・ローリーは、2025年に初のオールスター選出が濃厚です。現在、大谷翔平と並んでMLBトップの23本塁打を記録しており、WARではアーロン・ジャッジに次ぐ全体2位（3.8）。打撃成績も 打率.259／出塁率.374／長打率.625、wRC+183 と圧巻の数字を残しています。
彼がこのままの活躍を続ければ、マリナーズの捕手として歴史的な快挙となる可能性が高いでしょう。
もしファン投票で選出されれば、ローリーはマリナーズ球団史上初のオールスター先発捕手となり、長年のポジション別選出空白を終わらせることになります。これまでシアトルの捕手でオールスターに選ばれたのは1996年のダン・ウィルソン（現在は球団の監督）のみで、彼も先発ではありませんでした。
6. カージナルス、39年ぶりの快挙なるか？
マリナーズと同様に、カージナルスも長年のオールスター先発空白を終わらせるチャンスを迎えています。セントルイスの二塁手がオールスターゲームに先発出場したのは1985年のトム・ハーが最後。しかし、ブレンダン・ドノバンが今年、その座を勝ち取る可能性があります。
28歳のドノバンは、ここまで57試合で打率.321／出塁率.384／長打率.462という好成績を記録し、WARではすべての二塁手中トップの2.2。さらに、wRC+は140で、次点のカブスのニコ・ホーナーを34ポイント上回るという圧倒的な数字を残しています。
とはいえ、ドノバンには強力なライバルが立ちはだかるかもしれません。Dバックスのケテル・マルテです。マルテは左ハムストリングの張りで4月の多くを欠場しましたが、2025年はこれまで34試合で10本塁打、wRC+177という圧巻の成績を残しています。
7. リンドーアは“初の先発”を勝ち取れるか？
これだけ素晴らしいキャリアを築いているのに、フランシスコ・リンドーアがオールスターゲームで先発出場したことがないのは意外かもしれません。彼はこれまでに4度オールスターに選出されていますが、すべて控え選手としての出場です。
さらに驚くべきことに、2019年（当時はクリーブランド所属）を最後に、オールスター出場が一度もないのです。つまり、メッツに移籍してからはMVP投票で3度票を得ておきながら（2024年は2位）、一度もオールスターに選ばれていないということになります。
もっとも、リンドーアがこれまでオールスター先発に縁がなかったのは、近年スロースタートが恒例となっていたことも一因です。そのため、大半のシーズンで前半戦における説得力あるアピールができていませんでした。
しかし、2025年のリンドーアにその懸念はありません。現在、首位を走るメッツで打率.284、本塁打14本、盗塁11、OPS.854と絶好調のパフォーマンスを見せています。
もしファン投票で選出されれば、リンドーアはメッツ史上3人目のオールスター先発遊撃手となります。これまでにホセ・レイエス（3回）とバド・ハレルソン（1971年）が選ばれていますが、メッツの遊撃手がオールスターに先発出場したのは、2007年のレイエスが最後となっています。
トーマス・ハリガン：MLB.com記者
引用元：mlb.com
