フェニックス――ガブリエル・モレノがロサンゼルス・ドジャースを苦しめ続けている。
この“因縁のシリーズ”は、すでに3年目に突入した。
ダイヤモンドバックスが木曜日の試合で5対3で勝利した中で、モレノは4回に山本由伸から今季初本塁打となる満塁弾を放った。これは彼にとって今季初アーチだったが、アリゾナでの3年間における“ドジャースキラー”ぶりを裏付ける、また一つの決定的な一撃となった。
モレノは、2023年シーズン前にトロントからのトレードでダイヤモンドバックスに加入して以来、ドジャースとのレギュラーシーズン18試合で打率.344(64打数22安打)、本塁打3本、打点16という好成績を残している。さらに、同年のポストシーズンでも印象的な活躍を見せた。
野球人生は長く、記憶もまた長く残るもの。モレノは余計な波風を立てるつもりはなかった。
「チームワークこそが勝利のカギです」とモレノは通訳のアレックス・アルピサを通して語った。「今日は守備も素晴らしかったし、自分もホームランを打てました。チーム全員で貢献できたと思います。」
さらにこう付け加えた。
「ドジャースとはたくさん対戦してきました。そんな中で良い場面を作れていることに、ただ感謝しています。」
ブランドン・ファートは、今季初となるナショナルリーグ西地区のライバルとの対戦――4連戦の初戦――で白星を手にした。
この試合はダイヤモンドバックスにとって今季38試合目で、同地区との初対戦だった。
ファート(6勝2敗)は6回1/3を投げて、ナ・リーグ単独トップとなる今季6勝目を挙げた。被安打4(すべて単打)、与四球3、奪三振6の内容で、好守にも助けられながら防御率を3.28にまで下げた。
「“完成度の高い野球をする”という話をよくしますが、今日の試合はまさにそれでした」と、Dバックスのトーリ・ロブロ監督は語った。「自分としては、それがすべてです。」
Dバックスは、ポストシーズンで最後にドジャースを破ったチームであり、その中でモレノの存在は非常に大きかった。彼は2023年のナ・リーグ・ディビジョンシリーズでの3連勝スウィープにおいて、第1戦と第3戦で本塁打を放つなど決定的な働きを見せている。
第1戦では、クレイトン・カーショウから放った3ラン本塁打が、初回6得点の口火を切る決定打となり、試合は11-2で快勝。
第3戦では、ランス・リンから3回に飛び出した4本の本塁打のうちの1本をモレノが記録し、4-2でシリーズを決定。Dバックスをナ・リーグ優勝決定シリーズ(対フィリーズ)へと導く一撃となった。
この日モレノは、4回に逆方向への満塁ホームランを放ち、山本由伸相手に4-0のリードを築いた。山本由伸は今季開幕から5週間にわたってナ・リーグ最高の投手と評されてきた存在だった。
Dバックスはこのビッグイニングを、まさに“チームワーク”でじわじわと築き上げた。
パヴィン・スミスは7球粘った末に四球を選び、3-2のカーブをファウルで逃れた後、もう一球外れたカーブを見送って出塁。ジョシュ・ネイラーは二塁ベース後方への内野安打で出塁。ムーキー・ベッツが飛びついたが処理できなかった。さらに、エウヘニオ・スアレスが0-2からのインサイドのボールに死球を受け、打球を一度も外野に飛ばすことなく満塁のチャンスが訪れた。
そしてモレノの出番。
彼は右方向および右中間への打球を得意としており、過去の13本塁打中6本が中堅右寄りへのものだった。この日もまさにその形で一発を放った。
「逆方向に打つのは自分の強みのひとつです」とモレノは語った。「ボールを引きつけて、右に打ち返すのは得意なんです。」
モレノは2ボールからのカッターを捉え、スタットキャストによる推定飛距離377フィートのライナー性の本塁打を右中間スタンドへ運んだ。この一打で、ファートには十分な援護点が与えられた。
「最近絶好調で、粘り強いあの投手(山本)を相手に、イニングを組み立てられたことは大きかった」と、Dバックスのロブロ監督は語った。「そして、イニングを築いたら、あとは“正しい打者”がそこで打席に立つ必要がある。」
「ガブリエルの場合、右中間へのライナー本塁打という、信じられないようなアプローチを見せてくれた。それはスイングが相当しっかりしている証拠。あの方向に、あの打球を、偶然で打てるわけじゃない。しかも、ランナーがたまった場面で逆方向にあれだけの打球を飛ばすのは簡単じゃない。」
「彼が狙っていた球を仕留め、それを結果につなげたのを見られて本当にうれしいよ。」
モレノが今季これまでに8試合中6試合でマスクをかぶっているブランドン・ファートは、試合後こう語った。
「今日の“プレイヤー・オブ・ザ・ゲーム”は間違いなくガビ(モレノ)だ。捕手としても、そしてグランドスラムを打った打者としても。あの一発で流れが完全にこっちに来たし、そこから一気に試合を運べた。」
それに対してモレノも、ファットを称賛した。
「ブランドンは素晴らしいピッチングだった」とモレノ。「要求したところにすべて投げ込んでくれた。コントロールが完璧だったよ。全ては彼の力。ブルペンの段階から状態が良かったのが分かっていた。“強みを出してどんどん攻めていこう”って声をかけたんだ。」
モレノとDバックスは、この日、攻守両面で試合を支配した。
引用元:mlb.com