クリーブランド発 — ドジャースが現地火曜日に行ったガーディアンズ戦は、大谷翔平が3試合ぶりに“初回からの衝撃”を見せなかった試合となった。
日曜日のメッツ戦、月曜日のガーディアンズ戦と、2試合連続で先頭打者本塁打を放っていた大谷だったが、この日は試合開始直後の第1打席で、タナー・バイビーの速球に見逃し三振。しかし、これがバイビーが大谷を“凡人”に見せた最後の場面となった。
2回の打席では敬遠され、続く4回の第3打席で逆方向となるレフトスタンドへ362フィート(約110メートル)の本塁打を放ち、ロサンゼルスに4-0のリードをもたらした。試合は最終的に9-5でドジャースが勝利した。
この一発で、大谷は今季メジャー最速となる20本塁打到達を果たした。
この試合はドジャースにとって今季55試合目だったが、その時点で20本以上の本塁打を放ったのは、1951年のギル・ホッジス(21本)と2019年のコディ・ベリンジャー(20本)に続いて球団史上3人目の快挙となった。
なお、この日の本塁打は“大谷らしい豪快な一発”とは少し異なり、右中間の上段に飛ばすような打球ではなく、バイビーの外角カッターに逆らわずに反応し、左翼の“ホームランポーチ”を越える技ありの一打だった。これはドジャー・スタジアムでは本塁打になっていなかっただろう。
これについてデーブ・ロバーツ監督は笑いながらこう語った。
「彼には“凡ミス”が許される余裕があるんだよ」
これは今季2度目(5月14日〜16日に続いて)の3試合連続本塁打であり、キャリア通算では10回目の記録となった。
さらに大谷は、1カ月間の本塁打数において、コディ・ベリンジャー(2017年6月)およびエイドリアン・ベルトレ(2004年8月)と並んで、ドジャースの球団史上3位タイの13本に到達した。最多記録はペドロ・ゲレーロ(1985年6月)とデューク・スナイダー(1953年8月)の15本である。
同僚のマックス・マンシーはこう語った。
「ちょっと嫉妬するよ。あいつは普通の人間にはできないことをやってのけるからね。」
大谷もバイビーも、打った瞬間は本塁打になるとは思っていなかった。大谷は打球の行方を確認することなく打席から全力で走り出し、フェンスを越えたのを確認してからようやくジョグに切り替えた。一方のバイビーは、呆然と打球の軌道を見つめ、フェンスを越えた瞬間に「オーマイガー」と口にした。
「多くの人がポップフライだと思ったんじゃないかな」とバイビー。「僕もそうだったよ。イニングが終わったと思った。うちの球場で、あそこに逆方向へ打てる左打者はそう多くないからね」
大谷はこの試合で3打数1安打(本塁打1本)、2四球、2三振だった。
「芯を食ってなかった…まるでヘリウムのボールだった」とドジャースのロバーツ監督は語った。
この日は3試合連続となる先頭打者本塁打とはならなかったが、それでも彼の打撃がメジャー屈指であることを改めて証明する一打だった。
5月の大谷の長打率は.776に達しており、これは自身のキャリアにおける5月の平均長打率(.545)を200ポイント以上も上回るものとなっている。
「今の彼は、ストライクゾーンでの選球が非常に洗練されている」とロバーツ監督は評価した。
そして、それだけにとどまらず、大谷は投手としての復帰も間近に迫っている。
大谷の不在を埋めるローテーション投手の一人であるダスティン・メイも、この日しっかりと結果を残した。5回を投げて4安打3失点、今季最多の9奪三振を記録。直近3試合では合計16イニングで25奪三振と、圧巻の投球を見せている。
メイはこの日、シーズン自己最多イニング更新にはわずか1/3回足りなかったものの(自己最多は56イニング)、危険なクリーブランド打線を相手にできる限りのピッチングを見せた。唯一の失点は4回、ダニエル・シュニーマンにど真ん中の速球を捉えられた3ラン本塁打によるものだった。
「空振りは取れてたし、悪い球は一つだけだった」とメイ。「今後は、そういう一球を減らすようにしたい」
この試合でのドジャースの他の本塁打は、マイケル・コンフォートとマックス・マンシー。コンフォートは4月5日以来の本塁打で、マンシーは5月に入ってから3本目の本塁打となった。
マンシーとコンフォートは火曜日の試合前までの打率を合計すると.212と苦しんでいたが、この日の一戦は、彼らが下位打線における攻撃力をどれだけ引き上げられるかを示す好例となった。
「今は勢いが出てきている兆しが見えている。シーズン序盤に期待していた“打線の厚み”が戻ってきた感じだ」と、デーブ・ロバーツ監督は語った。
ヘンリー・パラテラ:MLB.comライター
引用元:mlb.com